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授業科目名 日本古代の政治と文化
時間割番号 051015
担当教官名 大隅 清陽
開講学期・曜日・時限 後期・水・II 単位数 2
<対象学生>
全学生対象
<授業の目的および概要>
授業の目的:日本古代の神話・伝承・歴史について、具体的なテキスト(今年度は『古事記』を用いる)に即して読解しつつ、古代社会の特質について講義する。また歴史学のみならず、文学、神話学、人類学、心理学など他分野の成果にもふれ、日本文化研究の様々なあり方について考える。貴重な文化的資産である古典や歴史についての興味・関心を深め、受講生諸君が自ら学んでゆくきっかけとなることを目指したい。
到達目標:(1)『古事記』という日本最古の古典に慣れ親しみ、そのテキストとしての性格について基礎的なことがらを知る。(2)『古事記』を通じて、日本古代の政治・社会・文化についての理解を深める。(3)古典や歴史との対話を通じ、日本の社会や文化の特質について、自ら考えてゆくための視点や方法を獲得する。
<授業の方法>
講師がテキストを朗読・現代語訳し、順次解説を加える形で行う。また毎回終了時に、講義内容への質問をミニットペーパーとして提出してもらい、次回の講義にフィードバックするほか、出欠と理解度(平常点)の評価材料とする。
<成績評価の方法>
1.出席:6割以上を単位取得の条件とする。
2.授業中の活動:毎回終了時に提出するミニットペーパーの内容を点数化する。20%
3.試験:講義内容をもとに各自の見解を論述するもの。80%
<受講に際して・学生へのメッセージ>
テキストは古文ですが、文法や語彙の暗記は不要です。内容への関心と、自ら考えようとする意欲を重視します。オフィス・アワーは金曜16時30分~18時00分です。
<テキスト>
  1. 倉野憲司校注, 『古事記』(ワイド版岩波文庫48), 岩波書店, ISBN:4-00-007048-7
<参考書>
  1. 石川淳, 『新釈古事記』(ちくま文庫), 筑摩書房, ISBN:4-480-02545-6
<授業計画の概要>
1.ガイダンス
2.『古事記』とは何か
   日本最古の古典の成立とその概要を探る
3.古代の天皇とその伝承
   天皇の系譜と伝承は、いつ、どうして出来たのか
4.神武東征_ −東征説話の意味−
   初代天皇カムヤマトイワレビコとその伝承の形成
5.神武東征_ −死と再生の儀礼−
   古代王権を支える農耕社会の自然観・死生観
6.神武東征_ −久米歌と大嘗祭−
   神話劇としての芸能・即位儀礼
7.皇后選定−聖なる結婚−
   古代の王者の結婚とその宗教的・政治的意味
8.タギシミミの反乱−王位継承と反乱伝承−
   王位継承の仕組みからみた古代王権の特質
9.欠史八代−古代社会と系譜意識−
   祖先からの系譜の意味と氏族社会の構造
10.崇神天皇と祭祀−マツリゴトの由来−
    古代の政治と神祭りの関係
11.三輪山伝説−神話・説話・昔話−
    古代の神話と現代の昔話はどう違うか
12.タケハニヤスの反乱−ハツクニシラス天皇−
    神々の時代の終わりと大和政権の発展
13.まとめ−古代王権と神話・伝承−
(全体の計画は、進度により変更することがあります)