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授業科目名
担当教官
環境都市計画
北村 眞一
時間割番号
単位数
コース
履修年次
期別
曜日
時限
266191 2 3 前期 I
[概要]
 都市計画とは,住民の生活の豊かさや生産性の向上のために,都市の空間や社会の目標像を定め,必要な社会基盤を合理的に整備し,コミュニティを形成する手段体系である.近年,地球環境問題,地域環境問題に関して,野生生物保全,省エネルギー,省資源など環境負荷を低減し,持続可能な生産・生活・生存環境の形成をはかることが都市計画の課題になりつつある.この講義では,都市の計画が現実に行政においてどのように行われているかをまず理解し,新時代の持続可能な「環境調和型都市」にいかに移行させるかその方法を思考することを目的とする.そこで,海外から国内まで,また近代から現代まで都市計画の思潮,都市形成の背景となる法制度,都市形成の足跡およびそれらの問題点に関する基礎的知識を理解することから始める.次いで現行の都市計画の内容を,土地利用計画,都市施設計画,都市開発事業という3つの骨格的要素計画に関して環境形成と関連させて具体的な内容と課題述べる.
 この講義に続いて,後期のエコロジカルデザインで都市の環境計画と地域の計画を講義するので,一体の講義として継続して受講することが望ましい.
 講義と並行して2つのレポート課題「地区調査」と「都市計画事例調査」を課す.事例調査は発表会を行いそこで評価する.
[具体的な達成目標]
 都市の成立に関わる機能と構造,環境への負荷を理解すること.
 そのために都市の歴史の概略を理解し,自分なりの都市への認識を得る.
 (1)土地利用の姿と成立の理解
 (2)基盤施設(道路,河川,上下水道など)の理解
 (3)商業,住居,工業などの地区の成立の理解
 (3)自然と森林と農村と都市の関係の理解
 (4)都市の環境に対する負荷の理解
 
[必要知識・準備]
 都市計画は,自然科学系の環境科学,社会科学系の法学・行政学・政治学・経済学・社会学,建設工学系の造園・建築・土木工学,統計システム系の統計学・情報処理・システム工学などの広い分野からの応用科目になる.そのため広く基礎を学習する好奇心と熱心さが必要となる.
 公聴会や都市計画マスタープラン説明会への参加,都市計画シンポジウムなど社会での教育や実践が絶えず行われている.様々な機会を通して,自主的に居住地での都市計画の実地の学習を進めてもらいたい. 
[評価基準]
 (1)地区調査報告50%,(2)都市計画事例調査報告発表50%で評価する.事例調査は発表会を行いそこで評価する.
 WEBページを見たり,参考図書を読んだり,シンポジウムで考えたこと,雑誌論文を読むなどにより思考を深めることが必要である.思考したあとが見えないような内容の薄い報告では不可となることがあるので注意されたい.
[教科書]
  1. 加藤晃,竹内伝史, 新・都市計画概論, 共立出版, ISBN:4-320-07411-4,
    (2004年1月全面改訂,B5版,320頁,¥3,885-)
[参考書]
  1. 講義の中で紹介する.
[講義項目]
 時々時事の都市問題のトピックスを紹介するので,概ねの流れを示す.
1.講義概要,都市計画の概念,国土法体系,現行都市計画制度
2.近代都市計画の発展1:欧米都市計画の発達
3.近代都市計画の発展2:日本都市計画の発達
4.都市土地利用計画:地価と土地資源,地価・土地資源
5.都市土地利用計画:土地利用計画,土地利用規制と開発
6.都市基盤計画1:交通計画基礎,交通需要予測
7.都市基盤計画2:交通施設,交通政策,省エネ型交通施策(レポート課題1)
8.都市基盤計画3:都市システム・土地利用モデル,土地利用・交通モデル
9.都市総合計画:基礎調査,都市計画マスタープラン,法定計画(レポート課題2)
10.地区計画設計1:住宅地区,土地区画整理事業,環境共生住宅
11.地区計画設計2:商業の発達,流通と商業地区,中心市街地,都市再開発事業
12.地区計画設計3:工業地区,港湾地区,エコタウン,ゼロエミッション工業団地
13.地区計画設計4:農業地区,環境保全型農業,農村集落整備
14.計画理論:計画過程,計画組織,計画への市民参画,
15.レポート課題2発表会
[教育方法]
 講義主体に進める.
 液晶プロジェクターやスライドなどの映像を用い,古典的だが有効な板書も用いて説明する.
 時々問題点などを提示し,討論の場を設けるなど,考える機会をつくる.
[JABEEプログラムの学習・教育目標との対応]
 循環システム工学科ではJABEEプログラムは開始していないが,共通項目と循環システム工学科の理念との関係を示すこととする.
(a)幸福福祉:都市のあり方から,人間の幸福とは何かを考える.
(b)社会責任:公共的な考え方・見方を学習する.
(e)現実課題:都市の現状を考えさせる.
(e)多様な知識技術:都市問題は,生産から生活まで多様な分野を包含する.
(f)デザイン・企画力:都市空間を理解し,将来の計画を考えさせる.
(x)物質循環・経済循環・総合化:都市の物質のフロー,経済構造などを総合してみる見方を学習する.
[その他]
(未登録)