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授業科目名
担当教官
量子力学
堀  裕和
時間割番号
単位数
コース
履修年次
期別
曜日
時限
262028 2 E 2 後期 II
[概要と目標]
今日,電子技術を支えるさまざまなデバイスや,その研究開発に用いる計測装置は,量子力学的世界の諸現象をその動作原理とするものがほとんどである.この講義では,電気電子システム工学において,電子デバイスの仕組みや電子計測の基本原理を理解するために欠かす事のできない量子力学の基礎的素養を身につける.ミクロな量子力学的世界では,私たちが直接経験できるマクロな世界とは異なるさまざまな現象が起こり,それらが観測という行為を通じて私たちにとって意味を持ち有用なものとなる.この授業では,ミクロな現象とその意味,観測を通じてのミクロな世界からの情報取得についての基本的考え方を学び,これを記述する手段である量子力学の数学的記述における基本的な手法を身に付けることを目標とする.量子力学の記述には,いくつかの主要な数学的形式が存在するが,この講義では波動関数に基づいた取扱いを学習する.量子力学のさまざまな話題や,ナノテクノロジー,量子情報応用などとの関係について,先端の話題を随時紹介しながら授業を進める.
[必要知識・準備]
微分積分学,微分方程式,および線形代数学の基礎的学力を有することが望ましい.複素数とベクトルの数学,波の物理については,これまで学習した事を復習しておくことが望ましい.日常経験とは異なる世界およびその表現について学習するので,特に科学に対する探求心を高めつつ講義に臨んでほしい.
[評価基準]
定期試験の結果によって成績をつける.
[教科書]
  1. 量子力学の記述には,いくつかの主要な数学的形式が存在し,これらを取り扱った名著が数あるが,名著は入門には敷居の高いものが多いため,この講義ではオリジナルな構成で,基本的考え方と記述法の要点を簡潔にまとめた講義を行う.各種教科書の案内は授業中に行うので,どれか一つを教科書として選び,授業内容と比べながら将来の学習につなげるようにしていただく.
[参考書]
[講義項目]
1.自然界の認識と情報の取得
2.古典的世界と量子的世界
3.ミクロな世界の諸現象
4.ミクロな粒子の状態と観測
5.波動関数とその物理的意味
6.状態の重ね合わせと量子的干渉
7.ミクロな粒子の運動とその量子力学的記述
8.空間・時間の並進と演算子による記述
9.ハミルトニアンと運動量演算子
10.物理量と期待値
11.交換関係とハイゼンベルグの不確定性原理
12.シュレーディンガー方程式
13.井戸型ポテンシャル中の粒子の振る舞い
14.結晶中の粒子の振る舞いとブロッホ波
15.量子力学のさまざまな話題