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授業科目名
担当教官
電磁気学II
堀  裕和
時間割番号
単位数
コース
履修年次
期別
曜日
時限
262038 E 2 E 3 前期 II
[概要と目標]
 電気・電子現象やその応用の最も重要な基礎であり,また物理現象の中で最もよく現われる電磁場と電磁相互作用について,ベクトル場の基本的な性質とマックスウェルの方程式による記述を基礎として解説する.電磁気学Iで学習した電気的現象も含めて,電磁気現象の全体像を捕える枠組みを学習する.
 ローレンツ力を基本として,電場と磁場がベクトル場のどのような性質を表わすかを理解し,マックスウェルの方程式がこれを偏微分方程式という形で局所的にどのように表現しており,またその積分形式での表現が場とその源の関係をどのように関係付けるかを理解する.電磁気学Iの内容に,定常電流の作る磁場をはじめとする磁気現象を加え,電磁誘導の基本的性質,電磁波,電磁場のエネルギーと電磁エネルギーの流れなど,基本事項について解説する.これらを基礎として,さらに,物質系を含む電磁現象のマクロな記述とミクロな物理現象の関係について解説する.
 基本的な用語については,英単語を併せて使用し,将来の発展的学習に備える.
[必要知識・準備]
 電磁気学Iの基本事項と,微分積分,ベクトルなどの数学的基礎を確認しながら学習を進めて欲しい.重要な事項については,演習も用意されているので,これも併せて基礎事項を復習しながら講義を進める.
[評価基準]
 電磁気学の基礎をなす講義内容についての定期試験の成績で評価する.基礎的問題と,やや発展的な問題を140点満点で出題し,60点以上を合格とする.80点以上のものには80点以上の成績をつける.100点以上のものには90から100点の成績をつける.
[教科書]
  1.  講義は,幅広い電磁気学の基礎概念の中の重要なものを,直感的に把握できるようにするために,オリジナルな構成で行うが,電磁気学Iで使用した教科書および講義中に紹介する様々な優れた教科書を,将来目指す分野に応じて選択し,これを参照して理解を深めるのが望ましい.
[参考書]
  1.  講義の内容に則して,代表的なものを推薦する.
[講義項目]
1. ベクトル場としての電磁場の性質.
2. ローレンツ力:電場と磁場の特徴とその表現.
3. マックスウェル方程式.電磁気学と単位系.
4. 電磁場とその源:ストークスの定理とガウスの定理.
5. スカラーポテンシャルとベクトルポテンシャル.
6. 定常電流と磁場.準定常場と電磁誘導.
7. 遅延ポテンシャル.波動方程式と電磁波.
8. 電磁エネルギーと電磁エネルギーの流れ.
9. 物質系を含む電磁現象:ミクロな物理現象とマクロな場.