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授業科目名 工芸文化論
時間割番号 163067
担当教官名 菅沼 研一
開講学期・曜日・時限 前期・木・II 単位数 2
<対象学生>
(指定なし)
<授業の目的および概要>
工芸品の伝統技法を理解し生活の美を考えると共に、創造の思考を探る。授業は初めに自然の摂理から物の根元的な成り立ちを考え、美術での造形の考え方を紹介する。次に手工芸の技を極め、高い精神性までも伝える正倉院御物、素材と技法との融合から衒いのない美を感じる民芸とを対比し、それぞれから工芸全体の特性に繋がる考えを解説する。物の基本的価値観の理解を踏まえ、工芸の各分野、漆、木材、金属、陶磁器、織、染、そして建築等をビデオ等でも具体的に紹介し、理解を深め感性を磨く。
<授業の方法>
講義が中心となるが、多くのスライド、ビデオの教材を使用し、できるだけ具体的に紹介する。
<成績評価の方法>
講義内容の感想レポート、課題の提出と出席日数、遅刻を加味し、評価する。
<受講に際して・学生へのメッセージ>
受講を通じ、普段の生活での物を通した価値観、世界観の発見に努めて欲しい。
<テキスト>
  1. なし
<参考書>
  1. 授業中に指示する
<授業計画の概要>
1.美術と工芸 美術と工芸の定義から始め、陶
磁器の歴史から工芸作品の発展の特質を
解説する。
2.形の美しさ 自然の美しさに共鳴できる感性は
どのように育まれてきたのか、感じる心の所
在はどこかなど自然の摂理から考え、自然物
の形の成り立ちをイメージする。
3.仏教における形 目に見えぬ人の思い、願いが
どのように形となり、様式化されたのかを具体
  例を上げ解説する。
4.目に見えない物を表す 普段、目にすること
のできない思いや想像、視覚以外で感じる
事柄を画用紙に視覚化を試みる。
5.正倉院御物 宝物の制作法を具体的に解説し、
いかに手技の粋を集めた物であるかを
解説する。
6.民芸 民芸運動の理念とそれにかかわった作
家の仕事を紹介する。
7.風土と民族 風土から生まれた日本文化の
特性を探る。西洋のそれと風土と民族の身体
との違いからも考察する。
8.素材と技術 美しい形の大切な要素として素材と
技法から導き出される事を種々の例を上げ解説する
9.漆、木材の仕事
10.金属(鋳造)の仕事
11. 金属(鍛造)の仕事
12. 陶器の仕事 ビデオにより紹介し、内容を
補足する。
13. 織りの仕事
14. 染めの仕事
15. まとめ