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授業科目名 発生工学
時間割番号 LBT202
担当教員名 若山 照彦
開講学期・曜日・時限 後期・月・I 単位数 2
<対象学生>
(未登録)
<授業の目的>
発生工学とは前期に学んだ動物解剖生理学に発生生物学の知識を加え、動物の生殖・発生過程に様々な人為的操作を加え、人類にとって有用な新しい生命を作り出すための技術を学ぶ学問である。発生工学の歴史から基礎技術まで学んだあと、各論としてクローン技術、 キメラ技術、遺伝子改変技術、宇宙ステーションでの生殖や、フリーズドライによる動物遺伝資源の永久保存方法などについて、その価値や原理を学ぶ。そしてこれらの技術を用いることで、畜産、医療、産業がどの様に改革されるか、また絶滅危惧種の救済や絶滅動物の復活の可能性などについて理解する。応用例や方法の紹介ではビデオやパワーポイントを利用する。
<本授業科目による獲得・涵養が特に期待されるコンピテンシー>(能力・資質)
生命環境学部>生命工学科向け
記号コンピテンシー(能力・資質)説明 
BT-A専門知識生命工学分野全般にわたる基礎知識に基づいた専門知識を修得している。
BT-B共通教養多様な知識の獲得単位を取得した教養教育科目の概要と、重要な基礎的事項を説明できる。
生命環境学部>地域食物科学科向け
記号コンピテンシー(能力・資質)説明 
FS-A共通教養様々な学問分野の考え方当該科目の学問分野(人文・社会・自然・健康科学等)の考え方を説明できる。
<到達目標>  到達目標とは
目標NO説明コンピテンシーとの対応
BTFS
1発生工学と呼ばれる個々の技術について原理と方法を学び、利用価値について理解する。そしてこの技術によって将来どの様なことが可能になり、人々の生活をどう改善するか、および生命操作という倫理問題について討論する。BT-AFS-A
2発生学だけでなく生命現象に関係する幅広い知識を習得するBT-B
<成績評価の方法>
目標No割合評価の観点
180%発生工学の目的を理解したか、この技術の発展によりどんな未来が開けるのか、および発生しうる倫理問題とは何か、の3点についての理解度を評価する
220%発生工学の各項目について、自分の意見を持つことができたかどうかも評価する
合計100% 
<授業の方法>
PPTによる講義中心で、区切りごとにレポート提出
<受講に際して・学生へのメッセージ>
発生工学関係の研究室を希望する学生には必須です。本気で高い成績を目指してください。すべて理解すれば、世界で活躍できる研究者になることも可能です。
<テキスト>
  1. 佐藤英明・河野友宏・内藤邦彦・小倉淳郎, 哺乳動物の発生工学, 朝倉書店, ISBN:978-4-254-45029-3
<参考書>
  1. 日本繁殖生物学会編, 繁殖生物学, インターズー, ISBN:9784899957881,
    (2013年出版)

  2. 若山三千彦著, リアル・クローン, 小学館, ISBN:9784093895811,
    (2000年出版)
<授業計画の概要>
1タイトル発生工学の概要
事前学習
事後学習
事前学習:あらかじめMoodleからPPTおよび課題のWordファイルをダウンロードし読んでおくこと。
事後学習:課題に対し学んだこと、および自分で調べたことや自分の意見を書きこも提出する。
授業内容発生工学の歴史、生命操作の目的と種類、及びこの技術によって農業分野がどの様に改革されたのか現実的な活用例を紹介する。
2タイトル受精の基礎
事前学習
事後学習
事前学習:あらかじめMoodleからPPTおよび課題のWordファイルをダウンロードし読んでおくこと。
事後学習:課題に対し学んだこと、および自分で調べたことや自分の意見を書きこも提出する。
授業内容精子と卵子がどのようにしてであい、どこで受精するのか、精子が卵子内に侵入するとどのような反応が生じるのかを学ぶ。
3タイトル人工授精と体外受精
事前学習
事後学習
事前学習:あらかじめMoodleからPPTおよび課題のWordファイルをダウンロードし読んでおくこと。
事後学習:課題に対し学んだこと、および自分で調べたことや自分の意見を書きこも提出する。
授業内容哺乳類の人工授精と体外受精研究の歴史を学び、どのような価値があるのか理解する。
4タイトル顕微授精
事前学習
事後学習
事前学習:あらかじめMoodleからPPTおよび課題のWordファイルをダウンロードし読んでおくこと。
事後学習:課題に対し学んだこと、および自分で調べたことや自分の意見を書きこも提出する。
授業内容顕微授精技術について学び、不妊治療において顕微授精がどのような貢献をしているのか理解する。
5タイトル精子と卵子の凍結保存
事前学習
事後学習
事前学習:あらかじめMoodleからPPTおよび課題のWordファイルをダウンロードし読んでおくこと。
事後学習:課題に対し学んだこと、および自分で調べたことや自分の意見を書きこも提出する。
授業内容精子、卵子および受精卵の凍結保存方法とその価値を学ぶ。
6タイトル精子のフリーズドライ技術
事前学習
事後学習
事前学習:あらかじめMoodleからPPTおよび課題のWordファイルをダウンロードし読んでおくこと。
事後学習:課題に対し学んだこと、および自分で調べたことや自分の意見を書きこも提出する。
授業内容遺伝資源の室温保存を可能にするこのと重要性を学び、それを実現するために開発された様々な試みを学ぶ
7タイトル哺乳類の初期発生
事前学習
事後学習
事前学習:あらかじめMoodleからPPTおよび課題のWordファイルをダウンロードし読んでおくこと。
事後学習:課題に対し学んだこと、および自分で調べたことや自分の意見を書きこも提出する。
授業内容精子と卵子の初期化、全能性および多能性の獲得、初期胚遺伝子の発現、コンパクション、胚盤胞での最初の分化の仕組みなど。
8タイトルキメラ技術 I
事前学習
事後学習
事前学習:あらかじめMoodleからPPTおよび課題のWordファイルをダウンロードし読んでおくこと。
事後学習:課題に対し学んだこと、および自分で調べたことや自分の意見を書きこも提出する。
授業内容キメラマウスの利用価値と方法を学ぶ。キメラ技術の目的、8細胞期胚の集合キメラ法、胚盤胞への注入キメラ法、4倍体キメラ法など。
9タイトルキメラ技術 II
事前学習
事後学習
事前学習:あらかじめMoodleからPPTおよび課題のWordファイルをダウンロードし読んでおくこと。
事後学習:課題に対し学んだこと、および自分で調べたことや自分の意見を書きこも提出する。
授業内容 キメラ技術を用いた基礎研究への応用、および再生医療への応用について。
10タイトル胚性幹細胞
事前学習
事後学習
事前学習:あらかじめMoodleからPPTおよび課題のWordファイルをダウンロードし読んでおくこと。
事後学習:課題に対し学んだこと、および自分で調べたことや自分の意見を書きこも提出する。
授業内容ES細胞の樹立方法と利用価値を学ぶ。ES細胞の価値、培養液の開発、胚からの樹立方法、胎児からの樹立方法、多能性の証明方法など。
11タイトル遺伝子改変動物
事前学習
事後学習
事前学習:あらかじめMoodleからPPTおよび課題のWordファイルをダウンロードし読んでおくこと。
事後学習:課題に対し学んだこと、および自分で調べたことや自分の意見を書きこも提出する。
授業内容遺伝子導入および遺伝子組み換え動物について学ぶ。遺伝子改変動物の歴史、前核へのDNA注入法、精子ベクター法、ES細胞への相同組み換え法、ゲノム編集など。
12タイトル宇宙生殖実験
事前学習
事後学習
事前学習:あらかじめMoodleからPPTおよび課題のWordファイルをダウンロードし読んでおくこと。
事後学習:課題に対し学んだこと、および自分で調べたことや自分の意見を書きこも提出する。
授業内容実際に宇宙ステーションを使って行われている宇宙での生殖研究などを紹介する。
13タイトルクローン技術
事前学習
事後学習
事前学習:あらかじめMoodleからPPTおよび課題のWordファイルをダウンロードし読んでおくこと。
事後学習:課題に対し学んだこと、および自分で調べたことや自分の意見を書きこも提出する。
授業内容クローン動物の作り方と利用価値を学ぶ。カエルの核移植から世界初のクローン羊ドリー、マウスのクローンなどの作り方と、核の初期化、エピゲノム修飾およびクローン動物の異常について学ぶ。
14タイトル遺伝資源の保存
事前学習
事後学習
事前学習:あらかじめMoodleからPPTおよび課題のWordファイルをダウンロードし読んでおくこと。
事後学習:課題に対し学んだこと、および自分で調べたことや自分の意見を書きこも提出する。
授業内容絶滅危惧種の救済及び絶滅動物復活の意義と技術的に困難な点を学ぶ。凍結死体のDNAダメージ、死滅細胞を用いた核移植方法、成功率改善の試み、永久凍土から回収された絶滅動物の状態など。
15タイトルテスト
事前学習
事後学習
これまでの課題をすべて読み直し、理解しておくこと
テストでできなかった点を調べなおすこと
授業内容この授業で学習した内容をランダムに出題する
<実務経験のある教員による授業科目の概要>
これまで実際に発生工学の研究を国内外の研究所で行ってきた教員が、最新の成果なども交えながら、スライドで分かりやすく示し、体験談を交えながら本科目の科学における重要性を理解させる
<前年度授業に対する改善要望等への対応>
7回目に行っていた宇宙生殖学の研究が進み、12回目で授業を行うことに変更。
14回目はクローン技術を用いた遺伝資源の保存内容であり、タイトルをより分かりやすくするため変更した。
<備考>
(未登録)