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授業科目名
担当教官
電気回路I
垣尾 省司
時間割番号
単位数
コース
履修年次
期別
曜日
時限
262004 S 2 S 2 前期 II
[概要]
本科目では、抵抗、キャパシタ、インダクタ等の回路素子から成る回路網において、直流、または交流の電圧源・電流源を接続したときに、各素子および回路網全体が応答する有様を定常状態について学ぶ。電気回路では正弦波を複素表示した記号法を用いるので、瞬時値、実効値を複素表示に変換することについて学ぶ。また、各種回路解析法を用いて、各素子の電圧、電流や電力を算出する方法について学ぶ。本科目の内容を英語で伝達、議論する素養を身につけるために、英語版の問題集を副教科書として使用する。
[具体的な達成目標]
(ア)電圧、電流の瞬時表示ができ、振幅、位相、進み遅れが説明できる。
(イ)抵抗、インダクタ、キャパシタを流れる電流と電圧の関係を説明できる。
(ウ)電圧源と電流源の相違と特徴を説明できる。
(エ)電力の瞬時表示と平均電力を求められる。
(オ)瞬時表示と複素表示の変換ができる。
(カ)電圧・電流を直角座標表示と極座標表示できる。
(キ)オームの法則・キルヒホッフの電流則・キルヒホッフの電圧則を適用できる。
(ク)インピーダンスとアドミタンスを求められる。
(ケ)並列接続回路、直列接続回路の電流・電圧・電力を求められる
(コ)共振回路の共振条件を求められる。
(サ)複素電力、電力と力率を求められる。
(シ)相互インダクタンス・変成器が入った回路の電圧・電流・電力を求められる。
(ス)重ねの理・最大電力伝達定理を適用できる。
(セ)テブナンの定理、ノートンの定理を適用できる。
(ソ)四端子回路網の諸定数を求めることができる。
[必要知識・準備]
複素数の演算とベクトル表示(基礎電気理論)及び行列の演算(線形代数学I)が可能であることを前提として講義を行う。
[評価基準]
中間試験(2回)と期末試験を行い、前記の到達目標の60%を満たしている受講者を合格とする。
[教科書]
  1. 小郷 寛、小亀 英己、石亀 篤司, 基礎からの交流理論, 電気学会, ISBN:4-88686-230-6
  2. J. Edminister and M. Nahvi, Schaum's Outlines Electric Circuits, 3rd edition, McGraw-Hill, ISBN:0-07-018999-4
[参考書]
(未登録)
[講義項目]
1.直流回路:抵抗器、電圧源と電流源、抵抗の直列接続と並列接続、キルヒホッフの法則、電力とエネルギー
2.正弦波交流:正弦波交流電圧の発生、正弦波交流の用語、交流の大きさと波形
3.インピーダンス:回路素子、R,L,C の働き、RL 直列/並列回路、RC 直列/並列回路、RLC 直列回路、直列共振
4.複素数による表示法:複素数、正弦波と複素数の対応
5.交流回路:複素インピーダンス、交流回路の例
6.交流電力:素子の電力とエネルギー、複素電力
7.相互インダクタンスと変成器:基礎式、交流回路での変成器、理想変成器形
8.回路方程式:有向グラフ、閉路方程式、節点方程式、 電力保存則
9.回路の諸定理:重ねの理、可逆定理、補償定理、テブナンの定理とノートンの定理、定抵抗回路、逆回路、最大電力伝達定理、三角結線と星形結線の等価変換、円線図
10.四端子回路網:基礎公式、四端子網の接続、等価回路、対称四端子網と二等分定理
[教育方法]
教科書1「基礎からの交流理論」の順序に従って講義を行う。練習問題を解くことにより理解を確認しながら進め、達成目標が得られるようにする。
[JABEEプログラムの学習・教育目標との対応]
本科目は電気電子システム工学科の掲げる学習・教育目標「C-3 :電気電子工学分野の基礎数理・基礎物理の学力を養う」に対応する。
[その他]
自ら頭と手を使わない限り基礎素養の習得は望めない。