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授業科目名
担当教官
材料の科学I
中山 栄浩
時間割番号
単位数
コース
履修年次
期別
曜日
時限
261150 A 2 D 2 後期 IV
[概要と目標]
 金属材料は目的の形状に成形することができ、また十分な強度と粘り強さを有することから、さまざまな分野で広く利用されている。このような金属材料を効率的かつ有効的に利用するためには、金属材料固有の種々の性質を十分に理解することが重要となる。そこで、「材料の科学I」では、鉄鋼あるは非鉄金属に関する各論を学習する前に必要となる金属材料に共通な基礎知識を修得することを目的とする。
[必要知識・準備]
高等学校で学習した原子の構造や結合様式に関する基礎的な内容を復習しておくことが望まれる。
[評価基準]
出席を取る。講義の途中に無断で退室する学生は欠席者として扱う。
定期試験と講義毎に課すレポートにより成績を評価する。
[教科書]
  1. 吉岡 正三、岡田 勝蔵、中山 栄浩, 機械の材料学入門, コロナ社, ISBN:4-339-04559-4
[参考書]
  1. 初級金属学, アグネ, ISBN:4750705047
  2. 若い技術者のための機械・金属材料, 丸善, ISBN:4621049720
  3. 材料科学2, 培風館, ISBN:4563031593
  4. 入戸野 修 編, 材料科学への招待, 培風館, ISBN:4-563-04560-8
  5. 入戸野 修 監訳, 材料の科学と工学 [1]材料の微細構造, 培風館, ISBN:4-563-06712-1
[講義項目]
1:講義の概要や成績の評価法など。
  原子の構造(原子核、原子内の電子構造、電子構造と化学的性質)
2:原子の結合(原子間力、原子結合の種類)
3:簡単な結晶学(原子の配列、結晶面と結晶方向の指数、結晶構造の解析)
4:金属の結晶構造(金属の性質、金属の結晶構造、原子配列の差異)
5:金属の格子欠陥(点欠陥、線欠陥、面欠陥、体欠陥)
6:合金の種類(固溶体、規則格子、ヒューム・ロザリーの経験則、金属間化合物)
7:1成分系の相平衡(相律、平衡状態図、金属の変態、純金属の凝固)
8:固溶体の自由エネルギ(自由エネルギ、固溶体の内部エネルギ、固溶体のエントロピ、固溶体の自由エネルギ)
9:自由エネルギ曲線と平衡状態図(混合物の自由エネルギ、合金の安定状態、全率固溶する場合)
10:2元系平衡状態図(1)-全率固溶型状態図-(合金組成の表し方、てこの法則、全率固溶型状態図、帯域溶融法、有心組織)
11:2元系平衡状態図(2)-共晶反応型状態図-(固相で一部分を固溶する場合、共晶と可鋳性、共晶と低融点)
12:2元系平衡状態図(3)-包晶型、偏晶型および中間相生成型状態図-(包晶型状態図、偏晶型状態図、中間相生成型状態図)
13:結晶内原子の拡散(拡散の機構、Fickの法則、粒界拡散)
14:固体反応による合金強化法-固体からの析出理論-(核の形成速度、核の成長速度、核の変態速度)
15:総合演習