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授業科目名
担当教官
環境法
椎名 慎太郎/[教務主任]
時間割番号
単位数
コース
履修年次
期別
曜日
時限
276180 2 J 3 前期 IV
[概要と目標]
「環境法」というのは、環境問題に関する法令の総称で、その詳細な全体を把握する事は困難である。この授業では環境紛争の法的構造と環境行政に関する法原理の理解を中心に、環境法の全体像をひとまず把握することを目標にしたい。工学部の学生が対象だから、法という思考方法を理解することから始めて、環境問題と環境法制の歴史的展開、環境規制のさまざまな手法、環境行政組織、環境法における法律と自治体条例の関係、環境アセスメントなどの住民参加手続、さらに具体的な環境訴訟の経過や問題点を判例に即して検討してゆく。また、地球環境問題の解決をめざす国際環境法(国際条約など)や企業活動における環境保全手法についても学ぶ。循環型社会実現をめざすリサイクル諸法や課徴金、環境税などの仕組みなども学ぶこととしたい。
[必要知識・準備]
多くを要求する事は無理だと思うが、高校の「現代社会」の教科書の環境問題に関する部分は一度読んでおいてほしい。講義には必ず小型の六法全書を持参すること。法律の条文を見るだけでアレルギーを感じる諸君もいるだろうが、将来、法令の条文を読んで理解しなければならない状況におかれることも想定して、今から慣れておくようにしよう。4月から7月にわたって、5日間の集中講義であり、毎日必ず復習のための小テストを行うので、前回の復習は必須であることを申し上げておく。
[評価基準]
授業中に随時行う小テストで理解度を測定し、最終レポートで授業目標達成度を測定して、その両者を合わせて評価とする。比率は、前者が60%、後者が40%である。授業中に随時行う小テストで理解度を測定し、最終レポートで授業目標達成度を測定して、その両者を合わせて評価とする。比率は、前者が60%、後者が40%である。
[教科書]
  1. 特定の教科書は用いず、各回に配布するプリントに沿って講義を進める。このプリントは小テストの参考にもなるので、第1回から最終回まできちんとファイルして保存する事。
[参考書]
  1. 環境法 第2版追補版, 有斐閣, ISBN:4641128782
  2. 淡路剛久他/編, 環境法辞典, 有斐閣, ISBN:4-641-00021-2
    (他,講義中に指示する.)
[講義項目]
 1 法的思考方法と各種の法関係
 2 環境問題と環境法制の歴史的展開(1)
 3 環境問題と環境法制の歴史的展開(2)
 4 環境保護のための法手段(1)計画・行政指導・許可制と届出制
 5 環境保護のための法手段(2)環境基準と排出基準・指導と命令の組合せ、罰則
 6 環境保護のための法手段(3)ゾーニング手法、自然保護と歴史的環境保護
 7 環境行政組織、環境法における法律と条例
 8 環境行政手続と住民参加手法
 9 環境アセスメントの法的理解
10 環境訴訟の事例とその争点(1)4大公害訴訟
11 環境訴訟の事例とその争点(2)取消訴訟で争われた環境問題
12 環境訴訟の事例とその争点(3)住民訴訟で争われた環境問題・民事差止め
13 地球環境問題と国際環境法、国際法と国内法の関係
14 リサイクル法制と循環型社会へのさまざまな手法