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授業科目名
担当教官
資源生態学特論
三村 精男
時間割番号
単位数
コース
履修年次
期別
曜日
時限
325190 2 物質・生命工学 1 前期 II
[概要と目標]
 現代のバイオテクノロジーは、微生物や高等生物細胞の高度な利用のために遺伝子に注目してきた。この遺伝子は自然界が長い時間をかけて生物進化の過程で作り上げてきた貴重な資源である。従って、21世紀の地球に優しい生物工学は「資源としての生物」、「生態系の一員としての生物」をナチュラルな観点から眺め、自然界の生物の実体を理解しなければならない。かって醗酵工業は現代よりもより自然な姿で生物を利用してきた。すなわち、醸造、環境浄化、複合醗酵など微生物の生態学的応用の例は多い。
 ヒトの活動によって、今や地球環境、地域環境は汚染し、地球の生態系は大きく変動している。このような時代において、微生物や高等生物を「資源」と「生態系」から捉え直し、新しいバイオテクノロジーと融合して、地球に優しい革新的な工業技術の構築をしなければならない。
 こうした自然観の思想に立って「地球に優しいバイオテクノロジー」について論じ、討論によって理解を深める。

 また、学部生命工学の基礎的な知識と考え方を、総点検する目的で、バイオテクノロジー一般についての復習の講義をする。これによって学部教育で不足している基本的な考察力を高度化する。
[必要知識・準備]
 学部バイオテクノロジーの基礎的知識を必要とする。

 なお、外部からの入学学生には、総合的な復習を含めて講義し、本学からの学生の学部講義修得とのバランスを採るように指導する。
[評価基準]
 講義の修了に際して、講義主題の理解を評価するために、レポートを提出する。

 各講義への出席回数は、講義を聴き考える機会を得たこととして評価する。
[教科書]
  1. 三村 精男, 資源生態学特論(大学院修士講義録)
    (三村精男の著作論文を編集した自家版)
[参考書]
[講義項目]
 三村精男の著作論文を編集した自家版の教科書に沿って、OHPを持って講義する。

(1)バイオ技術マップと将来展望(緒論として我がバイオ見解)
(2)バイオテクノロジー技術体系
(3)新しい分野としてのバイオ素材の現状と課題
(4)生体分子集合体の原理とその工学的応用
(5)遺伝子工学の次の技術としての生体外タンパク質合成技術開発
(6)分化誘導培養によるヒトサイトカインの生産技術開発
(7)ガン予防食品因子の開発研究
(8)植物細胞培養による活性酸素消去物質の生産研究
(9)微生物探索の旅には興味深い技術があるという研究経験
(10)光合成ラン藻野生態学的共生システム構築と環境浄化への応用研究
(11)わが研究魂の遍歴と若者への期待(むすび)
(12)レポート作成(課題)