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授業科目名
担当教官
感性情報工学演習
小澤 賢司/森澤 正之/郷 健太郎
時間割番号
単位数
コース
履修年次
期別
曜日
時限
263703 2 G 3 前期 III〜IV
[概要と目標]
 「感性情報工学」は,コンピュータ&メディアという工学の一分野に限っても,ヒューマンインターフェイスの高次化あるいはマルチメディア機器の最適設計のために必須である.感性を実際に設計要素に作り込むためには,まず感性の定量化が必要である.本演習では,まず測定法を解説した後に,視覚・聴覚・触覚・味覚について,5名程度のグループに分かれ実際に測定を行う.感覚・知覚過程は,本質的に確率過程であるので,測定終了後の統計処理が必要であり,それを受けた考察をレポートとして提出する.
 感性は主観量であるために,一般的には心理物理学的手法により測定される.ただし,刺激に対する頭内の誘発反応を観測することにより,これを客観的に測定することも試みられている.そこで,本演習では,視聴覚刺激に対する脳波の測定も行う.
[必要知識・準備]
 本演習は,「感性情報工学」と密接に関係しながら進める.それゆえ,「感性情報工学」と本演習を共に履修することが強く望まれる.
 実験データを分析するために,何らかのプログラム言語(C, C++, Mathematicaなど)を修得済みである必要がある.また,統計処理のためには,表計算ソフト(Excelなど)の使用法を修得済みであることが望ましい.
[評価基準]
 座学の部分については,出席をとり最終的な評価の補助とする.
 演習については,毎週,原理・実験方法・実験結果・考察から構成される実験報告書を作成し提出する.その報告書を最終的な評価の対象とする.ただし,演習に臨む姿勢も評価の補助とする.
[教科書]
  1. 専用のテキスト(「感性情報工学」と一体となったもの)を生協にて販売する.
[参考書]
  1. Lindsay, Norman 共著,中溝,箱田,近藤 共訳, 情報処理心理学入門I 感覚と知覚, サイエンス社, ISBN:4-7819-0052-6
  2. 甘坂格郎,長沢伸也 共著, 官能評価の基礎と応用, 日本規格協会, ISBN:4-542-50327-5
[講義項目]
  1.座学:心理学的測定法(極限法,調整法,恒常法)
  2.座学:心理学的測定法(適応法,評定尺度法,多次元尺度構成法)
  3.座学:味覚・触覚・脳波に関する基礎的事項,実験報告書の執筆要領の説明
  4.演習:視覚1(縞視力の測定,その1:順応刺激のない場合)
  5.演習:視覚1(縞視力の測定,その2:順応刺激のある場合)
  6.演習:視覚2(縞視力のフーリエ級数展開による解釈)
  7.演習:視覚3(錯視量の測定)
  8.演習:聴覚1(大きさに関する測定,その1:最小可聴値の測定)
  9.演習:聴覚1(大きさに関する測定,その2:ラウドネス関数の測定)
 10.演習:聴覚2(高さに関する測定)
 11.演習:聴覚3(音色に関する測定)
 12.演習:味覚1(知覚強度に関する測定)
 13.演習:味覚2(閾値の測定)
 14.演習:触覚(なめらかさ尺度の検討)
 15.演習:脳波(α波の測定)