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授業科目名 基礎有機化学
時間割番号 UPC111
担当教員名 小幡 誠
開講学期・曜日・時限 後期・月・II 単位数 2
<対象学生>
工学部1年生
<授業の目的>
有機化学は,身近な生活用品から生物の構造や機能を理解する上で必須の学問である。本講義ではこれから有機化学を学ぶために必要な原子の構造、構造式の書き方、化学結合と軌道、共鳴と有機化合物の安定性などの基礎知識を身に着ける。その後、アルカン、アルケン、アルキンの化学についての理解を深める。
<本授業科目による獲得・涵養が特に期待されるコンピテンシー>(能力・資質)
工学部>工学科1年次向け
記号コンピテンシー(能力・資質)説明 
工-A専門①教養・基礎知識工学の広い教養と自然科学の基礎知識を活用
工-B②専門的知識専門分野の基礎的知識を体系的に理解して説明
<到達目標>  到達目標とは
目標NO説明コンピテンシーとの対応
工学
1有機化学の基礎事項(原子構造、分極、共鳴概念、酸性度定数)を説明できる。工-A
2有機化合物の構造式の読み書きができる。工-B
3アルカンおよびシクロアルカンの化学について説明できる。工-B
4アルケンおよびアルキンの化学について説明できる。工-B
<成績評価の方法>
目標No割合評価の観点
115%該当する小テストおよび試験で理解度をはかる。
215%該当する小テストおよび試験で理解度をはかる。
320%該当する小テストおよび試験で理解度をはかる。
450%該当する小テストおよび試験で理解度をはかる。
合計100% 
<授業の方法>
講義に使用するスライドをあらかじめ配布し、講義ではスライドを投影しながら説明を行う。また必要に応じて分子模型を用いる。講義の最後に講義内容に関する小テストとその解説を行う。小テストは採点後、次回の講義の際に返却し、復習の資料とする。
<受講に際して・学生へのメッセージ>
構造式の書き方は今後有機化学を学ぶ上で基礎となる『読み書き』に相当します。漢字やアルファベット、数学記号を理解しないと国語、英語、数学が理解できない、また理解していることを正しく表現できないように、構造式を正しく理解しないと有機化学の学習の障害になります。書き方のルールは単純ですが、習熟するには労を厭わず実際に手を動かして構造式を書く練習が必要です。
<テキスト>
  1. John McMurry著 ; 伊東椒 [ほか] 訳, 有機化学 上 第9版, 東京化学同人, ISBN:9784807909124,
    (2017年出版)
<参考書>
  1. K.P.C. Vollhardt, N.E. Schore [著] ; 大嶌幸一郎 [ほか] 訳, ボルハルト・ショアー現代有機化学 上 第6版, 化学同人, ISBN:9784759814729,
    (2011年出版)
<授業計画の概要>
1タイトル原子の構造と電子配置、分子の構造式の書き方
事前学習
事後学習
事前配布された講義スライドを使って予習する。
構造式から分子式に変換する練習問題に取り組む。
授業内容原子の構造や電子殻モデルを復習し、さらに大学で有機化学を学ぶために必要な構造式の書き方を解説する。
2タイトル電子配置と混成軌道
事前学習
事後学習
事前配布された講義スライドを使って予習する。
小テストを実施し解説する。
授業内容量子力学に基づく多電子原子の電子軌道と電子配置の現代的な理解を概説し、さらに分子構造を理解するために考案された混成軌道について解説する。
3タイトル極性共有結合と共鳴
事前学習
事後学習
事前配布された講義スライドを使って予習する。
小テストを実施し解説する。
授業内容電気陰性度の異なる原子間の電子の偏りとその結果としての分極について解説する。また電子の非局在化と共鳴の概念について解説する。
4タイトル酸と塩基、酸性度定数の使い方
事前学習
事後学習
事前配布された講義スライドを使って予習する。
小テストを実施し解説する。
授業内容酸と塩基についてその定義とその定量的な指標である酸性度定数の使い方を解説する。また有機化合物の構造とその酸性度定数との関係を解説する。
5タイトルアルカンの化学1 官能基、構造異性、立体配座
事前学習
事後学習
事前配布された講義スライドを使って予習する。
小テストを実施し解説する。
授業内容有機化学の学習において重要な官能基の概念を解説する。最も単純な有機化合物であるアルカンについてその構造異性と立体配座について解説する。
6タイトルアルカンの化学2 命名法
事前学習
事後学習
事前配布された講義スライドを使って予習する。
小テストを実施し解説する。
授業内容有機化合物は炭素、水素、酸素、窒素など限られた元素のみからなるが、その種類は天文学的な数になる。したがって有機化合物について議論するためには構造に基づく系統的な命名法が必要になる。この講義では命名法の基礎を解説する。
7タイトルシクロアルカンの化学
事前学習
事後学習
事前配布された講義スライドを使って予習する。
小テストを実施し解説する。
授業内容シクロアルカンの命名法およびその立体配座について解説する。特にシクロヘキサン誘導体の立体配座を予想する方法を詳しく解説する。
8タイトル中間試験とその解説
事前学習
事後学習
試験実施後に問題の解説を行う。
授業内容第1回~第4回までの有機化学の基礎事項とアルカンおよびシクロアルカンの化学に関する試験とその解説を行う。
9タイトルアルケンの化学1 命名法、構造と不飽和度
事前学習
事後学習
事前配布された講義スライドを使って予習する。
小テストを実施し解説する。
授業内容アルケンの命名法を解説する。またアルケンの構造異性について電子軌道に基づく理解の仕方と不飽和度の求め方と使い方を解説する。
10タイトルアルケンの化学2 求電子付加反応1
事前学習
事後学習
事前配布された講義スライドを使って予習する。
小テストを実施し解説する。
授業内容アルケンの安定性に影響を与える構造的要因について解説する。アルケンの求電子付加反応の反応機構と位置選択性(Markovnikov則)について解説する。またカルボカチオンの転移反応ついて解説する。
11タイトルアルケンの化学3 求電子付加反応2
事前学習
事後学習
事前配布された講義スライドを使って予習する。
小テストを実施し解説する。
授業内容アルケンへのハロゲンの付加反応、ハロヒドリン合成、水和反応とその付加位置の制御について解説する。
12タイトルアルケンの化学4 その他の反応
事前学習
事後学習
事前配布された講義スライドを使って予習する。
小テストを実施し解説する。
授業内容アルケンの水素化、エポキシ化、オスミウム酸化、カルベンの付加反応について解説する。
13タイトルアルキンの化学1 命名法、構造と反応1
事前学習
事後学習
事前配布された講義スライドを使って予習する。
小テストを実施し解説する。
授業内容アルキンの命名法、構造と求電子付加反応(ハロゲンの付加反応と水和反応)について解説する。
14タイトルアルキンの化学2 構造と反応2
事前学習
事後学習
事前配布された講義スライドを使って予習する。
小テストを実施し解説する。
授業内容アルキンの水素化、末端アセチレン水素の酸性度とアセチリドアニオンの生成および炭素-炭素結合生成への応用について解説する。
15タイトル期末試験とその解説
事前学習
事後学習
試験実施後に問題の解説を行う。
授業内容アルケンとアルキンの化学に関する試験とその解説を行う。
<前年度授業に対する改善要望等への対応>
新規開設科目につき該当しない
<備考>
(未登録)