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授業科目名
担当教官
エコロジカルデザイン特論
北村 眞一
時間割番号
単位数
コース
履修年次
期別
曜日
時限
418770 2 (未登録) 1 後期 II
[概要と目標]
 エコロジカルなデザインは,環境負荷削減,省資源・省エネルギー,資源循環利用,野生生物対策などの制約条件下におけるデザイン行為である.この講義では,環境保全制約下におけるデザインの技術を習得することを目的とする.
 デザインとは計画と設計を合わせた概念で,必要な製品や空間を抽象的なイメージから具体的なものへ実現する過程である.一般にモノを作るには,社会の求める需要(必要性,欲求),創造の理念と目標(思想,哲学),原料の供給,生産機械などの手段,価格経済性などの制約条件,設計の技術,生産の技術などの現実的な方法が必要である.特にモノや空間を創造するためには,要素に分解,要素分析の技術と,要素の組み合わせ,組み立て,総合化の技術,また条件や要素の挙動の不確実性への配慮が必要である.
 デザインの対象は大別して,製品デザイン(プロダクトデザイン),環境デザイン(空間デザイン),情報デザイン(ビジュアルデザイン)に分けられ,対象は非常に多岐にわたるためそのすべてを限られた時間の講義内でカバーすることは難しい.
 まず一般論としてデザインする対象,環境制約,デザインの方法論に関して講義し,特に多様な要素を含んでいる空間デザインに関して詳細を論ずる.整備の事例として,エコシティのデザイン,エコ住宅団地とエコ建築,エコロード,エコパーク(ビオトープ),エコ河川(多自然型川づくり)等を取り上げ,デザイン上の問題点と解決策について,討論しつつ学習する.また必要に応じて,工場や都市などの現地見学を予定している.
[必要知識・準備]
 受講に際しては特別な基礎知識は必要ない.
 ただし異分野の基礎知識に興味を持ち,新しい分野を学習する意欲をもって臨んでいただきたい.
 たとえば,以下のような知識が基礎となることがある.
 ・行動科学,心理学,人間生態学,人間工学など人間行動の基礎的諸特性の知識.
 ・生物学,生態学,造園学,森林学など野生生物の生態に関する知識.
 ・河川,道路,公園,建築,都市などの空間に関する構造物の計画・設計の知識.
 ・自然保護論,環境倫理学,環境関連法, NPOなどの社会制度と哲学の知識.
 ・素材・資源・エネルギーなど,製品のライフサイクルアセスメントに関する知識.
[評価基準]
 デザインに関する基礎知識の体系を理解できたと認められたら単位を取得することができる.
 レポートにより評価する.
[教科書]
  1. 特に教科書は指定せず、資料は講義の中で配布する.
[参考書]
  1. (財)リバーフロント整備センター編, 河川と自然環境, 理工図書, ISBN:4-8446-0648-4
    (¥2,600-)
  2. シム・バンダーリン,スチュアート・コウアン(訳:林昭男,渡和由), エコロジカル・デザイン, 発行:ビオシティ,発売:大学図書・信山社サイテック, ISBN:4-7972-1102-4
    (オリジナル 1996 日本版1997¥2,800-)
  3. アン・W・スパーン, アーバンエコシステム, 公害対策技術同友会, ISBN:4-87489-121-7
    (オリジナル1984 1995¥4,369-)
  4. 西村隆夫,小俣富男,荻須吉洋偏, エコ・エネ都市システム, (財)省エネルギーセンター, ISBN:4-87973-200-1
    (1999¥3,800-)
  5. 山本良一著,益田文和,DMNエコデザイン研究会編, 戦略環境経営 エコデザイン, ダイヤモンド社, ISBN:4-478-87084-5
    (1999¥3,600-)
[講義項目]
 社会人の受講を配慮して,夏期休暇中に集中講義形式とする.現地見学を予定している.
 日程は受講生と相談の上実施するので,受講生は北村までメールにて連絡すること.
 アドレス:skita@mail.yamanashi.ac.jp
  1.一般設計理論:デザイン対象,需要構造,理念と目標,環境条件,
           設計のシステム
  2.デザインへの要求と理論:機能,美学,環境,福祉
  3.建築環境デザイン:環境共生建築,屋上壁面緑化
  4.集落・住宅地環境デザイン:ニュータウン,農村地域
  5.自然と構造物(治山,砂防,ダム,発電,道路,河川)
  6.自然空間(エコ・パーク,ビオトープ,)
  7.都市空間(アーバンデザイン,ユニバーサルデザイン)
  8.製品デザイン(エコ製品)
  9.情報デザイン(紙製品,Webページ)
 10.事例の見学