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授業科目名 近代物理学前史−遠隔力という概念の確立−
時間割番号 053047
担当教官名 長島 礼人
開講学期・曜日・時限 前期・火・I 単位数 2
<対象学生>
全学生対象
<授業の目的および概要>
近代物理学の成立にとって力、わけても万有引力の概念の獲得が決定的に重要であった。空間を隔てて対峙する二つの物質が、何らかの物質的介在物もなしに互いに作用しあうなどという概念を何故発見し得たのか。その過程を古代ギリシャの時代にまで遡って概観する。これを通じて、科学が直線的でも単線的でもない実に錯綜した経緯を経て発展している事実の一端に触れてもらう。
<授業の方法>
講義。
<成績評価の方法>
レポートまたは試験。これに授業中に出すレポートの点を合せる。
<受講に際して・学生へのメッセージ>
数式はあまり使わない予定です。
新旧さまざまな思考のせめぎあいの中から遠隔力という概念が確立されるまでを追って行きます。
<テキスト>
  1. なし。
<参考書>
  1. 授業中に紹介。
<授業計画の概要>
万有引力の発見以前、遠隔作用の殆ど唯一の顕著な例は磁力であった。その磁石をめぐる古代ギリシャから中世までの、定性的な論考に最初に触れる。次いで、ルネサンス期に始まる定量的な議論の萌芽を紹介する。最後にケプラーからフック、ニュートンへと連なり万有引力の概念が確立していく過程を説明する。自然科学の新しい概念がどれがけ多くの論考の果に確立し認知されるようになるのかを理解できるような授業の構成にする。