山梨大学電子シラバス>検索結果一覧>授業データ



授業科目名
担当教官
電子応用実験
広嶋 綱紀/矢野 浩司/山口 正仁/古田 敏
時間割番号
単位数
コース
履修年次
期別
曜日
時限
272024 E 2 E 3 後期 III〜IV
[概要と目標]
 エレクトロニクス素子の最も重要な材料である「半導体」の性質を自分の手で調べ、「半導体素子」の製作や応用を自分の手でやってみるという「体験コース」である。「電子」や「ホール」を「電気力」を使って作ったり動かすことによって、エレクトロニクス技術者としてのポテンシャルを高める。実験全体は、「半導体・半導体素子」の「理解」「製作」「特性測定」「応用」というストーリーでできあがっている。限られた時間の中に、実験内容を理解し、実行し、考察するために、「原理の理解と実験結果の予測」、「実験の遂行」、「結果の記録・解析と考察」の三つの役割を分担をローテーションしながら体験し、自然科学・工学研究における、それぞれの役割の重要性、また理論と実験の補完性を、十分理解することを目標とする。
[必要知識・準備]
 実験予定表の実験項目にしたがって、実験開始時までに教科書の該当項目に目を通して十分な準備をしておくこと。理論編・技術編・実験編からなる使用教科書の関係部分を調査することによってほとんど対応可能である。さらに掘り下げた準備のために、各部に参考書を記載してあるので、必要に応じて準備しておくこと。実験にあたっては、常に、「半導体の基本的性質」「熱統計力学」「キャリアの運動」「励起と緩和現象」「電磁場とエネルギーの流れ」「信号と検出」などの基本をしっかり身につけ、常に頭の中において実施することを心がけて欲しい。
[評価基準]
 実験の大きな目的は、実験設備に自分の手で直接触って、現象を自分の目でじかに見ることにある。したがって、欠席・遅刻は論外である。評価は実験終了後に提出する報告書で行う。報告事項は、実験方法や実験データおよび考察はもちろんであるが、教科書で与えられた課題については必ず対応すること。提出期限は当日もしくは翌日午前9:00までとし、遅れた報告書は受理しない。
[教科書]
  1.  教科書:山梨大学工学部電気電子システム工学科編:「電子応用実験(2003版)」
[参考書]
  1.  上記教科書の各章末に記載してある。
[講義項目]
実験A: 半導体デバイスの製作、特性計測とシミュレーション
 「半導体デバイス」を「製作」し、その特性を「測定」するとともに、計算機を使った半導体デバイスの「動作シミュレーション」を行う。この実験を通して、半導体素子の基本動作メカニズムを理解するとともに、現代の半導体集積回路技術に触れ、理解を深める。内容はA−1:真空蒸着による半導体素子の製作、A−2:PN接合ダイオードとMOSダイオードの容量−電圧特性、A−3:半導体デバイスの動作シミュレーションである。

実験B: 半導体の諸特性の計測
 外界から及ぼされた温度、電磁場、光、など、さまざまな影響に対する、「半導体デバイス」の反応を調べる。この実験を通して、半導体と半導体素子の性質や、これを応用したセンサーや制御装置などの基本動作メカニズムを理解するとともに、半導体素子の応用について理解を深める。内容は、B−1:ショットキーダイオードの導電特性と熱電子放出、B−2:半導体素子の熱電的特性、B−3:半導体素子の磁気特性、B−4:半導体素子の光電的特性である。

実験C: 半導体の光電特性と微小信号の伝達と検出
 半導体光電変換素子とその応用について実験を行う。光源にはレーザー光を用いて、光の性質について理解を深める。また液晶素子を利用した、光の変調を行う。測定では、雑音の除去と微小信号の検出の方法を身につける。あわせて、信号の変調と復調の実際を周波数変調・復調(FM)を通じて体験する。内容は、C−1:半導体受光素子とレーザー、C−2:レーザーの偏光変調と微小信号の検出、C−3:微小信号の伝達と周波数変調・復調である。

プレゼンテーション:
 上記実験項目のうち1課題については、報告書だけでなくポスターセッション形式のプレゼンテーションの機械を設けて、学生相互および教官との質疑応答を通じて理解を深める。