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授業科目名
担当教官
土質力学及び演習第一
後藤  聡
時間割番号
単位数
コース
履修年次
期別
曜日
時限
264133 B 4 C2 2 前期 月/水 II/I
[概要と目標]
 土木工学あるいは環境工学に関連する構造物・施設は、地盤の上または地盤中(地下)に造られる。従って、安定的な構造物等を設計・施工するためには、まず地盤を形成する自然生成物としての土の諸性質を明らかにしておくことが重要である。また、地盤に関連する自然災害(土石流、地滑り、液状化などによる災害)を軽減するためにも、土の性質を理解することが重要である。さらに、自然の土だけではなく、土に手を加えることによって、ダム(ロックフィルダム)や堤防などの盛土が造られるので、材料としての取り扱いが必要である。 土の力学は他の連続体力学と異なって、独特な考え方に基づいている。その一つに有効応力の原理がある。本講義では、この原理を基本にして、土に係わる透水・圧密・せん断などの基本的な原理を説明し、土圧や斜面安定などについての応用問題についても概要を説明する。
[必要知識・準備]
必要な知識として、以下が挙げられる。
・材料力学の基本的事項(応力、ひずみ、主応力、主ひずみ、ヤング率、力のつりあいなど)
・常微分方程式および偏微分方程式
[評価基準]
以下の項目により、評価する。
・出席回数
・レポートの内容
・中間試験(講義項目1〜8の理解度をみる)の成績
・期末試験(全ての講義項目の理解度をみる)の成績
[教科書]
  1. 安田進、山田恭央、片田敏行, 大学土木 土質力学, オーム社, ISBN:4-274-13118-1
[参考書]
  1. 澤孝平・渡辺康二・沖村孝・青木一男・佐野博昭, 地盤工学, 森北出版, ISBN:4-627-40661-4
  2. 山口柏樹, 土質力学〔第3版〕, 技報堂, ISBN:4-7655-1342-4
  3. 石原研而, 第2版 土質力学, 丸善, ISBN:4-621-04948-8
[講義項目]
  1.土質力学とは、土の基本的性質(1)
  2.土の基本的性質(2)
  3.土の工学的分類、土の締め固め特性など
  4.透水(Darcyの法則、透水係数、透水試験など)
  5.透水(地下水の流れ、フローネット法、浸潤面をもつ地下水流、揚水など)
  6.間隙水圧・有効応力・有効応力の原理、土の圧縮特性(1次元圧密、正規圧密、過圧密など)
  7.圧密理論(圧密方程式の誘導とその解、圧密試験と整理方法)
  8.圧密理論(圧密度、時間係数、地下水くみ上げによる圧密、表面載荷重による圧密など)
    項目1〜8の理解度をみる中間試験
  9.土の強さ(主応力、モールの応力円、極、クーロンの破壊基準、モール・クーロンの破壊基準など)
 10.土の強さ(三軸圧縮試験、ダイレイタンシー、砂の排水および非排水条件下でのせん断特性など)
 11.土の強さ(粘土の排水および非排水条件下でのせん断特性など)
 12.土圧理論(主動土圧、受動土圧、静止土圧係数、ランキンの土圧理論など)
 13.土圧理論(クーロンの土圧理論、各種設計における土圧の算定など)
 14.斜面の安定(斜面安定のメカニズム、円弧滑りなど)
 15.斜面の安定(スウェーデン法、ビショップ法、最小安全率、対策工の分類と概要など)