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授業科目名 結晶科学
時間割番号 TAM316
担当教員名 米崎 功記
開講学期・曜日・時限 後期・水・I 単位数 2
<対象学生>
(未登録)
<授業の目的>
山梨県の宝飾産業・工業的応用に大きな役割を担う水晶を通して結晶の構造と物性の関係を学ぶ(第1回)。
結晶の物性や反応性を理解するために、原子、分子、結晶における電子軌道とそのエネルギーについて理解する(第2回~第6回)。
結晶特有の物性を理解するために、結晶構造の並進対称性(格子)について理解する(第7回~第9回)。
結晶構造解析を行うために、逆空間を用いた結晶によるX線の回折現象を理解する(第10回~第15回)。
本科目は、令和3年度以前の入学者に対しては「地域課題・専門科目」です。
<本授業科目による獲得・涵養が特に期待されるコンピテンシー>(能力・資質)
工学部(~2023年度入学生)>先端材料理工学科向け
記号コンピテンシー(能力・資質) 
AM-A専門2.専門的知識・技術材料科学
<到達目標>  到達目標とは
目標NO説明コンピテンシーとの対応
AM
1原子間相互作用による電子エネルギーの変化を説明できるAM-A
2X線の回折現象と結晶構造の関連について説明できるAM-A
3山梨県の宝飾産業・工業的応用のいて大きな役割を担う水晶を題材に、結晶の持つ特性を結晶構造の観点から説明できる。本授業科目は「地域課題・専門科目」です。
<成績評価の方法>
目標No割合評価の観点
147%テストでの記述問題で正しく理解できたか否かを評価する
247%テストでの記述問題で正しく理解できたか否かを評価する
36%レポートで自らの言葉で具体的に説明できたか否かを評価する
合計100% 
<授業の方法>
面接授業形式で講義を行う。
必要に応じて授業内容を復習するためのレポート課題を提示する。
<受講に際して・学生へのメッセージ>
並進対称性に基づいた結晶の電子構造、およびX線の回折現象を用いた結晶構造解析について講義する。
結晶相の同定や結晶構造解析を行う人向けの基礎的な内容を取り扱う。
ベクトル空間における基底の概念や、フーリエ展開・フーリエ変換、波の定式化に関して理解していることが望ましい。
授業内容を自分なりにかみ砕いて理解してほしいので、試料の配布は行わず、各自で理解した内容を講義ノートにまとめること。
<テキスト>
(未登録)
<参考書>
  1. 桜井敏雄著, X線結晶解析 修正第2版, 裳華房, ISBN:4785324023,
    (1969年出版 物理科学選書 / 今井功 [ほか共] 編, 2)

  2. 井本英夫著 ; 日本化学会編, 無機化合物の構造を決める : X線回折の原理を理解する, 共立出版, ISBN:4320044207,
    (2016年出版 化学の要点シリーズ, 15)
<授業計画の概要>
1タイトル結晶はどのようにしてできるか
事前学習
事後学習
授業後にレポート課題を課す
授業内容結晶はどのようにしてできるか:結晶の美しい外観がなぜ生まれるのかについて理解する
※地域(山梨)に関する授業内容が含まれている
2タイトル原子の構造,分子の構造
事前学習
事後学習
授業後にレポート課題を課す
授業内容結晶を構成する原子の電子軌道について理解する。
3タイトル分子軌道と対称性
事前学習
事後学習
授業前までに前回の講義内容を復習しておく
授業後にレポート課題を課す
授業内容原子同士の結合について分子軌道の観点から理解する。種々の原子が原子単独で存在するより分子形態をとったほうがエネルギー的に有利である点をLCAO近似による分子軌道の形やエネルギーの計算から理解する。
4タイトル結晶の並進対称性
事前学習
事後学習
授業前までに前回の講義内容を復習しておく
授業後にレポート課題を課す
授業内容結晶特有の周期構造が物性に及ぼす影響を理解する。数学的に無限の広がりを持つ結晶構造をどのように取り扱えばよいのかモデルを立てて数式で取り扱う。
5タイトルバンド構造
事前学習
事後学習
授業前までに前回の講義内容を復習しておく
授業後は結晶中の電子状態波動関数の分類を基に固体物性について復習する。
授業内容電子軌道のエネルギーと結晶の並進対称性との関連について理解する。
6タイトル結晶における電子軌道:まとめ
事前学習
事後学習
授業後にレポート課題を課す
授業内容原子が集合して結晶を構築する様子を理解する。
7タイトル格子・単位胞
事前学習
事後学習
授業後にレポート課題を課す
授業内容結晶の周期性を表現するために用いられる格子や人為的に導入された単位格子、複合格子の分類について対称性の観点から理解する。
8タイトルX線の回折
事前学習
事後学習
授業後にレポート課題を課す
授業内容電子によるX線のトムソン散乱をモデルとしたX線の散乱現象や、電子により散乱されたX線が干渉する様子を数式化し、散乱光が強め合ったり弱めあったりする入射角・測定角について理解する。
9タイトル結晶によるX線の回折
事前学習
事後学習
授業前までに前回の講義内容を復習しておく
授業後にレポート課題を課す
授業内容結晶のような並進対称性を持つ材料に分布する電子により回折されるX線の挙動を理解する。
10タイトル逆空間を用いた回折条件
事前学習
事後学習
授業前までに前回の講義内容を復習しておく
授業後にレポート課題を課す
授業内容結晶に入射したX線の回折条件を理解するために逆空間の概念を導入し、実空間と逆空間、実格子と逆格子の関係を理解する。
11タイトル結晶構造因子
事前学習
事後学習
授業前までに前回の講義内容を復習しておく
授業後にレポート課題を課す
授業内容結晶内電子によりX線が回折される様子を単位胞に含まれる電子分布を反映した結晶構造因子の観点から理解する。
12タイトル電子分布と散乱振幅
事前学習
事後学習
授業前までに前回の講義内容を復習しておく
授業後にレポート課題を課す
授業内容結晶中の電子分布を、並進対称性および単位胞構造、熱振動を反映した関数の畳み込みにより数式化する。数式化した電子分布から逆空間関数への変換を通じて結晶によるX線の回折現象について理解を深める。
13タイトル消滅則
事前学習
事後学習
授業前までに前回の講義内容を復習しておく
授業後にレポート課題を課す
授業内容人為的な単位格子の採り方である複合格子がX線の回折条件の系統的な消滅を引き起こすことについて理解する。
14タイトル総括評価:まとめ
事前学習
事後学習
結晶構造解析に必要となる回折現象と結晶構造の関連について復習しておく。
無し
授業内容授業内レポート課題の復習
15タイトル総括評価に関する解説
事前学習
事後学習
第14回授業内レポートの復習
無し
授業内容結晶によるX線回折現象について復習する。
<前年度授業に対する改善要望等への対応>
前年度の授業評価アンケートにおける演習問題を出してほしいとの要望に応え、演習問題を多く出題した。
<備考>
(未登録)