山梨大学電子シラバス>検索結果一覧>授業データ



授業科目名
担当教官
線形代数学I
加藤 初弘
時間割番号
単位数
コース
履修年次
期別
曜日
時限
251000 A 2 D 1 前期 III
[概要と目標]
線形代数とは,ベクトルの線形変換を対象とする数学体系である.特に,連立1次方程式の理論は,行列,行列式,逆行列の概念が誕生した重要な分野であり工学的にも広く応用されている.本講義では,連立1次方程式の解法であるクラメール公式の理解と応用を目標とする.
[必要知識・準備]
実数の演算法則(交換則、分配則、結合則)。ベクトルと2次のマトリックスの定義およびこれらの内積・外積などの演算。以上の知識を講義の前に十分に復習すること、基礎知識が不足しているものには別途課題を課す。
[評価基準]
定期試験,レポート,小テストを総合的に評価する
[教科書]
  1. 「理工系の基礎 線形代数」, 裳華房, ISBN:4785310936
[参考書]
  1. 内容と演習が充実しているシリーズとして、田島一郎、近藤二郎共編「演習・工科の数学」全5巻がある。また、数式処理・数値計算のアプリケーションソフトMATHEMATICA,matlabなどに関連して線形計算を解説したものも多数出版されている。図書館や書店などで参照して、自分にあったものを適宜用意すること。
[講義項目]
1.空間とベクトル
 主に3次元空間でスカラーとベクトルの定義およびその演算(スカラー倍、和、内積、外積)を明らかにし、空間での図形(直線、平面、球など)をベクトルで表現する。 スカラー3重積は、3次の行列式に対応するものであり、その幾何学的な意味を十分に理解することが重要である。

2.行列とその演算
 n次元行列の定義とその演算(スカラー倍、和、積など)を定義し、結合則や分配則などの演算規則を論じる。特に、行列の積では交換則が成立しないことに注意が必要である。また、正方行列に対して逆行列が存在し得ること及びその幾何学的な意味を論じる。

3.行列式と連立1次方程式
 順列の符号を定義して、一般のn次元行列式に定義を与える。行列式の基本変形(転置、交換、行または列同士の和など)は十分に練習する。目標は、行列式の小行列展開から連立1次方程式のクラメール公式を導出することにある。また、4次の連立1次方程式に関する演習問題を通じて、多次元の幾何学的感覚を養う。