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授業科目名
担当教官
信号処理
小澤 賢司
時間割番号
単位数
コース
履修年次
期別
曜日
時限
263630 2 2 後期 I
[概要]
 コンピュータ関連のメディアでは,すべてディジタルデータとして記録や処理がなされているといっても過言ではない.本講義では,時系列データを対象としてとりあげ,1次元の信号処理を学ぶ.
 メディアに関連して最も身近な1次元の時系列データは,音である.周知のとおり,CD・携帯電話などは,音楽や音声をディジタル信号として記録・処理している.そこで,本講義では,音響信号のディジタル信号処理を念頭におき,数学的背景と信号の概念修得を中心とする.具体的には,時間領域で観測される信号を周波数領域に変換しても,あくまで信号としての本質が保存されていることを理解する.そして,実世界の信号や雑音の多くは周波数領域で記述した方が本質的であることを理解する.
☆カリキュラム中での位置付け:Gコースのカリキュラム
[具体的な達成目標]
(1) AD変換の原理である標本化・量子化の概念を理解できる.
(2) アナログ信号について,時間領域と周波数領域における情報表現を理解できる.また,フーリエ級数展開・フーリエ変換を実行し,時間波形からスペクトルを求めることができる.
(3) アナログ信号について,畳み込み積分を実行し,フィルタリングを行うことができる.
(4) ディジタル信号について,時間領域と周波数領域における情報表現を理解できる.また,離散時間フーリエ変換 (DTFT),離散フーリエ変換 (DFT) を実行し,時間波形からスペクトルを求めることができる.
(5) ディジタル信号について,直線畳み込み演算を実行し,フィルタリングを行うことができる.また巡回畳み込み演算により,直線畳み込みと等価な演算を実行できる.
[必要知識・準備]
複素数の四則演算,初等関数についての微分・積分
[評価基準]
・中間試験(40点):アナログ信号処理
・期末試験(40点):ディジタル信号処理
・毎講義の開始時に,自分の理解度を自覚することを主な目的として,前週の講義内容について小テストを行う(10点).また,自分で演習問題を解くことにより理解を深めることを目的としたレポートを課す(5点).さらに,英語の語学力は信号処理に関する最新文献講読に必要であるため,TOEIC得点を補助的に評価の対象とする(5点).
・これらの合計が60点以上を合格とする.
[教科書]
  1. 浜田望, よくわかる信号処理, オーム社, ISBN:4-274-12990-X
[参考書]
(未登録)
[講義項目]
  1.信号処理の目的と応用,アナログ信号とディジタル信号
  2.代表的な信号,複素正弦波,線形性の概念
  3.フーリエ級数展開(その1:原理)
  4.フーリエ級数展開(その2:フーリエ係数の算出)
  5.フーリエ級数展開(その3:フーリエ級数展開の性質)
  6.フーリエ変換
  7.アナログ信号の畳み込み積分,伝達関数
  8.中間試験
  9.離散時間フーリエ変換 (DTFT)
 10.離散フーリエ変換 (DFT),高速フーリエ変換 (FFT)
 11.ディジタル信号の直線畳み込み演算
 12.巡回畳み込み演算とFFTの応用
 13.窓関数,FIRフィルタとIIRフィルタ
 14.ラプラス変換,z変換
[教育方法]
・基本的に教科書に沿って講義を進める.ただし,板書の代わりに,教科書に沿って記述したプリントを配布する.講義終了後にその講義の要点を明示し,復習を義務づける.講義の冒頭では,前回の講義における要点の理解度を問う小テストを実施する.
・講義中の節目で,それまでの内容を自分でまとめる時間を設け,同時に質問を受け付ける時間とする.
・信号処理は,数式だけを追っているのでは理解が深まらないので,メディア工学における一次元信号の代表である「音」を例にとって講義を進める.
[JABEEプログラムの学習・教育目標との対応]
 「目標(A) 情報処理技術者としての基礎的素養及び基礎的スキルの修得」に関して,情報は,時間領域での表現と周波数領域での表現といった,異なる形で同様に表現可能であることを理解させる.
 また,「目標(G) 次の専門技術の何れか一つ以上を具備した人材の育成」に関しては,「項目2.マルチメディアコンテンツを開発処理する基礎的技術」について「離散フーリエ変換・フィルタリングによるディジタル音信号処理の原理を理解させる.また,「項目3.コンピュータヒューマンインタフェースを開発構築する基礎的技術」についてフィルタリング(インパルス応答の畳み込み)により,所望の音信号を合成する技術を習得させる.
[その他]
(未登録)