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授業科目名
担当教官
制御工学
澤登  健
時間割番号
単位数
コース
履修年次
期別
曜日
時限
261250 A 2 D 3 後期 II
[概要]
 工学系には,動力源や負荷の変動,温度や圧力または材料特性などの変化などシステムの正常な動作を撹乱する多くの要因が潜んでいるが,操作量と応答量(制御量)の間にフィードバックと呼ばれるループ結合があると一般にその影響を小さく押さえ込むことができる。制御は,このようにさまざな工学分野に共通する基本原理や手法を体系化して,システムをその目的に沿って機能させる技術である。本教科では,身近な交通機械や家庭機器を例にして,フィードバック制御手法を中心に必要な基礎数学,制御系の基本構成と表現法,制御系の安定と不安定,制御系の性能評価と設計法など制御工学の基礎事項を学ぶ。
[具体的な達成目標]
 1.フィードバック制御系の基本構成と各要素の働きが説明できる。
 2.システムの支配方程式をラプラス変換してブロック線図に表すことができる。
 3.ブロック線図から簡単な制御系の応答特性や安定性を評価するための関係を導くことができる。
 4.ボード線図やナイキスト線図を描いて制御特性を評価することができる。
 5.根軌跡を描いて簡単な制御系の設計ができる。
 6.位相補償法を使って簡単な制御系の設計ができる。
[必要知識・準備]
 1.力学の基礎知識(力のつり合い,運動の法則,拘束)
 2.数学の基礎知識(三角関数,複素数,ベクトル,微積分,初等幾何学,常微分方程式の解法)

  先行科目:基礎物理I,応用物理I,応用物理II,微分積分学及び演習,微分方程式I,微分方程式II,基礎電子工学,機構学,機械力学,振動工学
[評価基準]
[評価方法]
 中間試験20%,演習課題(小テスト,宿題,レポートなど)20%,期末60%で評価する。
[評価基準]
 講義内容の基礎的な知識が修得されていること,それらを与えられた問題に適用して筋道を立てて考えることができるかで評価する。
[教科書]
  1. 田中 正吾編著, フィードバック制御の基礎, 朝倉書店, ISBN:4-627-91490-3
[参考書]
  1. 志村 悦二郎, 自動制御とは何か, コロナ社 , ISBN:4-339-03140-2
  2. 中野 道雄・美多 勉, 制御基礎理論, 昭晃堂, ISBN:4-7856-1109-X
  3. 斉藤 制海・徐 粒, 制御工学−フィードバック制御の考え方ー, 森北出版, ISBN:4-627-72821-2
  4. 鈴木 隆, 自動制御の基礎と演習, 山海堂, ISBN:4-381-08826-3
[講義項目]
  1.制御工学序論
      制御の種類,制御系の構成,制御工学の歴史など

  2.信号の伝達と伝達関数
      伝達関数とブロック線図,等価変換,シグナル線図
 
  3.ラプラス変換
      順変換と逆変換,デルタ関数とその応用
 
  4.フィードバック制御系の特性解析
      定常特性,過渡特性,周波数応答,安定判別,ゲイン余裕,位相余裕,定常偏差,根軌跡法

  5.フィードバック制御系の特性補償
      直列補償,並列補償,遅れ補償,進み補償
[教育方法]
 1.教科書を中心に講義をするが,講義に先立って,内容の理解を助けるために必要な数学の基礎事項をまとめた補助教材をYINS-CISを通じて配信する。
 2.講義では基礎原理や考え方を講義課題に沿って展開する力を付けさせることに重点をおく。
 3.講義内容をより理解しやすくするために,ビデオやOHPなどのビジュアル教材を活用する。
 4.小テストやレポートを課すことによって講義内容を要領良くまとめ,自らの問題解決に活用する能力を養わせる。
[JABEEプログラムの学習・教育目標との対応]
 (C)機械工学の基礎−機械工学の基礎工学知識の修得とそれらを活用して問題を解決する能力の涵養
   「情報と計測・制御」−(C)伝達関数と計測制御,(20)ラプラス変換,(21)特性方程式,(22)周波数応答,(23)ナイキスト線図,
                 (24)位相補償,(26)サーボ機構,(31)安定性
[その他]
 1.講義に関する連絡はYINS-CISを通じて行う。
 2.オフィスアワーは火曜日16:00~18:00。