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授業科目名
担当教官
分析化学
川久保 進
時間割番号
単位数
コース
履修年次
期別
曜日
時限
265051 2 AA 2 前期 III
[概要と目標]
 分析化学において、物質の「識別」とともに、その量の「計測」(定量)が重要である。酸性雨を例にすると、雨水中にどのような成分が含まれるかを識別するとともに、それぞれの成分がどのくらいの量含まれるのかを定量しなければ、酸性化の原因、環境への影響の評価、環境保全の対策が議論できない。また、高純度半導体の開発では、極めて微量の不純物が材料の性質を左右することがあり、その定量が不可欠となる。さらに、成分量が少ない場合は、試料からの分離と濃縮も定量のために必要となる。本講義では、「基礎分析化学」の学習内容を基礎として、「応用化学実験I」で体験する定量分析の原理と関連させながら、分析成分の定量的取扱いについて学習する。別途配布する演習問題集を使って単元ごとに演習小テストを実施し、学習した内容を確認しながら講義を進める。
[必要知識・準備]
「基礎分析化学」の学習内容を基礎として講義を進めるので、本講義を履修する者は「基礎分析化学」を予め履修すること。また、本講義の内容を基礎として「応用化学実験I」を行うので、「応用化学実験I」を履修する者は本講義を予め履修すること。
[評価基準]
成績評価は、演習問題集(別途配布)から主に出題される演習小テスト及び定期試験の成績を基に評価する。
[教科書]
  1. 大橋弘三郎 他著, 「分析化学−溶液反応を基礎とする−」, 三共出版, ISBN:ISBN:4782702809
    (講義資料のプリント(別途配布)を併用する。)
[参考書]
  1. 特に指定しないが、講義内容の理解を深めるために、図書館所蔵の分析化学に関する学習図書の利用を勧める。
[講義項目]
  1.分析化学に関わる基礎理論の復習(1回)
  2.錯生成平衡とそのキレート滴定への応用(4回)
    2.1 錯生成平衡の定量的取り扱い
    2.2 キレート滴定法
    2.3 滴定曲線の予測
    2.4 錯体組成の決定法
  3.酸化還元平衡とその酸化還元滴定への応用(4回)
    3.1 酸化還元平衡の定量的取り扱い 
    3.2 酸化還元平衡への影響因子
    3.3 酸化還元滴定法
      3.3.1 指示薬法
      3.3.2 電気測定法
    3.4 滴定曲線の予測
  4.液−液分配平衡とその応用(3回)
    4.1 液−液分配平衡の定量的取り扱い
    4.2 溶媒抽出分離への応用
  5.イオン交換平衡とその応用(3回)
    5.1 イオン交換体の種類と特性
    5.2 イオン交換平衡の定量的取り扱い
    5.3 イオン交換分離への応用