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授業科目名
看護学原論1
担当教官
澤田 愛子
時間割番号
単位数
履修年次
期別
H003011 2 1 通期
[学習目標]
一般目標(GIO)
本講義は、各論に入る前の学生に、看護の基本理念と内容の全体像をしっかりと理解させることを目標とする。とりわけ、講義の中では、人々が「人間のいのちのかけがえのなさ」をどう捉え、日々の歩みの中でそれとどう向き合い、問題にどう対処しようとしてきたのか、また、どう対処しようとしているのかという点に焦点を当てる。
行動目標(SBO)
1.看護とその価値をめぐって、基本理念を理解する。
2.様々な状態の人間への看護の概略を理解する。
3.人間の生と死の問題を、深いレベルで理解できる。
4.日本の国内外の看護(看取り)の歴史の流れが把握できる。
5.看護のプロセスをめぐって概略を理解する。
6.日本に合った看護の理論の必要性を理解する。
7.看護研究に関して、研究の種類と方法の概略が把握できる。
[授業計画]
1.いのちの看取りー看護とは何か (1コマ)
2.看護職とマンパワー (計 2コマ)
  (1) 看護制度と看護職者:(1コマ)
 (2) 看護におけるマンパワーの現状と課題:(1コマ)
3.様々な段階の人間への看護 (計10コマ)
 (1) 基本にある出会いの理論ー人間関係論:(2コマ)
  (M.Buberの「我と汝」、実存的カウンセリング理論等)
  (2) 健康者の予防行動へのアプローチ (0.5コマ)
  (3) 疾患(急性期、慢性期、回復期)を持つ人へのアプローチ (0.5コマ)
  (4) 終末期患者へのアプローチ
  1) 人間の生と死、宗教と人間の死 (1コマ)
    2) 終末期患者の問題と心理的苦悶 (1コマ)
    3) 終末期看護の核心 (1コマ)
    4) ホスピス思想の変遷 (1コマ)
    5) 日本におけるホスピス(緩和医療)とその問題 (1コマ)
    6) 告知と真実を知る権利 (1コマ)
    7) 人間の死期をめぐる倫理問題 (1コマ)
4.いのちの看取りの歴史 (計8コマ)
 (1)  古代文化における看護 (0.5コマ)
  (2)  宗教的理念を基本とした看護 (1.5コマ)
  (3)  職業的看護の芽生え(2コマ)
      看護の暗黒時代、西洋の都市文化と病院の発生、人道主義、近世日本の看護
   ナイチンゲールと近代看護の芽生え
 (4) 日本における近代看護 (0.5コマ)
  (5)  第2次大戦中の看護  (2コマ)                                                                                    
  (6)科学時代と現代看護の動向 (1コマ)
  (7) 今後の展望ー日本の看護はどこに行くのか(1コマ)
5.看護のプロセス (計2コマ)
  (1) 看護過程の概要 (1コマ)
  (2) 看護診断の概要 (1コマ)
6.看護理論と看護の研究 (計7コマ)
  (1) 看護理論の具体例
  1) ヘンダーソンとオレムの理論 (1コマ)
   2) M.E.ロジャースとC.ロイの理論 及び日本の看護理論の必要性 (1コマ)
  (2) 看護研究
  1) 意義、種類等 (1コマ)
   2) 主な方法、進め方概要、研究の倫理 (1コマ)
  (3) ナラティブ・リサーチ概論
  1) ナラティブ・リサーチとは何か
   Holistic Content Analysis (1コマ)
   2) Holistic Form Analysis (1コマ)
   3) Categolical Content Analysis (1コマ)
[評価基準]
 試験、出席率、レポート、受講姿勢等を総合評価する。(出欠や遅刻を厳しくチェック
 します。)

( なお、授業の形式は、講義を主体としながら、ビデオ観賞や討論なども加えていく。)
[教科書]
  1. 波多野梗子、小野寺杜紀, 系統看護学講座 I (看護学概論), 医学書院,
    (必ず購入のこと)

  2. 石原明、杉田暉道、長門谷洋治, 系統看護学講座別巻9(看護史), 医学書院,
    (必ず購入のこと)

  3. 澤田愛子, 末期医療からみたいのち, 朱鷺書房,
    (必ず購入のこと)
[参考書]
  1. ライト州立大学看護理論検討グループ(南裕子、野嶋佐由実訳), 看護理論集, 日本看護協会出版会
  2. J.A.ドラン(小野泰博、内尾貞子訳), 看護・医療の歴史, 誠信書房
  3. 伊東博, カウンセリング概論, 全日本カウンセリング協会出版部
  4. 立川昭二, 病いと人間の文化史, 新潮社版
  5. 方波見康男、近藤文衛、形浦昭克編, ターミナルケアへの招待, 金原出版,
    (澤田愛子「死の看護学序説」を所収)

  6. M.ブーバー(植田重雄訳), 我と汝・対話, 岩波文庫
  7. フィリップ・アリエス(伊東晃訳、成瀬駒男訳), 死と歴史, みすず書房
  8. 澤田愛子, 夜の記憶, 創元社(近日刊行),
    (本書は著者がイスラエルで実施したホロコースト生還者へのインタビュー内容を中心に構成されている。学生には読んでもらいたい。)