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授業科目名 電気とコンピュータ
時間割番号 053042
担当教官名 清弘 智昭
開講学期・曜日・時限 後期・火・V 単位数 2
<対象学生>
全学生対象
<授業の目的および概要>
 電気とコンピュータ,この両者に共通なものはなんだと思いますか?この両者は,最も身近にあって,しかも無くてはならないものとなっています。皆さん,特に新入生の中には「パソコンは持っていないし身近にコンピュータなんかないよ」と思った人がいるかもしれません。モニタやキーボードはついていませんが,身近にある家庭電化製品や自動車などには多数のマイクロコンピュータが使われています。このように,電気とコンピュータは表面には見えないけれども私たちの生活にとって欠かせないものとなっています。したがって,コンピュータや電気についての基礎的な知識を修得することによって,より有効かつ安全に電気や家庭電化製品を利用することができるようになると考えられます。
 この講義では,まず電気の基本的な性質をまず学び,つぎに電気をいかにして作り,それを家庭まで送られてくるかについて学びます。これにより,電気にたいする基本的な知識を修得するとともに,現代のエネルギー問題としての電気についての基本的な考え方を修得します。次に,現在の情報化社会への起爆剤となったマイクロプロセッサの開発の歴史,開発にいたった経緯や,マイクロプロセッサを用いたパーソナルコンピュータやビデオゲームなどマイクロプロセッサを応用した機器の開発の歴史などについて学びます。最後に,コンピュータの中身や構成などの基本的な構成,それを理解するためのブール代数などの基礎について学びコンピュータに対する基本的な知識を修得します。
<授業の方法>
基本的には教科書とプリントを用いて講義形式で行いますが,適宜,達成度を見るために講義中に演習,レポートの課題提出も行います。
<成績評価の方法>
1.電力,オームの法則など電気の基本を理解している。
2.発電,変電,送電,電気機器などのしくみについて定性的に説明ができる。(工学的な数式等による説明は求めません)。
3.IC(集積回路)や半導体の構成,特徴などについて定性的に説明が行える。
4.ブール代数の簡単な演算ができ,コンピュータの仕組みについての説明ができる。
 以上の達成度を調べるために数回の小テストと期末試験を行います。さらに,理解度を高めるために数回のレポートを課します。レポートは理解度を高めるために必要なものですので評価の対象となります。
<受講に際して・学生へのメッセージ>
 特別な数学的な知識は必要ありません。中学までの数学と理科の知識があればよいように配慮します。講義を興味を持って聴き,与えられた課題をきちんとこなすことが大切です。
<テキスト>
  1. 図説 電力システム工学, 丸善株式会社, ISBN:4-621-07070-3
  2. プリントを適宜配布します
<参考書>
(未登録)
<授業計画の概要>
各講義の題目および内容は以下のとおりです。達成目標は各講義内容を理解することです。
1.現代社会のエネルギー問題:経済発展と人口増加,エネルギー問題,環境問題
              :摩擦電気,クーロンの法則,電池,オームの法則
              :電磁誘導,マックスウェル方程式の考え方
2.電気を作る(1)      :発電の原理,発電機の仕組み,水力発電,水車
3.電気を作る(2)      :火力発電所,熱サイクル,蒸気タービン,核分裂反応,                沸騰水型原子炉,加圧水型原子炉,原爆と原子炉の違い
4.電気を作る(3)      :原発事故とその原因,核燃料サイクル
              : 風力発電,太陽熱発電,地熱発電,燃料電池,
                海洋エネルギー発電
5.電気を送る(1)      :交流と直流,直流電力,交流の力率,交流電力
6.電気を送る(2)      :電力損失,三相交流変圧器,遮断機,電力系統,
               送電線/鉄塔
7.身の回りの電気器具と原理:ブレーカ,洗濯機,誘導機,誘導加熱,エアコン
8.マイクロプロセッサ開発の歴史(1):トランジスタの発明,集積回路とアポロ計画
                   日本での電卓競争,汎用電卓用ICの開発
9.マイクロプロセッサ開発の歴史(2):Intelと4004,8ビットマイクロプロセッサ
                  16ビットマイクロプロセッサの出現
                  高性能マイクロプロセッサの誕生,ムーアの法則
10.パーソナルコンピュータの開発史(1):Altair,アップルコンピュータと2人の
                    Steve,CP/M,
                    IBMのパーソナルコンピュータの出現
11.パーソナルコンピュータの開発史(2):MS-DOSの誕生,ダイナブック,
                     マッキントッシュ
                     日本でのパソコン開発の歴史,
                     NECとシャープ, PC9801の出現
12.基本論理演算と論理回路 :アナログとデジタル,ブール代数,基本論理演算
                (AND,OR,NOT),ブール代数の定理
13:コンピュータの構成   :コンピュータの基本構成,CPU,メモリ,IO
                ROM,RAM,命令セット,RISC,CISC
14.コンピュータの周辺装置 :コンピュータとビデオゲーム,
                オペレーティングシステム,
                コンピュータの周辺回路と原理