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授業科目名 AI基礎
時間割番号 TPC310
担当教員名 安藤 英俊
開講学期・曜日・時限 前期・月・I 単位数 2
<対象学生>
2022年度以降入学生対象
<授業の目的>
インターネットの社会への広範囲な浸透、 情報通信・計測技術の飛躍的発展によって、従来とは質・量ともに全く異なるビッグデータが産み出されるようになった。ビッグデータや人工知能(AI)技術の活用領域は予測、意思決定、異常検出、自動化、最適化など多岐に亘って急速に拡大しており、自動運転、画像認識、医療診断、防犯、コンピュータゲームなど、従来の社会システムの在り方を大きく変えつつある。近年は、ビッグデータやAIの利活用に関し、米国や中国の巨大企業等を中心とした競争が激化しており、国内外の経済成長の要因も従来の労働力・資本・技術革新から、データから価値を生み出す産業領域へと大きくシフトしている。「数理・データサイエンス・AI」は、今後のデジタル社会の基礎知識(いわゆる「読み・書き・そろばん」的な素養)として捉えられ、大学・高専の全ての学生が身に付けておくべき素養である。
これに伴い政府の「AI戦略 2019」では、「我が国が、人口比ベースで、世界で最もAI時代に対応した人材の育成を行い、世界から人材を呼び込む国となること。さらに、それを持続的に実現されるための仕組みが構築されること」が第一の戦略目標とされた。この授業ではリテラシーレベルの教育を補完的・発展的に学修することにより、履修学生が自らの専門分野への数理・データサイエンス・AIの応用基礎力を習得することを目標としている。
この授業ではより具体的には、AIの基本的な概念と手法、応用例を学ぶことで、AI技術を活用し課題解決につなげるとは何かを理解することを目指す。
<本授業科目による獲得・涵養が特に期待されるコンピテンシー>(能力・資質)
工学部(~2023年度入学生)>コンピュータ理工学科向け
記号コンピテンシー(能力・資質) 
CS-A専門1.物事を地球的視野から多面的に考えた上で行動することができる。
CS-B2.技術者として自らの活動が自然や社会、人に与える影響を理解することができ、責任をもって問題解決にあたることができる。
CS-C3.他者に正しく理解してもらうための論理的な文書での記述力と口頭での発表力をもち、それらを円滑に駆使してコミュニケーションすることができる。
CS-D5.時代の変化に対応できるよう、最新の技術動向を考慮して、自律的・継続的に学習できる。
<到達目標>  到達目標とは
目標NO説明コンピテンシーとの対応
CS
1AIのこれまでの変遷、各段階における代表的な成果物や技術背景を説明できるCS-A
2今後、AIが社会に受け入れられるために考慮すべき論点を説明できるCS-B
3自らの専門分野にAIを応用する際に求められるモラルや倫理について説明できるCS-B
4機械学習(教師あり学習、教師なし学習)、深層学習、強化学習の基本的な概念を説明できるCS-C
5複数のAI技術が組み合わされたAIサービス/システムの例を説明できるCS-D
<成績評価の方法>
目標No割合評価の観点
135%中間評価によって目標1の理解度を評価する
210%中間評価とレポートによって目標2の理解度・応用力を評価する
310%レポートによって目標3の理解度・応用力を評価する
435%最終評価によって目標4の理解度を評価する
510%最終評価とレポートによって目標5の理解度・応用力を評価する
合計100% 
<授業の方法>
対面授業が可能な場合には「面接授業」による対面形式で講義・演習を行う.
オンライン授業となる場合には,「オンデマンド型」と「ライブ型」の併用により反転授業の形式で授業を進める(授業前に講義ビデオによる受講し,授業時間中は講義内容の確認,質疑応答等を行う)
<受講に際して・学生へのメッセージ>
以下の知識を有していることを前提に授業を行う。
・リテラシーレベルでの数理・データサイエンス・AIに関する知識
・確率、ベクトルと行列、関数等の数学に関する基礎的な知識
・プログラミング・アルゴリズム等に関する基礎的な知識
<テキスト>
(未登録)
<参考書>
  1. 北川 源四郎 他, 応用基礎としてのデータサイエンス AI×データ活用の実践 (データサイエンス入門シリーズ), 講談社, ISBN:4065307899
<授業計画の概要>
1タイトル第1回 AIの歴史と応用分野
事前学習
事後学習
ビデオの視聴・確認テスト
授業内容人工知能研究の始まりから現在に至るまでの歴史,関連する諸問題や活用について学ぶ.
2タイトル第2回 AIと社会
事前学習
事後学習
ビデオの視聴・確認テスト
授業内容データやAIにまつわる基本的な倫理・合意事項,データを守ること,それが破られて起こった事例などについて学ぶ.
3タイトル第3回 機械学習の基礎
事前学習
事後学習
ビデオの視聴・確認テスト
授業内容機械学習の基本的枠組みである教師あり学習のデータ分析手法と,教師なし学習のデータ分析手法を学ぶ.
4タイトル第4回 機械学習の応用
事前学習
事後学習
ビデオの視聴・確認テスト
授業内容機械学習を実行するうえで重要な過学習の概念や正則化法の重要性を学ぶ.
5タイトル第5回 深層学習の基礎
事前学習
事後学習
ビデオの視聴・確認テスト
授業内容深層学習の基礎的な内容を学ぶ.
6タイトル第6回 深層学習の応用
事前学習
事後学習
ビデオの視聴・確認テスト
授業内容深層学習で用いられるニューラルネットワークの原理と学習法,応用事例を学ぶ
7タイトル第7回 深層学習の展望
事前学習
事後学習
ビデオの視聴・確認テスト
授業内容深層学習のさらなる活用について学ぶ.
8タイトル中間評価(前半の総括とまとめ)
事前学習
事後学習
講義第1回から7回の内容について復習を行う.
授業内容理解度を評価する中間試験を実施する.
9タイトル第9回 認識
事前学習
事後学習
ビデオの視聴・確認テスト
授業内容AIにおける認識の概念と,画像・音声についての実社会での活用場面や技術について学ぶ.
10タイトル第10回 予測・判断
事前学習
事後学習
ビデオの視聴・確認テスト
授業内容データを用いた予測や予測の種類,機械学習の予測モデル,予測された結果の評価法を学ぶ.
11タイトル第11回 言語・知識
事前学習
事後学習
ビデオの視聴・確認テスト
授業内容AI技術のなかで言語や知識に関わる技術について学ぶ.
12タイトル第12回 身体・運動
事前学習
事後学習
ビデオの視聴・確認テスト
授業内容ロボット技術における身体の動き,運動を実現するアクチュエータやセンサー技術,ロボットとAIの関係,データサイエンス技術を学ぶ.
13タイトル第13回 AIの構築と運用
事前学習
事後学習
ビデオの視聴・確認テスト
授業内容複数のAI技術が組み合わされたAIサービス/システム,運用と品質保証,AIが社会に受け入れられるために考慮すべき論点について学ぶ.
14タイトル第14回 AIの構築と運用演習
事前学習
事後学習
ビデオの視聴・確認テスト
授業内容AIサービス/システムの構築と運用を体験する.
15タイトル最終評価(後半の総括とまとめ)
事前学習
事後学習
講義第9回から14回の内容について復習を行う.
授業内容理解度を評価する期末試験を実施する.
<実務経験のある教員による授業科目の概要>
授業担当者は長年人工知能技術の研究に携わり,共同研究等を通じて実務で活用してきており,教育経験も豊富である.理論だけでなく実務経験に基づく実践的な演習内容を提供する.
<前年度授業に対する改善要望等への対応>
授業評価アンケートによる改善要望と対応:
要望:スライドの枚数が多かったりしたので要点をまとめた資料の作成などする.
対応:用いた東大のスライド資料は確かに多いが,それでもかなり要点は絞られている.学生自身がさらにまとめる努力をすれば良い経験になる.

要望:課題の量を増やす.
対応:演習や課題は今後充実させる予定.
<備考>
(未登録)