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授業科目名
担当教官
分権型財政システム特論
門野 圭司
時間割番号
単位数
コース
履修年次
期別
曜日
時限
326310 2 (未登録) 1 後期 III
[概要と目標]
 地方財政(地方公共団体の行なう経済活動の総称)は、人々が生産や生活を営むうえで不可欠な社会資本や福祉サービスの供給という重要な役割を果たしている。とりわけ日本においては、財政支出のおよそ7割を地方が占めており、地方財政のあり方が人々の日常生活に与える影響は極めて大きい。それゆえに、日本の経済社会の動向を見通すためには、地方財政の現状を正しく認識することが必須である。そこで本講義では、制度や理論に関する知識を学習するとともに、地方財政理解をより深めるために必要な財政データを読み取り分析する能力を身につけることを目標とする。そのうえで、公共事業、環境、地方分権、市町村合併、福祉など、今日焦点となっているさまざまな問題領域と地方財政との関わりにおける主要な論点を具体的事例に即しながら解き明かすことを目指す。
[必要知識・準備]
 講義の中で適宜補うため、必要な基礎知識は特にない。
[評価基準]
 原則として学期末に行なわれる筆記試験の得点によって評価する。ただし、リアクション・ペーパー(感想や質問等)の内容によっては評価を上方修正する場合もある。
[教科書]
  1.  特に指定しない。
[参考書]
  1.  講義の中で適宜紹介する。
[講義項目]
 1.地方財政の意義と役割
  (1)地方財政の地位と権能 (2)地方自治と地方財政 (3)地方の多元性(都道府県と市町村)
 2.国と地方の財政関係
  (1)事務配分と財源配分 (2)地方財政計画 (3)中央集権と地方分権
 3.地方財政の仕組みと機能
  (1)予算 (2)経費 (3)租税 (4)国庫補助金・負担金 (5)地方財政調整制度 (6)公信用と地方債 (7)地方公営企業と第3セクター (8)国土計画と地域開発
 4.現代日本地方財政の特質
  (1)現代日本地方財政の歴史的位置 (2)政府間財政関係の国際比較
 5.地方財政の基本論点
  (1)公共事業と地方財政 (2)環境問題における地方税制の役割 (3)地方分権の現状と展望 (4)市町村合併と地方財政 (5)社会福祉と地方財政

 ただし、受講者の同意を得られた場合は演習形式(テキストの報告と討論)に切り替える。