山梨大学電子シラバス>検索結果一覧>授業データ



授業科目名
担当教官
公共政策入門
門野 圭司
時間割番号
単位数
コース
履修年次
期別
曜日
時限
266161 2 J 2 後期 I
[概要と目標]
 本年度は、社会資本整備をテーマとする。
 社会資本(Social Overhead Capitalの日本語訳、社会的共通資本あるいは社会的間接資本ともいう)は、現代経済社会において人間活動を営むうえでの共同的条件の根幹をなす。すなわち、現代の経済社会における企業の生産活動や、個人の消費活動・余暇活動などの一般的な基盤をなしいる。具体的には、道路、公共輸送機関(鉄道・バスなど)、港湾、電力・ガス、上下水道、電信・電話、学校、病院、公園、文教施設、ごみ処理施設などが挙げられる。また、社会資本はこれまで、その整備方法、整備水準、運営形態などの相違に応じて、各国ごと各地域ごとの自然環境や社会環境のあり方に多大な相違をもたらしてきたし、今後ももたらし続けるであろう。それゆえ、社会資本についての基礎知識をもつことは、経済社会のしくみと自然環境や社会環境のあり方との関連を究明するうえで、重要な意義を持っている。そこで本講義は、社会資本の内容や機能、日本における社会資本整備の歴史的展開過程や整備水準・運営形態の国際比較など、社会資本に関するさまざまな事柄を学ぶことを通じて、自然環境や社会環境のあり方に関心を向けつつ今後の日本社会の動向を見定めるうえで欠かすことのできない論点を解き明かすことを目指す。
 ちなみに、政治学分野で昨今注目を集めているSocial Capital(日本語ではしばしばカギ括弧つきの「社会資本」として訳出される)とは明確に区別される概念であるので注意されたい。
[必要知識・準備]
 現代経済システムを履修済みであることが望ましい。
[評価基準]
 評価は、原則として定期試験もしくは期末レポートの得点によって行う。ただし、講義の終わりに提出してもらう予定のリアクション・ペーパー(感想や質問等)の内容によっては、評価を上方修正する場合もある。
[教科書]
  1.  特に指定しない。
[参考書]
  1.  講義の中で適宜紹介する。
[講義項目]
 1.なぜ社会資本論を学ぶのか
  (1)社会資本とは何か (2)市場・共同体の機能不全と社会資本 (3)地域と社会資本 (4)社会資本の特質
 2.社会資本の分類
  (1)予算上の分類 (2)性質による分類 (3)機能による分類 (4)整備主体による分類
 3.社会資本整備の方法・費用負担
  (1)公共サービスの供給形態 (2)社会資本の料金設定
 4.社会資本整備の効果
  (1)フロー効果とストック効果 (2)マイナス効果
 5.社会資本整備の仕組み・歴史
  (1)社会資本整備の仕組み (2)社会資本整備の歴史的変遷
 6.社会資本整備の現状・国際比較
  (1)社会資本整備水準の現状 (2)社会資本整備の国際比較
 7.社会資本整備と財政
  (1)財政とは何か (2)財政は社会の鏡 (3)社会資本整備関連財政
 8.社会経済システムと社会資本整備
  (1)大量消費と社会資本整備 (2)大量流通と社会資本整備 (3)大量消費と社会資本整備 (4)大量廃棄と社会資本整備