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授業科目名
担当教員
量子工学特論
内山 智香子/橋本 一成/白木 一郎
時間割番号
単位数
コース
履修年次
期別
曜日
時限
GTE502 2 (未登録) 1 後期 II
[概要と目標]
量子デバイスの具体例を以下の3分野で取り上げて、基本的と思われる重要項目(キーワード)の基本的な概念を理解する。
量子情報工学の基礎 (重ね合わせの原理、量子暗号の原理、量子計算の原理、量子情報工学デバイス)を理解する。
量子系に対する環境の影響の基礎(量子測定、量子ゼノン効果、不安定量子系の崩壊過程)を理解する。
量子デバイスの評価 (表面科学、表面解析技術)を理解する。
[到達目標]
1.量子情報工学の基礎、および光・電磁波を用いた量子情報伝送・量子情報処理システムの原理を理解し、説明できる。
2.不安定量子系の崩壊過程および量子ゼノン効果の基礎を、イオンの光ポンピングを用いた実験などの例を通じて理解し、説明できる。
3.表面科学の基礎、および走査電子顕微鏡や走査型トンネル顕微鏡など電子を用いた先端計測技術を理解し、ナノ構造やナノスケール電子輸送と関連して説明できる。
[必要知識・準備]
電磁気学の基礎
量子力学の基礎
[評価基準]
No評価項目割合評価の観点
1小テスト/レポート 100  %光や電磁波を用いた量子情報伝送や量子情報処理システムの原理・電子・イオンビームを用いた先端計測技術等要求される基本的な内容が理解できている。 
[教科書]
(未登録)
[参考書]
(未登録)
[講義項目]
講義内容
第 1 回: 量子情報工学における量子力学・電磁気学の基礎知識
第 2 回:古典暗号の原理 (対称暗号・非対称暗号)
第 3 回:量子暗号の原理 (BB84プロトコル・B92プロトコル・光ファイバーによる実験)
第 4 回:量子計算の原理(Shorのアルゴリズムの原理)
第 5 回:量子デコヒーレンスとその制御法
第 6 回:孤立量子系の時間発展
第7回:フォン・ノイマンの量子測定と量子ゼノン効果
第8回:不安定量子系の崩壊過程(1) 現象論的取り扱い
第9回:不安定量子系の崩壊過程(2) 厳密な取り扱い
第 10 回: 量子ゼノン効果の再検討
第 11 回: 表面の科学と顕微鏡法 -光学顕微鏡と走査電子顕微鏡の基礎ー 
第 12 回: 走査電子顕微鏡 動作原理と応用例
第 13 回: 走査型トンネル顕微鏡(1) 動作原理
第 14 回: 走査型トンネル顕微鏡(2) 表面超構造観察
第 15 回: 多探針顕微鏡法

到達目標
第1回:量子情報工学における量子力学・電磁気学の基礎知識を理解する。
第2回:古典暗号の原理 (対称暗号・非対称暗号)の長所・短所を理解する。
第3回:BB84プロトコル・B92プロトコルなどの量子暗号の原理 及び光ファイバーによる実現方法を理解する。
第4回:Shorのアルゴリズムを例に取り、量子計算における干渉効果と重ね合わせの原理の役割を理解する。
第5回:量子情報処理におけるデコヒーレンスの影響ととその制御法を理解する。
第6回:孤立量子系のユニタリー時間発展を理解する。
第7回:孤立量子系のユニタリー時間発展に対するフォン・ノイマン測定の影響を理解する。
第8回:不安定量子系の非ユニタリー時間発展の現象論的な取り扱いを理解する。
第9回:不安定量子系のシンプルな例であるmasslessボソン場と結合した2準位系の厳密な取り扱いを理解する。
第10回:第9回の結果をもとに、不安定量子系の崩壊初期過程における量子ゼノン効果を再検討する。
第11 回: 顕微鏡の発展とともに拓かれてきた表面科学の一面を理解する。光学顕微鏡と電子顕微鏡の違いを理解する。
第12 回: 走査電子顕微鏡の各種レンズ構成、走査型、電界放出による電子線源など、動作原理について理解する。特性X線による組成分析など、走査電子顕微鏡の電子線を利用した分析例を理解する。
第 13 回: トンネル電流検出とその原理、顕微鏡駆動にもちいられる圧電素子の性質など、走査型トンネル顕微鏡の動作原理を理解する。
第 14 回: 表面特有な原子配列である表面超構造と表記法、および走査型トンネル顕微鏡による表面超構造の観察・解析方法について理解する。
第 15 回: 走査型トンネル顕微鏡法の発展形である多探針顕微鏡法を用いた局所四端子計測法を、原子細線構造に依存した表面電気伝導度計測などの応用例を含めて理解する。
[前年度授業に対する改善要望等への対応]
アンケート結果は概ね好評であった.さらにわかりやすい授業を目指して,工夫を継続する.