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授業科目名
担当教官
感性情報工学
小澤 賢司
時間割番号
単位数
コース
履修年次
期別
曜日
時限
273801 2 G 3 前期 IV
[概要と目標]
 「感性情報工学」とは,人間の五感(五官)や,快適性・好感度・選好・使いやすさ・総合評価といった,人間の主観や感性に基づく評価データから有益な情報を引き出して工学的に利用する学問分野である.
 本講義の前半では,人間の感性を設計要素に作り込む技術である感性工学の概要と応用例を紹介する.具体的には,車のデザイン,香水のフレグランス,ビールの味など,いわゆる「感性の時代」における商品企画のための消費者の嗜好・感覚データの収集およびその解析について考え方と手順を講義する.
 本講義の後半では,感性の基礎となる感覚のうち視覚と聴覚について基本的特性を学び,メディア工学への応用を考える.また,心理物理学的手法を用いる実験計画法について学ぶ.
[必要知識・準備]
 本講義は,「感性情報工学演習」と密接に関係しながら進める.それゆえ,「感性情報工学演習」と本講義を共に履修することが強く望まれる.
[評価基準]
 本講義の前半部分については,自分で感性データの収集・結果の解析を行いレポートとしてまとめ,報告する.そのレポートを評価対象とする.
 本講義の後半部分については,視覚・聴覚の心理学現象と生理学現象の結びつき,およびメディア工学への応用に関するレポートを課し,評価対象とする.
 最終回に小テストを行う.
 毎講義ごとに出席をとり,評価の補助として使用する.
[教科書]
  1. 長沢伸也 編,小澤賢司ら 著, 感性をめぐる商品開発-その方法と実際, 日本出版サービス, ISBN:4-88922-111-5
    (講義時に教室にて販売する予定)
[参考書]
  1. Lindsay, Norman 共著,中溝,箱田,近藤 共訳, 情報処理心理学入門I 感覚と知覚, サイエンス社, ISBN:4-7819-0052-6
[講義項目]
  1.「感性」の定義,感性情報工学の基礎的事項
  2.感性情報工学の応用(感性マーケティング,感性商品開発)
  3.感性データの収集(シェッフェの一対比較法)
  4.感性データの解析1(分散分析)
  5.感性データの解析2(尺度構成,ヤードスティックによる検定)
  6.実験計画法
  7.視覚の生理学的基礎
  8.視覚の心理学的基礎1(明るさの知覚・順応)
  9.視覚の心理学的基礎2(色の知覚)
 10.視覚の心理学的基礎3(空間の知覚・錯視)
 11.聴覚の生理学的基礎
 12.聴覚の心理学的基礎1(大きさの知覚)
 13.聴覚の心理学的基礎2(高さの知覚)
 14.聴覚の心理学的基礎3(音色の知覚)
 15.聴覚の心理学的基礎4(空間の知覚)