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授業科目名
担当教官
生物工学実験IV
宇井 定春/他
時間割番号
単位数
コース
履修年次
期別
曜日
時限
265695 3 AB 3 後期 月/火/水/木/金 III~IV/III~IV/III~IV/III~IV/III~IV
[概要]
生物の能力を利用して人類に利益をもたらす生物工学では、DNAを中心として動いている細胞の生化学を基本に、応用のために実に多くの知識と技術が求められる。本実験では、「生物の持つ能力を利用して人間の役に立つモノを効率よくつくる」という生物工学の基本に立ち返り、植物及び細菌の力を借りて有用物質生産を行なう。この過程で行なう細胞培養、遺伝子クローニングなどの技術を「手段」の一つとして身につけることも重要であるが、目的達成のためにいかなる戦術を用いてアプローチするかを考える力を養うことに主眼をおいている。
[具体的な達成目標]
(1) DNAの取扱に関する基礎知識・技術の習得
(2) 遺伝子組み換え生物の取扱に関する基礎知識・技術の習得
(3) 植物培養細胞の取扱に関する基礎知識・技術の習得
(4) 生物工学による物質生産における方法論の基本的理解
[必要知識・準備]
本実験は卒業論文履修前の最後の学生実験である。これまで履修してきたすべての講義、演習、実験の復習をよくしておくこと。
[評価基準]
実験終了後に課すレポートにより評価する。学生実験とはいえいかに実験を理論的に理解し、工夫したか(アタマを使ったか)を特に評価する。したがって実験に取り組む態度も評価対象となる。実験の内容は一連の流れとなっているので出席状況を加味する。
[教科書]
  1. 実験テキストは開講時に配布する。
[参考書]
  1. R. W. オールド、S. B. プリムローズ著、関口睦夫監訳, 遺伝子操作の原理, 培風館, ISBN:4-563-07758-5
[講義項目]
1.クローン化キトサナーゼによるキトオリゴ糖生産
エビ・カニ、昆虫などの節足動物の外皮構成成分として知られるキチン、キトサンはセルロースについで地球上に多く存在するバイオマスとして知られているが、これまでほとんど利用されていなかった。近年になって食物繊維としての利用や分解産物であるキトオリゴ糖の抗菌活性などが注目されている。
本実験では土壌より分離したキトサン加水分解酵素(キトサナーゼ)生産菌よりキトサナーゼ遺伝子をクローニングして大腸菌に導入発現させ、生産したキトサナーゼを用いてキトオリゴ糖を生産するまでの過程を通じて分子生物化学的・遺伝子工学的アプローチの基本を学ぶ。

2.植物培養細胞による抗酸化物質生産
コガネバナ(黄金花)はその根を乾燥させたものが漢方のオウゴン(黄岑)として用いられるシソ科の植物である。近年、その薬効成分として、コガネバナ細胞の生産するフラボノイド化合物の持つ抗酸化作用が注目されている。
本実験ではコガネバナの根より誘導したカルスを培養し、細胞抽出液の抗酸化活性を測定するとともに活性成分の部分同定を行なう。この過程を通じ、培養工学的アプローチによる物質生産の基本を学ぶ。
[教育方法]
(1) 実際の実験研究と同様に、最終目的に向けて順序立てて実験を組み立て、理解しやすく基礎知識・技術が習得できるよう工夫している。
(2) 最初にその日の実験の内容、意味、注意点等について詳しく説明し、その後実際に実験することでより理解が深まりやすいようにしている。
[JABEEプログラムの学習・教育目標との対応]
(未登録)
[その他]
(未登録)