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授業科目名 教育の現在(教育原理を含む。)
時間割番号 EEC142
担当教員名 秋山 麻実/担当教員
開講学期・曜日・時限 後期・金・I-II 単位数 4
<対象学生>
教育学部1年次生
<授業の目的>
 教育とは、人間が産まれ成長し生きていく過程を見守り育み支える営みである。そのような営みは、生の多様性に即してまた多様である。そうした教育の本質・歴史・思想について全体講義によって理解する。また、さまざまに異なる文化的・社会的な背景をもった子どもたちが、学校教育のみに覆いつくされない多様な教育的営みのなかでどのように育っているのかを、地域の具体的な状況に直接接して理解する。そして、そこから何を読みとるべきなのかを、少人数グループに分かれて見学し発表し議論する。
<本授業科目による獲得・涵養が特に期待されるコンピテンシー>(能力・資質)
教育学部向け
記号コンピテンシー(能力・資質) 
A専門教職への熱意教育に関する情熱と使命感・倫理観をもっている。
B教職教養教職の意義や職務内容、子どもに対する責務を理解している。
C教育の理念や歴史、思想、制度などについての基礎的な知識を習得している。
D子ども理解子どもの意思を真摯に受けとめ、受容的な態度で接することができる。
E持続的変態力教師として学び続ける意志と課題探求力を身につけている。
<到達目標>  到達目標とは
目標NO説明コンピテンシーとの対応
教育
1教育の本質・目標や教育学の基本的概念を説明することができる。D
2家庭・子ども・学校・学習に関わる教育思想や代表的な教育思想家について説明することができる。A
3教育の歴史、近代教育制度の成立と展開について説明することができる。C
4子どもをとりまく教員、家庭、学校等の相互関係について説明することができる。B
5家庭・子ども・学校等の関係について自分なりの問題意識をもつことができる。E
<成績評価の方法>
目標No割合評価の観点
120%期末試験により評価する。
220%期末試験により評価する。
320%期末試験により評価する。
420%授業内の発表および討議への参加、により評価する。
520%授業内の発表および討議への参加により評価する。
合計100% 
<授業の方法>
 履修者全員に対する講義と、少人数での演習(履修学生を1クラス25名程度の少人数クラスに分け、それぞれのクラスに担当教員が配置される)を併用して行う。少人数での演習では、多様な教育の現場について、実際に出かけて見学させていだいたり、現状についての説明をうかがったりした後、自分たちで調べたこと感じ考えたこと等を中心に発表と討論を行う。最後に報告書をまとめる。感染症対策が必要な場合には、全体の講義は、オンライン同期型、オンデマンド型の授業の他、半数ずつのハイブリッド授業の組み合わせで行う。クラス活動は、クラスによってオンラインか対面かは異なる。
<受講に際して・学生へのメッセージ>
 教育学部1年生の必修科目である。
 理論と実践の往還を行う基幹科目の一つであるため、授業の内容の重要性および教育実習の準備という観点から、感染症対策、交通事情等正当な理由に帰さない遅刻・欠席は厳禁とする。
<テキスト>
  1. 文部科学省, 小学校学習指導要領
<参考書>
  1. 藤田英典・田中孝彦・寺崎弘昭, 教育学入門, 岩波書店, ISBN:4000039598
  2. パウロ・フレイレ, 被抑圧者の教育学, 亜紀書房, ISBN:491609283X
  3. 福元真由美ほか, 子ども教育の原理, 有斐閣, ISBN:9784750511023
<授業計画の概要>
1タイトルイントロダクション―教育思想と歴史と現代的課題の関係についてのアウトライン
事前学習
事後学習
最初の事前学習の準備をし、担当班は発表内容を準備する。
授業内容授業の構成・ルールについての説明がある。また、教育の現代的課題と教育の歴史や思想がどのような関係にあるかを学ぶ。クラス活動で、今後の学習の進め方を確認する。
2タイトル教育の制度と理念(1)(2)
事前学習
事後学習
紹介された法律・告示について、読み返して学習内容を確認する。
授業内容子どもの権利条約、日本国憲法、教育基本法、学校教育法・学習指導要領のアウトラインについて学習する。また、子どもの発達と教育に関わる思想について学習する。
3タイトル就学前から小学校への子どもの育ちの場としての保育
事前学習
事後学習
発表担当者は準備をする。その他の履修者はテーマに関する問題意識を明確にしておく。
事後学習のために、意見や疑問を整理しておく。
授業内容発表と討論による事前学習 
保育施設への訪問(感染症対策時は保育士による講和)、
4タイトル保育における子どもへのまなざし/不登校児童生徒の支援について
事前学習
事後学習
講和についての意見や疑問をまとめておく。/教育相談支援センターについての事前学習のための準備をする。
保育について感想文を書く。/適応指導教室の訪問もしくは講義に向けて課題を明確化する。
授業内容保育に関する事後学習として話し合いを行う。
適応指導教室や不登校に関する事前学習として発表・話し合いを行う。
5タイトル教育と福祉の関係
事前学習
事後学習
配布資料の要点をまとめる。
授業内容子どもの育つ環境として、学校教育と福祉や地域の関わりについて学習する。
6タイトル不登校児童をとりまく環境と学習・発達
事前学習
事後学習
事後学習のために、意見や疑問を整理しておく。
適応指導と不登校について感想文を書く。
授業内容適応指導教室への訪問(あるいは主幹による講和)。
適応指導に関する事後学習として話し合いを行う。
7タイトル学校の歴史
事前学習
事後学習
配布資料を読んでおく。
復習用資料を読み、要点をまとめる。
授業内容近代教育の思想と歴史について説明する。
8タイトル病弱教育と子どもたち
事前学習
事後学習
発表担当者は準備をする。その他の履修者はテーマに関する問題意識を明確にしておく。
疑問や意見を持って授業に臨む。講和の後には疑問や意見を整理しておく。
授業内容発表と討論による事前学習
特別支援学校教師による講和
9タイトル特別支援教育/児童相談所における子どもと家庭と学校
事前学習
事後学習
講和についての意見や疑問をまとめておく。/特別支援教育についての事前学習のための準備をする。
特別支援教育について感想文を書く。/児童相談所に関する講義に向けて課題を明確化する。
授業内容特別支援教育に関する事後学習として話し合いを行う。
児童相談所に関する事前学習として発表・話し合いを行う。
10タイトル教育とはなにか―<教育>の原像から本質へとせまる 
事前学習
事後学習
配布資料を読む。
教育の「主人公」とは誰かをめぐるミニレポートを作成する。
授業内容教育の理念や本質について歴史的な観点から学ぶ。
11タイトル児童相談所における社会と教育・福祉
事前学習
事後学習
事後学習のために、意見や疑問を整理しておく。
児童相談所について感想文を書く。
授業内容児童相談所職員の講和を聞き、質疑応答を行う。
児童相談所に関する事後学習として話し合いを行う。
12タイトル教育評価論を概観する
事前学習
事後学習
事前に指定した資料を読む。
自己評価と学びの深まりを実践的に経験する。
授業内容カリキュラムの実施の背景には、教育実践への評価や子どもの学習到達度の評価、一回一回の学習を支える評価や長いスパンで見る評価などさまざまな評価がある。こうした評価論について概観する。
13タイトル家庭裁判所を支える基本思想
事前学習
事後学習
発表担当者は準備をする。その他の履修者はテーマに関する問題意識を明確にしておく。
家庭裁判所の学習から生まれる意見や疑問をまとめておく。
授業内容発表と討論
家庭裁判所訪問
14タイトル家庭裁判所の仕事と現代の教育課題
事前学習
事後学習
学んだことについて、感想文を書く。
授業内容訪問によって学んだこと、疑問、意見などを話し合う。
15タイトルまとめと試験
事前学習
事後学習
講義を通して学んだ事柄を整理する。
授業内容家庭、学校、関係諸機関それぞれの意義や相互関係をまとめる。
試験
<実務経験のある教員による授業科目の概要>
保育所、家庭裁判所への訪問と、教育相談支援センター、特別支援学校および児童相談所から実務経験のある講師を招いて授業を行う。
それぞれについて現場の課題と実情、子どもたちの様子などについて実践的見地から講義をいただき、学習する。
<前年度授業に対する改善要望等への対応>
アンケート結果確認中
<備考>
1回あたりの授業時間を4時間とする。