山梨大学電子シラバス>検索結果一覧>授業データ |
授業科目名
|
担当教官
|
|||||
量子力学I演習
|
堀 裕和/坂野 斎
|
|||||
時間割番号
|
単位数
|
コース
|
履修年次
|
期別
|
曜日
|
時限
|
262027 | 1 | E | 2 | 後期 | 金 | IV |
[概要と目標] | ||||||
20世紀の始めごろ, 古典力学では電子や原子の感じるミクロの世界が記述できないことが実験的に明らかになり, 物質粒子に波動の性質(物質波)をみとめるという量子力学が確立された。物質波の概念はたいへん重要で、半導体中の価電子による共有結合、伝導電子の運動、21世紀に実用化されるであろう量子デバイスの理解に不可欠である. 物質波の理解のためはことばによる説明ではなく、簡単な問題を自分の手で解きつつ疑問点を問いただし、この概念に慣れてしまうのがよい。ゆえに授業では学生自身が悩み質問することを大切にする。授業の目標は1.波動(物質波、電磁波等あらゆる波動を含む)がなにかの理解(キーワード:平面波、波束、位相速度、群速度、ハイゼンベルグの不確定性原理)、2.固体中の電子の運動の量子力学的理解(キーワード:逆格子ベクトル、ブロッホの定理)、3.量子デバイスの例としてのエサキダイオードの動作原理、とする | ||||||
[必要知識・準備] | ||||||
授業にもってくるもの: 使い慣れた電卓 必要な知識: 高校程度の物理(特にNewton力学)および数学(特に複素数)、Fourier変換 (1、2年次の数学) グラフソフト(gnuplot等)の使い方、C言語の初歩的プログラミング (情報処理入門、ソフトウェア設計演習) これらは波動の概念を具体的にイメージするための道具である。これらに関する質問も遠慮不要。 |
||||||
[評価基準] | ||||||
授業での回答発表、または、口頭試問を必須とする。 さらに、必須または任意のレポート(授業中に回答を書いたノートでよい)の提出とそれに関する簡単な質問にたいする答えにより評価する。 |
||||||
[教科書] | ||||||
|
||||||
[参考書] | ||||||
[講義項目] | ||||||
以下の1から4は必ずやり、時間に応じて5から9を取捨選択する。 1.量子力学の必要性 古典力学の破綻 、粒子と波動 2.古典力学と量子力学 シュレディンガー方程式の必然性, 波動論(位相速度、群速度)、ハイゼンベルグの不確定性原理、確率論 3.量子井戸構造とトンネル効果 トンネル効果と走査型トンネル顕微鏡、共鳴トンネル効果とエサキダイオード 4.固体中の電子とバンド構造 金属、半導体、絶縁体、逆格子ベクトル、ブロッホの定理 5.散乱状態と束縛状態 境界条件と波動、 量子力学の古典力学的極限 6.量子力学に必要な数学 エルミート演算子の性質、ハイゼンベルグの不確定性原理、 軌道/スピン角運動量 7.水素原子のスペクトルと周期律 8.共有結合と水素分子, 半導体のバンドギャップ 9.調和振動子と電磁場の量子化 |