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授業科目名
担当教官
振動工学
澤登  健
時間割番号
単位数
コース
履修年次
期別
曜日
時限
261400 2 3 前期 II
[概要]
 運動部品やジョイント部品の有する慣性特性,弾性特性,減衰特性の働きによって,機械には正常な運転を妨げ,性能の低下や破損を招くさまざまな振動が発生する。よって機械の設計・開発や運用にあたっては,振動・騒音問題を解決することが何よりも重要である。本教科では,機械力学で学習した振動解析の基本事項を踏まえて
 (1) 機械の振動問題を実用レベルで解析するために必要な多自由度系の振動解析法
 (2) はり,棒,板などのような連続体の振動解析法
 (3) 回転軸のふれまわりやつり合わせなどのような回転機械特有の動力学問題について基本的な考え方や解法を学ぶ。
[具体的な達成目標]
 1.いろいろな力学原理を使って多自由度振動系の運動方程式を導くことができる。
 2.線形代数学の知識を活用して多自由度系の振動特性や応答特性を解析することができる。
 3.材料力学の知識を活用して連続体の振動解析に必要な運動方程式を導くことができる。
 4.変数分離法によって連続体の固有振動解析ができる。
 5.いろいろな力学原理を使って回転軸系の動力学問題を解析することができる。
[必要知識・準備]
 1.力学の基礎知識(力のつり合い,運動の法則,拘束)
 2.数学の基礎知識(三角関数,複素数,ベクトル,微積分,初等幾何学,常微分方程式の解法)

  先行科目:基礎物理I,応用物理I,微分積分学及び演習,微分方程式I,微分方程式II,線形代数学I,線形代数学II,機構学,機械力学
[評価基準]
[評価方法]
 中間試験20%,演習課題(小テスト,宿題,レポートなど)20%,期末60%で評価する。
[評価基準]
  講義内容の基礎的な知識が習得されていること,それらを与えられた問題に適用して筋道を立てて考えることができるかで評価する。
[教科書]
  1. 背戸一登・丸山晃一, 振動工学ー解析から設計までー, 森北出版, ISBN:4-627-66451-6
  2. 清水・沢登ほか, −基礎と応用−機械力学, 共立出版, ISBN:4-320-08123-4
[参考書]
  1. 末岡ほか, 機械振動学, 朝倉書店, ISBN:4-254-23706-5
  2. 井上善雄ほか, 振動の考え方・とらえ方, オーム社, ISBN:4-274-13148-3
  3. 鈴木浩平ほか, 例題で学ぶ振動工学, 丸善, ISBN:4-621-03939-3
  4. 安田仁彦, 振動工学 基礎編, コロナ社, ISBN:4-339-04552-7
  5. 安田仁彦, 振動工学 応用編, コロナ社, ISBN:4-339-04558-6
[講義項目]
  1.動力学解析の概要と数学的準備
      動力学解析の諸手法(モデリング法,力学原理,定式化法など)の振動解析への応用,数値解析の諸手法(ニュートン法,行列反復法など)

  2.多自由度系の振動
      多自由度振動系のモデリングと振動解析法,影響係数,モード解析

  3.連続体の振動
      棒,はり,板などの弾性体の縦振動,曲げ振動,近似解法

  4.回転軸系の振動
      回転体の力学,回転軸のふれまわり,回転体のつり合わせ法

  5.振動の制御
      振動制御の諸形式,制振設計,モード制御
[教育方法]
 1.教科書を中心に講義をするが,内容の理解を助けるために必要な力学や数学の基礎事項をまとめた補助教材をYINS-CISを通じてあらかじめ配信する。
 2.講義では基礎原理や考え方を講義課題に沿って展開する力を付けさせることに重点をおく。
 3.講義内容をより理解しやすくするために,ビデオやOHPなどのビジュアル教材を活用する。
 4.小テストやレポートを課すことによって講義内容を要領良くまとめ,自らの問題解決に活用する能力を養わせる。
[JABEEプログラムの学習・教育目標との対応]
 (C) 機械工学の基礎−基礎工学知識の修得とそれらを活用して問題を解決する能力の涵養
    「運動と振動」− (C) 自由振動,(D) 強制振動,(16) 固有値と固有ベクトル,(18) 連続体の振動,(29) ロータダイナミックス
[その他]
 1.講義に関する連絡はYINS-CISを通じて行う。
 2.オフィスアワーは火曜日16:00~18:00。