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授業科目名 高分子合成
時間割番号 UAC252
担当教員名 小幡 誠/宮武 健治
開講学期・曜日・時限 後期・火・I 単位数 2
<対象学生>
工学科2年次以上
<授業の目的>
合成高分子は代表的なソフトマテリアルとして現代社会に欠かせない材料となっている。一方で環境に長く残留するなど、高性能化ばかりでなく持続的社会構築に適合した高分子材料が求められている。本講義では高分子材料開発に必要な高分子合成に関する化学の基礎を身につける。以下の知識・技術の習得を目標とする。
1.高分子の基本的なキャラクタリゼーションの方法を説明できる。
2.基本的な高分子合成について、その方法の特徴や生成するポリマーの性質について説明できる。
<本授業科目による獲得・涵養が特に期待されるコンピテンシー>(能力・資質)
工学部>工学科向け
記号コンピテンシー(能力・資質)説明 
工-A専門②専門的知識専門分野の基礎的知識を体系的に理解して説明
工-B⑦理解力・判断力自然現象や社会的事象を理解・分析
<到達目標>  到達目標とは
目標NO説明コンピテンシーとの対応
工学
1高分子の特性(平均分子量や分子量分布など)を理解して説明できる。工-B
2ビニルモノマーの各種重合法について体系的に理解して説明できる。工-A
3開環重合、重縮合、重付加、付加縮合の内容を理解して説明できる。工-A
4機能性高分子の合成方法や高分子反応の内容を理解して説明できる。工-A
<成績評価の方法>
目標No割合評価の観点
115%高分子の特徴に関する理解を小テストおよび中間試験にて評価する。
235%ビニルモノマーの各種重合法の理解を小テストおよび中間試験にて評価する。
335%開環重合、重縮合、重付加、付加縮合の理解を小テストおよび期末試験にて評価する。
415%機能性高分子の合成方法や高分子反応の理解を小テストおよび期末試験で評価する。
合計100% 
<授業の方法>
前半(第1回~第8回):事前に講義スライドを公開しますので、適宜予習して講義に臨んでください。講義の最後に適宜小テストを行います。
後半(第9回~第15回):事前に講義範囲を指定(教科書またはプリント)しますので、適宜予習して講義に臨んでください。講義の最後に適宜小テストを行います。
<受講に際して・学生へのメッセージ>
有機化学および物理化学(熱力学・反応速度論)の知識が必要です。
<テキスト>
  1. 高分子学会編, 基礎高分子科学 [正編] 第2版, Array, ISBN:9784807909629,
    (2020年出版)
<参考書>
  1. 大津隆行著, 高分子合成の化学 改訂版9刷, Array, ISBN:9784759801378,
    (1986年出版)

  2. 遠藤剛編 ; 澤本光男 [ほか] 著, ラジカル重合・カチオン重合・アニオン重合, Array, ISBN:9784061543614,
    (2010年出版 高分子の合成, 上)

  3. 遠藤剛編著 ; 須藤篤 [ほか] 著, 開環重合・重縮合・配位重合, Array, ISBN:9784061543621,
    (2010年出版 高分子の合成, 下)

  4. 大津隆行, 木下雅悦共著, 高分子合成の実験法, Array, ISBN:4759800522,
    (1972年出版)
<授業計画の概要>
1タイトル高分子の定義と分類
事前学習
事後学習
事前に公開する講義スライドの予習を推奨する。
小テストの確認と復習
授業内容高分子の定義や各種用語を説明し、高分子の分類、共重合体の名称と構造の特徴、高分子の生成反応の名称とその特徴について解説する。
2タイトル平均分子量と分子量分布、重合の動力学的特性
事前学習
事後学習
事前に公開する講義スライドの予習および各種分率と加重平均の考え方の復習を推奨する。
小テストの確認と復習
授業内容各種平均分子量の定義とその測定法、重合の動力学的分類(連鎖重合、逐次重合、リビング重合)との関係について解説する。これに関連して高分子溶液の粘度について解説する。
3タイトルラジカル重合1 素反応各論
事前学習
事後学習
事前に公開する講義スライドの予習を推奨する。
小テストの確認と復習
授業内容ラジカル重合の素反応(開始反応、成長反応、停止反応、連鎖移動反応)についてそれぞれ解説する。
4タイトルラジカル重合2 速度論
事前学習
事後学習
事前に公開する講義スライドの予習および反応速度論の復習を推奨する。
小テストの確認と復習
授業内容ラジカル重合の速度論(重合速度式、数平均重合度式、動力学的鎖長など)について解説する。またラジカル重合の方法についてその特徴を解説する。
5タイトルラジカル重合3 共重合
事前学習
事後学習
事前に公開する講義スライドの予習を推奨する。
小テストの確認と復習
授業内容ラジカル重合の共重合についてその解析方法(Mayo-Lewisの式、モノマー反応性比、Q-e論など)を解説する。
6タイトルイオン重合
事前学習
事後学習
事前に公開する講義スライドの予習および『ラジカル重合3 共重合』で学んだQ-e論を復習することを推奨する。
小テストの確認と復習
授業内容モノマーのe値とイオン重合の関係、ラジカル重合とイオン重合の相違点、立体規則性重合、リビング重合、グループトランスファー重合などについて解説する。
7タイトル配位重合
事前学習
事後学習
事前に公開する講義スライドの予習を推奨する。
小テストの確認と復習
授業内容Ziegler-Natta系触媒、Kaminsky触媒を用いた重合の特徴、立体規則性重合と触媒の構造の関係、メタセシス重合などについて解説する。
8タイトルビニルモノマーの重合のまとめと総括(中間評価)
事前学習
事後学習
第1回目~第7回目までの講義の総復習
事後公開する問題解答の確認と復習
授業内容高分子の基礎的事項とビニルモノマーの重合に関する基礎知識の習得を問う中間試験を行う。また終了後に問題解答を公開し解説を行う。
9タイトル開環重合
事前学習
事後学習
教科書や事前配布プリントを事前に読んで予習する。
小テストの確認と復習
授業内容開環重合の概要、特徴、分類、それぞれの開環重合の反応例と機構について解説を行う。
10タイトル重縮合
事前学習
事後学習
教科書や事前配布プリントを事前に読んで予習する。
小テストの確認と復習
授業内容重縮合の概要、速度論、生成重合体の分子量と分子量分布、各種重縮合の反応例と重合プロセスについて解説を行う。
11タイトル重付加・付加縮合
事前学習
事後学習
教科書や事前配布プリントを事前に読んで予習する。
小テストの確認と復習
授業内容重付加の概要、二重統合への重付加や開環重付加の反応例、付加縮合の概要、フェノール樹脂や尿素樹脂の合成例について解説を行う。
12タイトルその他の高分子合成
事前学習
事後学習
教科書や事前配布プリントを事前に読んで予習する。
小テストの確認と復習
授業内容非線状高分子の概要、構造と分類、デンドリマー、分岐ポリマー、環状ポリマーなどの構造制御について解説を行う。
13タイトル機能性高分子の合成
事前学習
事後学習
教科書や事前配布プリントを事前に読んで予習する。
小テストの確認と復習
授業内容各種高分子合成方法を応用した機能性高分子の設計と合成について、最近の例を含めながら解説を行う。
14タイトル高分子の反応
事前学習
事後学習
教科書や事前配布プリントを事前に読んで予習する。
小テストの確認と復習
授業内容高分子反応の概要、特徴、主鎖・末端・側鎖の反応、架橋反応、高分子の分解反応について解説を行う。
15タイトルまとめと総括(期末評価)
事前学習
事後学習
第9回目~第14回目までの講義の総復習
問題解答の確認と復習
授業内容開環重合、重縮合、重付加、付加縮合、機能性高分子の合成方法や高分子反応の基礎的な内容の習得を問う期末試験を行う。終了後に問題解答の解説を行う。
<前年度授業に対する改善要望等への対応>
新規開設科目につき該当しない
<備考>
(未登録)