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授業科目名 環境毒性科学
時間割番号 LEV239
担当教員名 長谷川 達也
開講学期・曜日・時限 後期・月・II 単位数 2
<対象学生>
(未登録)
<授業の目的>
我々は環境中に普遍的に存在する化学物質に常に曝露されており、その量が生体の許容量を超えることにより疾患を生じる。環境毒性科学では、今日の環境における化学物質の危険性および生体への影響について、これまで社会問題となった中毒事や殺人事件などを例として、これらの科学的根拠を解説する。また、これらの化学物質に対する生体の防御機構についても併せて講義を行う。この講義によって、学生は「毒」は身近にあり、特別なものではないことを理解できる。
<本授業科目による獲得・涵養が特に期待されるコンピテンシー>(能力・資質)
生命環境学部>環境科学科向け
記号コンピテンシー(能力・資質) 
EV-A専門基礎環境基礎:環境問題の背景と概要を、その歴史、原因、対策などから説明できる
EV-B専門環境評価:環境計測技術を用いてデータを収集し、自然環境の現状や人間活動の影響を分析・評価することができる
EV-C応用課題解決:環境科学の知識と技法を基に環境に関わる諸課題を見出し、論理的に解決策を導くとともに、他者と協調的に課題解決に取り組むことができる
<到達目標>  到達目標とは
目標NO説明コンピテンシーとの対応
EV
1毒性学の概要を環境科学的立場から説明できることEV-C
2毒物とは何かを理解し、健康との関連性を説明できることEV-B
3わが国で発生した公害病を列挙し、その歴史的背景ならびに公害病の内容を説明できることEV-A
4身近な生活環境に存在する科学物質の危険性を分析・評価し、説明できることEV-B
<成績評価の方法>
目標No割合評価の観点
120%毒性学の概要を環境科学的立場から説明できること
230%毒物とは何かを理解し、健康との関連性を説明できること
320%わが国で発生した公害病を列挙し、その歴史的背景ならびに公害病の内容を説明できること
430%身近な生活環境に存在する科学物質の危険性を分析・評価し、説明できること
合計100% 
<授業の方法>
面接授業を基本とする。毎回、授業の最後に小レポート(リアクションペーパー)を提出してもらい、理解度を確認する。成績は筆記試験ならびに出席点を加味して総合的に判断する。なお、新型コロナウイルスの感染者数の増大などにより山梨大学がオンライン授業を推奨する場合は、それに従う。
<受講に際して・学生へのメッセージ>
環境科学科の学生なら、身近に存在する毒物について興味を持って授業を受けて欲しい。
<テキスト>
(未登録)
<参考書>
  1. 船山信次, 毒の科学, ナツメ社, ISBN:9784816354090
<授業計画の概要>
1タイトル環境毒性科学概論
事前学習
事後学習
事後学習:授業において配布したプリントを読んで理解を深める。
授業内容環境毒性科学の基本概念、環境毒性学の位置づけ、毒物とは何か、を理解する。
キーワード:「毒」「薬」「量」
2タイトル環境汚染の歴史-1
事前学習
事後学習
事後学習:授業において配布したプリントを読んで理解を深める。
授業内容足尾銅山鉱毒事件とイタイイタイ病について理解する。
キーワード:「足尾銅山」「神岡鉱山」「カドミウム」「イタイイタイ病」
3タイトル環境汚染の歴史-2
事前学習
事後学習
事後学習:授業において配布したプリントを読んで理解を深める。
授業内容水俣病および水銀中毒について理解する。
キーワード:「金属水銀」「Mercury」「メチル水銀」「脳血管関門」「胎盤」
4タイトル水俣病患者の実態
事前学習
事後学習
事後学習:授業において配布したプリントを読んで理解を深める。
授業内容水俣病の患者の実態および水俣病裁判の現状を理解する。
キーワード:「胎児性水俣病」「ハンターラッセル症候群」「水俣病認定」
5タイトル水道水の安全性と水質基準
事前学習
事後学習
事後学習:授業において配布したプリントを読んで理解を深める。
授業内容水道水の安全を確保している水質基準について理解を深める。
キーワード:「水質基準」「LD50」
6タイトル山梨県のミネラルウォーターと利き水
事前学習
事後学習
事後学習:授業において配布したプリントを読んで理解を深める。
授業内容ミネラルウォーターの定義や種類を理解する。実際にミネラルウォーターの利き水を行い、味の違いを体験する。
キーワード:「硬度」「ミネラルウォーター」「利き水」
7タイトル富士山の地下水に含まれるバナジウムと健康
事前学習
事後学習
事後学習:授業において配布したプリントを読んで理解を深める。
授業内容富士山の地下水にはバナジウムが含まれている事、ならびにバナジウム水と糖尿病との関連性を正しく理解する。
キーワード:「バナジウム水」「糖尿病」
8タイトル毒としてのヒ素、薬としてのヒ素
事前学習
事後学習
事後学習:授業において配布したプリントを読んで理解を深める。
授業内容世界的規模のヒ素汚染問題、ならびにヒ素の新たな利用方法や食品中のヒ素について理解する。
キーワード:「ヒ素」「地下水汚染」「バングラディッシュ」「ひじき」
9タイトル健康診断項目の種類とその意義、ゼロカロリージュース
事前学習
事後学習
事後学習:授業において配布したプリントを読んで理解を深める。
授業内容健康診断項目の種類とその意義について理解する。また、ゼロカロリージュースの本質を理解する。
キーワード:「血液検査」「血漿」「赤血球」「糖」「人工甘味料」
10タイトル栄養素としてのミネラル・微量元素
事前学習
事後学習
事後学習:授業において配布したプリントを読んで理解を深める。
授業内容必須微量元素の種類やその働きを理解する。
キーワード:「必須微量元素」「欠乏症」「過剰症」「金属タンパク質」
11タイトル薬害事件、薬と毒
事前学習
事後学習
事後学習:授業において配布したプリントを読んで理解を深める。
授業内容サリドマイド事件やソリブジン事件などの薬害事件を理解する。
キーワード:「サリドマイド」「催奇形性」「併用禁忌」「お薬手帳」
12タイトル医薬品の環境汚染、山梨県内のコイの金属汚染調査
事前学習
事後学習
事後学習:授業において配布したプリントを読んで理解を深める。
授業内容普段使っている医薬品による環境汚染について理解する。また山梨県のコイを用いた金属汚染調査について理解する。
キーワード:「インフルエンザ」「微量分析」「タミフル」「コイ」「メタロチオネイン」
13タイトルブドウ搾り滓の利用
事前学習
事後学習
事後学習:授業において配布したプリントを読んで理解を深める。
授業内容山梨県におけるブドウ搾り滓の利用方法として山梨大学と共同で取り組んだ研究について理解する。
キーワード:「ブドウ搾り滓」「豚ふん」「堆肥」「環境循環型農業」
14タイトル日本住血吸虫
事前学習
事後学習
事後学習:授業において配布したプリントを読んで理解を深める。
授業内容山梨の地方病として知られる「日本住血吸虫症」への歴史的取り組みについて理解する。
キーワード:「日本住血吸虫」「ミヤイリガイ」「経皮感染」「終息宣言」
15タイトル総括・まとめ
事前学習
事後学習
事後学習:授業において配布したプリントを読んで理解を深める。
授業内容半年間の授業内容の要点を復習し、理解を深める。
<実務経験のある教員による授業科目の概要>
県立の研究所で、長年環境中の化学物質の生体影響に関する研究を行ってきた。これらの実務経験を「環境毒性科学」の授業に組み入れ、講義を行っていく。研究で行ってきた毒性試験や実際の分析データを示しながら、研究の進め方や解析の仕方についての事例を多く取り入れ講義を行う。特に成功例だけではなく、失敗例も紹介する。
<前年度授業に対する改善要望等への対応>
「新規開設科目につき該当しない」
<備考>
(未登録)