山梨大学電子シラバス>検索結果一覧>授業データ



授業科目名
担当教官
基礎物理学及び演習第一
舛谷 敬一
時間割番号
単位数
コース
履修年次
期別
曜日
時限
254211 A 4 C1 1 前期 月/水 I/IV
[概要と目標]
概要と目標:
 工学を専攻する学生にとって、物理学は重要な基礎科目の一つである。特に、力学は物理学の中で最も基本的な部門であり、様々な基礎的概念を理解する上で必須である。この講義では、微積分やベクトル演算などの数学的方法を用いながら、質点・質点系・剛体の力学について理解を深める。具体的には次のような目標がある。
1.運動の3法則を理解し、様々な例(放物運動、単振動、惑星運動、衝突、実体振り子等)の運動方程式を立て、これを解くことができる。
2.運動量、角運動量、エネルギーなどの基本的概念を実際の例を通じて理解する。

学科の学習・教育目標との対応:
 (B)土木環境工学の専門知識習得に必要となる数学、自然科学及び情報処理の基礎学力を身に付け、土木環境技術者としての知的基盤を形成する。(技術者としての知的基盤の形成)
[必要知識・準備]
 高等学校で履修する物理(物理IB、II)と数学(数学II・B、III・C)の知識があることが望ましい。講義では物理や数学を履修していない学生にも理解できるところから話を始めるが、補習授業や自習による各自の努力が必要である。
[評価基準]
評価方法:
 次の3つを総合して評価する。
 1.出席等(出席・受講状況、宿題レポート、講義及び演習ノート)
 2.中間試験
 3.期末試験

評価基準:
 以下の2つの基準A、Bのうちで、良い方を評価点とする。
 A:出席等(20点)、中間試験(30点)、期末試験(50点)
 B:出席等(10点)、中間試験(10点)、期末試験(80点)

なお、不合格者に対する追試験等は行わない。
[教科書]
  1. 原康夫, 理工系の基礎物理 力学, 学術図書出版, ISBN:4873610931
[参考書]
  1. 演習書(問題の解説が詳しくなされているもの)を各自購入されたい。
[講義項目]
1.物理学・数学の基礎知識調査。力学の歴史について。
2.質点の力学
  2−1.運動の記述
      (質点、基準系、位置、時間、変位、速度、加速度)
  2−2.ニュートンの運動の3法則
      (慣性、質量、力、作用・反作用、運動量、角運動量)
  2−3.等加速度運動
  2−4.摩擦力と抵抗
  2−5.単振動、減衰振動、強制振動(共振)
  2−6.仕事とエネルギー
  2−7.惑星の運動
3.質点系の力学
  3−1.2体問題(質量中心、相対運動、衝突現象)
  3−2.多体問題
4.剛体の力学
  4−1.剛体の運動方程式(運動の自由度)
  4−2.静力学(力のつりあい、偶力)
  4−3.固定軸まわりの回転運動(慣性モーメント、実体振り子)
  4−4.平面運動(斜面を転がる円柱等)
5.非慣性系での運動(見かけの力、遠心力、コリオリ力)

 各試験の出題範囲は、中間試験(1)では質点の力学(惑星の運動を除く)、中間試験(2)では質点系の力学(惑星の運動を含む)、期末試験ではこの講義全体である。具体的な達成目標を以下に示す。

中間試験(1)
 ベクトル量としての変位、速度、加速度が計算できる。
 ニュートンの運動の3法則が説明できる。
 等加速度運動の運動方程式が書け、それを解くことができる。
 抵抗がある場合の運動方程式が書け、それを解くことができる。
 運動量及び力積の概念を理解し,簡単な例に応用できる。
 直交座標系の運度方程式を法線・接線方向の方程式に変形できる
 単振動についての運動方程式が書け、それを解くことができる。
 減衰振動、強制振動について半定量的な説明ができる。
 仕事とエネルギーの概念について説明ができ、計算ができる。
 力学的エネルギー保存則を理解し、簡単な例に応用できる。

中間試験(2)
 角運動量の概念を理解し、簡単な例に応用できる。
 中心力について、角運動量が保存することを理解する。
 万有引力と惑星運動に関するケプラーの法則の関係について理解する。
 等速円運動の仮定のもとで、惑星の運動を計算できる。
 簡単な2体問題の運動方程式が書け、それを解くことができる。
 多体での運動量保存則を理解し、2体衝突の簡単な例が解ける。
 外力のない場合とある場合につき、質量中心の運動を求めることができる。
 簡単な例につき、質量中心に相対的な運動を求めることができる。
 多体問題の角運動量の運動方程式を書き、それを解くことができる。
 多体問題での力学的エネルギーの計算ができる。

期末試験
 中間試験(1、2)の達成目標に加えて、
 簡単な例につき、剛体の力のつりあいを解くことができる。
 剛体の慣性モーメントの計算ができる。
 簡単な例につき、固定軸回りの剛体の回転運動を解くことができる
 簡単な例につき、剛体の平面運動を解くことができる。
 非慣性系でのみかけの力を理解し、簡単な例に応用できる。