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授業科目名 教育調査論
時間割番号 161122
担当教官名 高橋 英児
開講学期・曜日・時限 前期・月・III 単位数 2
<対象学生>
(指定なし)
<授業の目的および概要>
教育学が社会学者、心理学者、文化人類学者、場合によっては政治学者や経済学者の方法論を借用して学問らしき体裁を調える時代はいつの間にか終わり、教育の研究はそれ自身が学問であると、教育学者が広言する時代になった。地域と学校、教室の中の教師と子ども、職員室と教室、生徒文化など、デュルケームからエスノグラフィーに至る多彩な技法の中からできるだけわかりやすいものを集めて紹介したい。
<授業の方法>
 この講義では、
 ○どのような目的で(Why)、
 ○何を(What)、
 ○どのように見るのか(How)
 にこだわって、以下の内容に関して講義および活動を進める。
?教育の研究方法論を学ぶ。
・仮説・実験/調査・検証、法則・原則の発見、新しい知見/実践の変革の手がかりの発見

?「教育」を構造的にとらえる。
・教育を成り立たせている様々な要素を把握しその要素間の関連を問う。
・教育と社会の関係をとらえる。
・「教育の独自性」を明らかにする。

?学校の現在、子どもたちの現在をとらえる。
・さまざまなデータ、記録から読み取る。

?教育に関わるさまざまな言説を問い、実際に検証してみる。
・「常識」「通(定)説」を疑う。
<成績評価の方法>
出席、レポート、調査・発表に基づいて総合的に評価する。
<受講に際して・学生へのメッセージ>
「出席から参加へ」
 この講義では、多様な作業(調査の計画、データの分析、討論、調査など)と学生の主体的な参加と協同的な活動を取り入れながら進める。したがって、それにふさわしい学習活動を受講生の皆さんには期待する。座って聞いているだけでは単位はでない!ということを意識してほしい。
<テキスト>
  1. 毎回、講義の際に参考文献を紹介するので、そのうち必ず1冊は目を通すこと。
<参考書>
  1. ISBN:4061177206
    (・ダレル・ハフ『統計でウソをつく法 数式を使わない統計学入門』講談社ブルーバックス、1968年(初版)・1998年(第62刷)、880円。  ・松原次郎編『教育調査法』有斐閣、1985年、1800円。 ・井上文夫ほか編『よくわかる社会調査の実践(改訂版)』ミネルヴァ書房、1992年、2300円。 ・佐藤郁哉『フィールドワーク 書を持って街へ出よう』新曜社、1992年、1854円。 ・土田昭司『社会調査のためのデータ分析入門』有斐閣、1994年、2500円。 ・山内光哉『心理・教育のための統計法〈第2版〉』サイエンス社、1998年、2500円。 ・志水宏吉『教育のエスノグラフィ 学校現場のいま』嵯峨野書院、1998年、2700円。 ・箕浦康子『フィールドワークの技法と実際 マイクロエスノグラフィー入門』ミネルヴァ書房、1999年、2300円。 ・村山士郎『子どもデータバンク 激変する日本の子ども』桐書房、2000年、1300円。 ・谷岡一郎『「社会調査」のウソ リサーチ・リテラシーのすすめ』文春新書、2000年、690円。など   その他の参考文献は、逐次紹介する。)
<授業計画の概要>
1:オリエンテーション
2:教育調査とは何か(1)…調査の目的・タイプなど
3:教育調査とは何か(2)…調査の歴史と影響
4:教育調査の実際(1)…教育調査の対象と領域
5:教育調査の実際(2)…データから見える子どもの姿
6:教育調査の実際(3)…教室のエスノグラフィー
7:教育調査の実際(4)…フィールドワークの経験
8:教育調査をデザインする(1)…仮説と定義
9:教育調査をデザインする(2)…調査の手順、対象
10:教育調査をデザインする(3)…データの収集と集計
11:教育調査をデザインする(4)…データの分析
12:教育調査を計画する(1)…調査の計画
13:教育調査を計画する(2)…調査計画の発表
14:教育言説を分析しよう…夏休みの仮題の報告と検討