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授業科目名 分光学
時間割番号 TAM306
担当教員名 佐藤 哲也
開講学期・曜日・時限 後期・火・III 単位数 2
<対象学生>
(未登録)
<授業の目的>
 分光学は、気体の放電現象や材料物生評価および材料合成プロセスの診断法などに幅広く応用されている。授業では、量子化学の基礎的事項を整理し、原子・分子の構造とそのスペクトルについて学習する。次いで、分子の構造を群論記により取り扱う方法を学び、光の吸収/発光スペクトルの解析法を具体的な事例(演習問題)を通して深く学び、分光学の基礎を習得する。
<本授業科目による獲得・涵養が特に期待されるコンピテンシー>(能力・資質)
工学部(~2023年度入学生)>先端材料理工学科向け
記号コンピテンシー(能力・資質) 
AM-A専門1.基礎的知識化学
AM-B2.専門的知識・技術材料科学
AM-C融合科学技術
<到達目標>  到達目標とは
目標NO説明コンピテンシーとの対応
AM
1原子の構造や電子の配置、エネルギー状態を理解し具体的事例を説明できる。AM-A
2角運動量、スピンー軌道相互作用、光学遷移における選択律を理解し、原子スペクトルを説明することができる。AM-A
3分子の対称による分類法(群論)を理解し、分子の光学的遷移の選択律と関連つけて説明できる。AM-B
4分子の回転、振動、電子エネルギーを計算しスペクトルを解析することができる。AM-B
5いくつかの代表的な分光計測法の原理を理解する。AM-C
<成績評価の方法>
目標No割合評価の観点
120%原子の電子配置、エネルギー状態に関連する演習問題を解くことができる
220%角運動量、スピンー軌道相互作用、電子遷移・選択律の演習問題を解いたり、原子スペクトルを帰属できる。
320%分子の対称性、群論、に関する演習問題を解くことができる。
420%分子の回転、振動、電子エネルギーに関する演習問題を解くことができる。
520%光計測法の原理を説明することができる。
合計100% 
<授業の方法>
本授業は、アトキンス「物理化学」の上・下巻教科書を事前に一読する事前学習を必須とし、原理や用語の意味、概念の基本的な事項を予習して臨むことを前提としている。理解を深めるために章末の演習問題を出来るだけ解説する。また、毎回のレポート課題として章末の演習問題や応用問題を解き、授業の解説で疑問点を解消する。(レポート課題60%、定期テスト40%)
「面接授業」を基本とし、CVID-19感染症拡大の場合には、「ライブ型」もしくは「オンデマンド型」で実施する。
<受講に際して・学生へのメッセージ>
初等量子論、量子力学で量子論の基礎を基に、これだけは覚えてほしい量子化学の基礎的事項を整理し、原子・分子のスペクトル(気相)の帰属例を通して物理化学の本質を理解することを目指す。
<テキスト>
  1. P. W. Atkins 、J. de Paula 著、中野元裕, 上田貴洋, 奥村光隆, 北河康隆 訳, アトキンス 物理化学(上) 第10版, 東京化学同人, ISBN:9784807909087,
    (本体5,700円+税)

  2. P. W. Atkins 、J. de Paula 著、中野元裕, 上田貴洋, 奥村光隆, 北河康隆 訳, アトキンス 物理化学(下) 第10版, 東京化学同人, ISBN:9784807909094,
    (本体5,800円+税)
<参考書>
  1. 中田宗隆 著, 基礎コース物理化学II 分子分光学, 東京化学同人, ISBN:978-4-8079-0937-7,
    (?0+税)
<授業計画の概要>
1タイトル原子の構造と原子スペクトル
事前学習
事後学習
事前:教科書の該当する箇所や関連資料を予習しておく。
事後:章末の演習問題を解く。
授業内容原子の電子配置、軌道角運動量、LS結合、JJ結合
2タイトル分子の構造
事前学習
事後学習
事前:教科書の該当する箇所を予習しておく。
事後:章末の演習問題を解く。
授業内容分子軌道法、分子の電子配置など量子化学の基礎事項を整理する。
3タイトル分子の対称操作と対称要素、分子の対称による分類
事前学習
事後学習
事前:教科書の該当する箇所を予習しておく。
事後:章末の演習問題を解く。
授業内容分子の対称性と群論について学ぶ
4タイトル指標表と対称の記号づけ
事前学習
事後学習
事前:教科書の該当する箇所を予習しておく。
事後:章末の演習問題を解く。
授業内容分子対称性に対応した指標表の読み方、使い方を学ぶ。
5タイトル分子軌道法と分光学への応用
事前学習
事後学習
事前:教科書の該当する箇所を予習しておく。
事後:章末の演習問題を解く。
授業内容分子構造、対称性、分子軌道の関連性を学ぶ。
6タイトル分光学の一般的性質、分子の純回転スペクトル
事前学習
事後学習
事前:教科書の該当する箇所を予習しておく。
事後:章末の演習問題を解く。
授業内容種々の形の分子の回転エネルギーおよび回転遷移について解説する。
7タイトル二原子分子の振動
事前学習
事後学習
事前:教科書の該当する箇所を予習しておく。
事後:章末の演習問題を解く。
授業内容振動エネルギー、振動回転エネルギーとスペクトルの帰属について学ぶ。
8タイトル多原子分子の振動
事前学習
事後学習
事前:教科書の該当する箇所を予習しておく。
事後:章末の演習問題を解く。
授業内容振動モード、振動エネルギーについて学習する。
9タイトル分光計、回転分光法と振動分光法の選択律
事前学習
事後学習
事前:教科書の該当する箇所を予習しておく。
事後:章末の演習問題を解く。
授業内容各種分光計の基本的仕組み、回転分光法と振動分光法の選択律について学ぶ
10タイトル電子遷移の特性
事前学習
事後学習
事前:教科書の該当する箇所を予習しておく。
事後:章末の演習問題を解く。
授業内容原子、分子の電子遷移の選択律、光吸収と発光現象について理解する。
11タイトル電子励起状態がたどる道、レーザ化学
事前学習
事後学習
事前:教科書の該当する箇所や関連資料を予習しておく。
事後:章末の演習問題を解く。
授業内容電子励起後のエネルギー緩和過程、レーザー発振の原理、レーザー分光学について学ぶ。
12タイトル磁場が電子や原子核に及ぼす効果
事前学習
事後学習
事前:教科書の該当する箇所を予習しておく。
事後:章末の演習問題を解く。
授業内容磁場と電子スピン、核スピンの相互作用について学ぶ。
13タイトル電子スピン共鳴法
事前学習
事後学習
事前:教科書の該当する箇所を予習しておく。
事後:章末の演習問題を解く。
授業内容電子スピン共鳴法の原理を学ぶ。
14タイトル種々の分光計測
事前学習
事後学習
事前:教科書の該当する箇所や関連資料を予習しておく。
事後:章末の演習問題を解く。
授業内容種々の分光計測法について概説する。
15タイトル総括
事前学習
事後学習
重要事項の整理・確認しておく。
理解が不十分な点を補足する
授業内容期末テストを行い、解説をおこなう。
<前年度授業に対する改善要望等への対応>
・受講者が主体的参加してもらうために、解法について発表させる機会をもっと設ける。
・課題・演習の問題解答に関する解説時間を確保する。
<備考>
(未登録)