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授業科目名 | 【ゼ】「聖徳太子」の歴史学−歴史的思考入門 | ||
時間割番号 | 051105S | ||
担当教官名 | 大隅 清陽 | ||
開講学期・曜日・時限 | 後期・金・V | 単位数 | 2 |
<対象学生> | |||
全学部1年次生 | |||
<授業の目的および概要> | |||
小・中学校の歴史の授業で必ず習う日本史上の偉人「聖徳太子」。皆さんは、この聖徳太子が実在しなかった、とする学説があることを知っていますか? このゼミでは、いささかショッキングなこの学説が、なぜ、どのようにして提唱されたのか、また、それに対してどのような反論がなされているかを学ぶことを通して、歴史的な思考や、歴史学という学問のあり方について考えます。歴史は、遠い過去の出来事を対象としますが、人間や社会が時間的な連続性をもつ以上、歴史について考えることは、私たちが、自分自身や社会の成り立ちを、時間の流れのなかで解釈し、理解してゆくことでもあるのです。皆さんのなかの「聖徳太子」のイメージをひとまず破壊し、再構築する作業を通じて、「歴史とは何か」「なぜ歴史を学ぶのか」という問いに、自分なりの答えを探してみましょう。 | |||
<授業の方法> | |||
1.ガイダンスとして、最初の2回ほど講義を行った後は、皆さんが主役になってテキストを輪読し、その内容について、全員で討論をしながらゼミを進めます。 2.毎回、テキストを30ページほど読み進めます。全員が前もってテキストを読んでくることが前提です。 3.1回につき最低1人の報告者を決め、分担した部分について、テキストの要約と問題点をプリント(B4で2~3枚程度)にまとめ、授業の初めに報告してもらいます(30分程度)。 4.報告者と別に司会者を決めておき、報告の後に全員で討論をします。 5.必要に応じ、「聖徳太子」に関係する基本文献(『日本書紀』や『隋書』倭国伝、法隆寺関係史料など)についても検討を加えます。現代語訳や注釈も利用するので、古典が苦手でも大丈夫です。 6.最後に、ゼミで学んだことを基に、各自で「聖徳太子」について自由研究を行い、レポートにまとめて提出してもらいます。 7.ゼミの親睦を兼ねて、東京への日帰り見学(東京国立博物館・法隆寺宝物館など)を予定しています。 |
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<成績評価の方法> | |||
1.出席:ゼミ形式ですので、原則として欠席は認めません(欠席の場合は必ず欠席届を提出してください)。 2.授業中の活動:分担した部分についての報告(配布したプリントおよび口頭報告の内容)、司会者としての活動、一般の参加者としての討論への貢献度により評価。50% 3.レポート:「聖徳太子」についての自由研究(詳細は授業中に指示)。50% |
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<受講に際して・学生へのメッセージ> | |||
いわゆる「歴史オタク」の人も拒みませんが、むしろ、歴史を学ぶことの意義について基本から考えてみたい人、文系の学問の存在理由について(何らかの疑問を含め)興味・関心をもっている理系の人など、多様な学生が集まることを期待します。もちろん、歴史好きの文系の諸君には、ゼミの牽引役になってもらいます。 | |||
<テキスト> | |||
<参考書> | |||
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<授業計画の概要> | |||
1.ガイダンス 2.講義:「聖徳太子」を考えるために 3~7.大山誠一著『〈聖徳太子〉の誕生』輪読 8.中間まとめ・討論 9~13.吉村武彦著『聖徳太子』輪読 14.全体のまとめ・討論 (参加者と相談の上、変更する場合があります) |