山梨大学電子シラバス>検索結果一覧>授業データ



授業科目名
担当教官
現代の科学と思想
高橋 智子
時間割番号
単位数
コース
履修年次
期別
曜日
時限
256471 2 J 2 前期 III
[概要]
科学はこれまでも進歩し,これからも進歩を続けていくものです.その意味で科学は「時代を超えた人類の共同研究の成果」といえるのかもしれません.その営みは単に「知識」を生産してきただけではなく,社会のあり方を変革し,人々の思考様式をも変えてきました.いま,科学者や技術者がどのような哲学をもって科学研究を進めていくのかは,これからの科学技術のあり方を決定づける重要な要素の一つです.ここでは自らの思想を鍛え,常に問題の本質を見抜ける確かな力を培うための,基本的な知識を獲得することが目標です.









 
[具体的な達成目標]
・「科学とは何か」を具体的な事例に則して自分なりにイメージをつくりあげること.
・その自らの「科学観」を客観的に評価することができるようになること.
・そこから,これからの学習の目標をつかむこと.
[必要知識・準備]
特別な知識は必要としませんが,他人の意見に耳を傾け,じっくりと考え,問題を吟味していく心構えが求められます.
[評価基準]
出席して討論に参加し,自分の考えを整理することが重要ですから,レポートと出席によって総合的に評価します.
[教科書]
  1. 特には指定しません.
[参考書]
  1. 授業中に紹介します.
[講義項目]
1.科学者に求められる専門性と批判精神
  現代科学は高度な専門性が求められ,その知識は科学者であっても専門が異なれば理解が難しいものになっています.したがって社会的分業によって科学は研究されているわけです.しかし,社会の中で科学が果たす役割は,そうした個別的なものではなく,相互に連関しているのです.そうした時代に科学者に求められる専門性とはどのようなものでしょうか.

2.社会は科学をどう見てきたのか
  ・科学者を奇人変人のように描いた文学作品は数多く存在します.このことは科学進歩が必ずしも社会にとって肯定的には受け止められてこなかったことを意味します.
  ・その一方で,科学技術が人類の夢を実現し,バラ色の未来を約束するといった「科学技術万能論」も数多く見受けられます. 
  ・科学や科学者は社会のなかでどのように受け止められてきたのでしょうか.

3.「科学とは何か」をめぐる科学論論争の系譜
  ・科学とは何かが深刻な問題として論じられたのは第一次世界大戦後の1920年代です.それは,第一次世界大戦がはじめての「科学戦」といわれたことと無関係ではありません.戦争と科学,科学者,社会はどう関わってきたのでしょうか.
  ・科学が社会に対し大きな影響力をもつようになるにしたがい,科学の社会的機能が問題にされ,それまでの「科学=客観的真理」という構図に大きな疑問が提出されました.このことを科学者たちはどう見てきたのでしょうか.「客観的真理」はもはや存在しないのでしょうか.
  ・公害の発生,地球的規模での環境問題の深刻化は,これまでの科学や技術のあり方に大きな反省を求めています.一体,科学者や技術者は何を反省するし,どのような社会的責任を果たしていく必要があるのでしょうか.

4.総合討論と自分の意見の整理
[教育方法]
ここでは,自ら学び,成長する力を養うことが大きな目標ですから,授業中に紹介する事例について,自ら興味をもった問題を調べ,各自が調べたことを出し合いながら討論することを通じて,自らの考えをまとめていく形式で授業を進めていきます.
[JABEEプログラムの学習・教育目標との対応]
(未登録)
[その他]
(未登録)