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授業科目名
担当教官
電子回路I
橋口 住久
時間割番号
単位数
コース
履修年次
期別
曜日
時限
262014 S 2 2 後期 I
[概要]
トランジスタの基本回路とアナログ回路への応用を学ぶ。トランジスタを使って増幅器を構成 することを基本として,帰還回路や発振回路の構成と動作を理解する。基本的な増幅回路や発振回路の設計ができるようにすることを目標とし,電子回路I演習と一体化した講義と演習を行う。
休暇期間とその前後に、差動増幅器の製作実験を行なう。
[具体的な達成目標]
イ.トランジスタ/FETの型名の意味が説明できる。
ロ.トランジスタ/FETの静特性の意味が説明できる.
ハ.トランジスタ/FETの固定/自己バイアス回路の定数を決定できる.
ニ.トランジスタの小信号(hパラメータ)等価回路の意味が説明できる.
ホ.FETの小信号等価回路の意味が説明できる.
へ.等価回路が簡略化できる条件を説明できる.
ト.小信号等価回路を描くことが出来る.
チ.接地形式の意味を説明できる.
リ.小信号動作量の意味を説明できる.
ヌ.小信号等価回路を用いて、小信号動作量を求めることができる.
ル.単段増幅回路の設計ができる.
ヲ.差動増幅器の設計ができる。
ワ.差動増幅器の製作と特性測定ができる.
カ.RC結合増幅器の特性を定量的に説明できる.
ヨ.負帰還の効果を定量的に説明できる.
タ.正帰還と発振の説明ができる.
レ.RC発振器の発振条件を決定できる.
ソ.トランジスタの大信号動作と昇進合同さの違いを説明できる.
ツ.A級電力増幅器の動作を説明できる.
ネ.B級電力増幅器の動作を説明できる.
ナ.半波整流回路の動作を説明できる.
ラ.両波整流回路の動作を説明できる.
ム.電圧安定化回路の動作を説明できる.
[必要知識・準備]
電気回路(集中定数):キルヒホフの法則の運用,交流信号の複素表示,実効値,線形受動回路素子の特性。
電子デバイス:トランジスタの静特性:hパラメータ等価回路,PN接合ダイオード,電界効果トランジスタ。
 数学:線形定数微分方程式(変数分離),複素数、三角関数
[評価基準]
上記達成目標に関して、複数回の試験の結果70%,電子回路演習30%とした荷重和に、製作実験のレポートの評価{0=レポート提出なし~1.2=最良のレポート)を乗じ、その結果が60%に達したものを合格とする。
[教科書]
  1. 橋口住久, 基礎電子回路演習, 朝倉書店, ISBN:4-254-22611-X
  2. 藤井信生, アナログ電子回路, 昭晃堂, ISBN:4-7856-1140-5
  3. 雨宮好文, 現代電子回路学1, オーム社, ISBN:4-274-12749-4
[参考書]
  1. ISBN:4-339-00565-7,
    (相川・石田・橋口著 最新電子工学概論 コロナ社)
[講義項目]
1.トランジスタの直流特性
 1.1 バイポーラトランジスタ
  npnとpnp, 命名法, 直流静特性(特性曲線), 基本電流関係式
 1.2 電界効果トランジスタ
  n-チャンネル形とpチャンネル形,命名法,直流静特性(特性曲線), 基本電圧電流関係式

2.バイアス回路
 2.1 トランジスタのバイアス回路
  固定バイアス回路, 電流帰還バイアス回路,(電圧帰還バイアス回路),
  (温度変化の影響と安定指数)
 2.2 電界効果トランジスタノバイアス回路
  固定バイアス回路, 自己バイアス回路
3.トランジスタの等価回路
 3.1 等価回路に含まれる電源
  理想電圧源,理想電流源,コントロール度ソース
 3.2 hパラメータの意味
 3.3 エミッタ接地hパラメータ等価回路
 3.4 近似hパラメータ
 3.5 電界効果トランジスタの等価回路
4.接地形式と小信号動作量
 4.1 小信号のの定義
 4.2 小信号動作量の定義
   電圧利得,電流利得,入力インピーダンス,出力インピーダンス
 4.3 接地形式と小信号動作量
   接地とは, エミッタ接地とソース接地,コレクタ接地とドレイン接地,
   ベース接地とゲート接地
 4.4 組み合わせトランジスタ
   ダーリントン接続, カレントミラー、カスコード
5. RC結合増幅器
 5.1 段間結合キャパシタの効果--低域周波数特性
 5.2 バイパスキャパシタの効果
 5.3 浮遊キャパシタンスの効果
 5.4 増幅率の周波数特性
  帯域幅, GB積, 広帯域化, ピーキング
6.差動増幅器
 6.1 差動増幅器の必要性
  直流増幅,ドリフト
 6.2 差動増幅器の交流動作と交流設計
 6.3 差動増幅器の直流設計
 6.4 差動増幅器の特性
  入出力特性, オフセット, ドリフト、同相利得とCMRR
 6.4 差動増幅器の製作実習(夏期休暇とその前後)
7.負帰還増幅器
 7.1 帰還回路の構成と効果
  小信号動作量, 周波数特性, 素子感度, ノイズとひずみ, 安定性
 7.2 オペレーショナルアンプ
  周波数特性,イマジナルショート
 7.3 オペレーショナルアンプを用いた帰還回路
  反転増幅, 非反転増幅, フォロア, 加算器、積分器、(位相補償)
8.発振回路(正弦波発振器)
 8.1 発振条件
  帰還形発振器の発振条件, 2端子発振器の発振条件
 8.2 RC発振回路
  ウイーンブリッジ発振回路(ターマン発振回路), (移相形発振回路)
9.電力増幅器
 9.1 大振幅動作と図式解法
 9.2 動作様式と電力効率(A級、B級、C級)
 9.3 最大出力と所要電源,放熱
10.整流回路
 10.1 整流回路の特性パラメータ
  リプル率,電圧変動率,出力直流電圧と入力交流電圧の関係
 10.2 半波整流回路
 10.3 両波整流回路
 10.4 ブリッジ整流回路
 10.5 電圧安定化回路
講義時間外 差動増幅器の製作実験
[教育方法]
1時限の講義と2時限の演習とを一体化して実施する。
1.1時限での講義内容についての問題演習を2時限に行ない、答案を提出させる。
その評価を最大15とする。
2.問題演習の課題をより深く検討してレポートとして翌日に提出させる。
その評価を最大10とする。
3.CISに掲示した正解を書き写して提出させる。
その評価を最大5とする。

指定の仕様の差動増幅器を設計製作し,特性を測定して、そのレポートを提出させる。
[JABEEプログラムの学習・教育目標との対応]
教育目標「C-3:電気電子工学分野の基礎数理・基礎物理の学力を養う」に対応する.
[その他]
(未登録)