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授業科目名 観光政策科学概論A
時間割番号 LST107
担当教員名 菊地 淑人/宮川 雅至
開講学期・曜日・時限 前期・木・III 単位数 2
<対象学生>
地域社会システム学科1年生(以上)
地域食物科学科3年生(以上)
注意:コンピテンシー等が設定されていない学科の学生でも、学生便覧の表記に基づき必要に応じて履修申告をしてください。
<授業の目的>
本授業は、観光を取り巻く現状と課題について観光資源、観光政策、観光解析等の視点から俯瞰することで、観光政策科学の基礎を学ぶ。国際社会、日本、山梨における観光をとりまく状況について理解を深めるとともに、観光データ等の分析手法を習得する。

なお、本授業は2022年4月以前入学生向けの科目「LST106 観光政策科学入門」の振替科目である。「LST106 観光政策科学入門」の単位を取得済みの場合、本科目で取得した単位は卒業要件の単位数に含まれないため、留意すること。

※本科目は、令和3年度以前の入学者に対しては「地域課題解決人材育成プログラム対象科目」です。
<本授業科目による獲得・涵養が特に期待されるコンピテンシー>(能力・資質)
生命環境学部>地域食物科学科向け
生命環境学部>地域社会システム学科向け
記号コンピテンシー(能力・資質)説明 
SS-A専門社会科学系の基礎社会のしくみを体系的かつ多面的に理解し、社会科学の基礎的な概念を用いて説明できる。
SS-B観光政策科学の基礎と発展観光産業、観光行政の仕組みやそれが地域経営に果たす役割を理解し、観光にかかわる国内外の市場や政策の分析、観光地経営や観光まちづくりに向けた計画の立案、観光経営の特徴や課題、展開について、基礎的な専門知識を用いて説明できる(観光政策科学特別コースに限る)
SS-C共通汎用能力3・数量的リテラシーさまざまな情報を統計学的手法などにより、数理的に表現・分析できる。
<到達目標>  到達目標とは
目標NO説明コンピテンシーとの対応
SS
1・国内外の観光の現状や課題、観光政策について概観し、観光学に対する全体像を掴む。SS-B
2・観光と社会の結びつきや観光政策の基礎を理解し、地域・産業に果たす観光の役割を理解する。SS-A
3・観光に関わる統計データの分析手法を説明できる。SS-C
<成績評価の方法>
目標No割合評価の観点
120%リアクションペーパー・プレゼンテーションを通じた授業に対する意欲と関心、講義内容に対する課題意識
240%講義内容の理解度、事象に対する論理的分析力(レポート)(観光政策・計画分野)
340%講義内容の理解度(課題)(観光解析分野)
合計100% 
<授業の方法>
本科目は、【面接授業】として実施する予定。

■観光政策・計画分野(菊地)
スライド、映像等を用いた講義形式を基本に進めるが、適宜、受講生に自らの考え方などについて発言を求め、双方向の授業を目指す。また、毎回の講義では講義内容に対する自らの考え方・質問・感想等をリアクションペーパー(Moodle使用)にまとめ、その提出を求める。

■観光解析分野(宮川)
スライドを用いた講義形式。授業後にリアクションペーパー(Moodle使用)を提出する。
<受講に際して・学生へのメッセージ>
・本科目では観光資源、観光政野、観光解析等で必要な観点について俯瞰的に講義する。特に、身近に接することができるさまざまな観光関連事業の現在と、政策との関連に気づき、2年次以降の専門的な学習で具体的にどのようなことを学んでいくのかを大局的にイメージできることを目標に受講してほしい。
・自分の考え方や意見を整理し、臆せず伝えることは社会に出てからも大切な能力である。授業ではさまざまな活動への積極的な参加や発言を期待する。
・観光ビジネス・産業等に関するトピックは「観光政策科学概論B」(LST108/集中)で扱う。関心のある人はあわせて履修してほしい。
<テキスト>
(未登録)
<参考書>
  1. 国土交通省観光庁編, 観光白書 令和5年版, 昭和情報プロセス,全国官報販売協同組合 (発売), ISBN:9784907343231,
    (
    教科書とはしないが、観光政策科学特別コース及び観光系分野に関心のある学生は購入すること。来年度以降の講義でも使用し、その際は令和4年度版を用いる(来年度には完売しているケースが多い)。
    (冊子体の購入を勧めるが、国土交通省ウェブサイトからデジタル版を入手可能である。))

  2. 岡本伸之編, 観光学入門 ポスト・マス・ツーリズムの観光学, 有斐閣, ISBN:978-4641121300
<授業計画の概要>
1タイトルガイダンス/観光を取り巻く世界・日本の状況と観光が果たす役割(菊地)
事前学習
事後学習
【事後学習】講義内容の復習
授業内容・ガイダンス(本科目の進め方等について)
・世界・日本の観光を取り巻く状況について概説する。
2タイトル日本における観光と観光政策の歴史(菊地)
事前学習
事後学習
【事後学習】近現代の日本における観光・観光政策をめぐる歴史的展開の復習
授業内容近代以降を中心に、日本の観光及び観光政策がどのように展開してきたのかを概説する。
3タイトル観光と観光地形成(1):観光とは/何が観光客を惹きつけるのか:観光資源・観光施設・観光事業(菊地)
事前学習
事後学習
【事後学習】観光地形成の基本的考え方について整理する。
授業内容観光の学術的・統計的な定義について学習するとともに、観光地を構成する諸要素とその特質について概観する。
4タイトル観光と観光地形成(2):観光における行動/着地型観光とニューツーリズム(菊地)
事前学習
事後学習
【事後学習】観光行動論や着地型観光の特徴・意義などについて整理する。
授業内容旅行者の観光行動のあり方から効果的な観光地形成に求められる視点の基礎理論を学ぶとともに、地域において着地型観光が果たす役割について概観する。
5タイトル「持続可能な開発」と観光(1)(菊地)
事前学習
事後学習
【事後学習】持続可能な開発の成立と展開過程の復習。
授業内容「持続可能な開発」(susitanable development)の概念に関する歴史的な展開を概観したうえで、その延長線上に「持続可能な観光」(susitanable tourism)という概念を捉え、概念をめぐる国際的な潮流について概説する。
6タイトル「持続可能な開発」と観光(2)(菊地)
事前学習
事後学習
【事後学習】持続可能な観光に関連する事例を調べ、具体的に理解する。
授業内容「持続可能な観光」(susitanable tourism)に関する取り組みが実社会においてどのように展開されているのかを具体的事例も交えて概観し、そうした取り組みの意義や課題、可能性等について検討する。
7タイトル観光が果たす可能性:観光ののち…(菊地)
事前学習
事後学習
【事後学習】観光客と地域の継続的な関係を生み出す事例について調べる。
授業内容観光客が地域の単なる「消費者」から「応援団」(関係人口)へと変わっていくことは、地方都市や農山村などの観光地の持続可能性を考えるうえで極めて重要である。観光もきかっけとしつつ、地域とのつながりを生み出す考え方や具体的な取り組みについて概観し、その可能性と課題を検討する。
8タイトル【各論】ホテルとは?(菊地・ゲストスピーカー)
事前学習
事後学習
【事後学習】さまざまなホテルブランドについて調べ、宿泊施設としての可能性について理解する。
授業内容ホテル業界に勤務する本学OB等を招いての講義とディスカッションから、ホテルの役割と多様性について考える。
9タイトル観光データ分析(宮川)
事前学習
事後学習
【事後学習】講義内容の復習
授業内容観光データの役割
10タイトル統計データ(宮川)
事前学習
事後学習
【事後学習】講義内容の復習
授業内容地域データ,観光データ,観光の経済効果
11タイトルRESAS(地域経済分析システム)(宮川)
事前学習
事後学習
【事後学習】講義内容の復習
授業内容人口マップ,地域経済循環マップ,産業構造マップ,消費マップ,観光マップ,まちづくりマップ
12タイトルデータ分析の基礎(宮川)
事前学習
事後学習
【事後学習】講義内容の復習
授業内容1次元データの分析,2次元データの分析
13タイトル地理情報システム(宮川)
事前学習
事後学習
【事後学習】講義内容の復習
授業内容地理情報システム,空間データ,空間分析
14タイトル地理情報システム活用例(宮川)
事前学習
事後学習
【事後学習】講義内容の復習
授業内容WebGIS,QGIS
15タイトル観光地交通計画(宮川)
事前学習
事後学習
【事後学習】講義内容の復習
授業内容観光地づくりと観光交通,観光交通の特性,観光地交通計画の考え方,観光地交通計画の手法
<実務経験のある教員による授業科目の概要>
当教員のうち1名(菊地)は、国の独立行政法人の研究所にて文化遺産を中心とした地域資源の保全・継承とそのための計画策定等に関する調査研究・実務等に従事していた。また、現在も市町村との共同研究などを通じて、地域資源の調査及び保存・活用のための計画策定等に関する実務に従事している。こうした実務経験、実践的感覚を活かした授業を展開する。
<前年度授業に対する改善要望等への対応>
昨年度アンケートにおいてグループワーク等を求める意見が散見されたが、本科目は議論に必要な予備的知識を獲得する概論科目であり、また、受講人数も比較的多い科目であることから、講義形式のほうが効果的であると考える。演習形式の授業は、2年次以降の科目で積極的に実施する予定であり、特に3年次の「観光地経営論及び実習」(LST311)では1年間を通じて実施するプロジェクトベースの本格的な演習を導入している。本科目などで得た知見をもとに、これらの科目を積極的に履修することを期待する。
<備考>
(未登録)