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授業科目名 西洋史
時間割番号 EES207
担当教員名 皆川 卓
開講学期・曜日・時限 後期・火・IV 単位数 2
<対象学生>
生活社会コース2~3年生(選択必修)及び近代ヨーロッパ史に関心のある学生
<授業の目的>
記号的な人名・年代情報の氾濫のゆえに、社会科教育で様々な問題の温床となっている西洋近世・近代史(16~20世紀初頭)を、最新の研究に基づき一つのまとまったナレーションとして講義する。本講義では近代史=18世紀~20世紀初頭に重点を置く。なお近世史は要点を精選したものを「外国史概説」で行うので、西洋史を理解するには両方取ることが望ましい。
<本授業科目による獲得・涵養が特に期待されるコンピテンシー>(能力・資質)
教育学部向け
記号コンピテンシー(能力・資質) 
A専門人や社会への関心日本や世界、自然に関する広い教養を身につけている。
B教科等の専門教養取得見込みの教員免許に対応する教科の目標や内容に関する知識を習得している。
<到達目標>  到達目標とは
目標NO説明コンピテンシーとの対応
教育
1受講者が近世・近代ヨーロッパ史のアウトラインをつかみ、教員免許取得に必要な歴史知識を得る。B
2近世・近代ヨーロッパで生み出された価値併存社会のメカニズムを学び、現在も続くそうした社会で生きていくための冷静な目を養う。A
<成績評価の方法>
目標No割合評価の観点
150%中学・高校の社会科教員が必要な近世・近代ヨーロッパ史の基本事項を履修しているか。
250%近代国家及び近代社会の歴史的な由来について客観的・論理的に論ずることができるか。
合計100% 
<授業の方法>
通常の講義形式をとる。教科書は用いず配布するプリントを中心に、プロジェクタの使用を交えて進めていく予定。
<受講に際して・学生へのメッセージ>
近世・近代のヨーロッパは不合理で暴力的な闘いに満ちており、その末に成立したのが、違う立場の相手を尊重しながら非暴力で闘う「近代市民社会」でした。闘いに強い緊張を感じ、避けてきた日本社会も、自由や個人主義と引き替えにこの闘争文化に引き込まれようとしています。異なる価値観を持つ人を受け入れ、尊重し、学びながら、自分を通すために、ヨーロッパ人が何を譲り、何を守ったかを、近世・近代史の学問的検討から掘り起こしてみましょう。
<テキスト>
(未登録)
<参考書>
  1. ウルリヒ・イム・ホーフ(成瀬治訳), 啓蒙のヨーロッパ, 平凡社 1998年, ISBN:4582476341
  2. 谷川稔, 国民国家とナショナリズム, 山川出版社 1999年, ISBN:4634343509
<授業計画の概要>
1タイトルはじめに ヨーロッパ近世・近代史を学ぶ意味について(第1回)
事前学習
事後学習
適宜教場で指示します。
授業内容日本で西洋史が学ばれ、歴史研究・歴史教育の基礎の一部を成してきた過程を、日本の近代史から解き明かします。
2タイトル科学と啓蒙と「市民的公共圏」(1)
事前学習
事後学習
適宜教場で指示します。
授業内容活版印刷術の発明から書物の発展までを通じて「公論」「世論」が成立する過程を論じます。
3タイトル科学と啓蒙と「市民的公共圏」(2)
事前学習
事後学習
適宜教場で指示します。
授業内容キリスト教の自然観・世界観を巡る論争が「科学」の成立を引き起こすメカニズムを紹介します。
4タイトル科学と啓蒙と「市民的公共圏」(3)
事前学習
事後学習
適宜教場で指示します。
授業内容「科学」が専門に分岐し、やがて政治や経済をも「科学」して社会システムを変化させる過程を分析します。
5タイトルフランス革命(1)
事前学習
事後学習
適宜教場で指示します。
授業内容科学的思考が公共圏を通じて政治運動となり、近代国家を成立させるまでのパリの事件を詳述します。
6タイトルフランス革命(2)
事前学習
事後学習
適宜教場で指示します。
授業内容革命が地域の利害対立を巻き込んで流動化し、両者の妥協がポピュリズムと独裁者を生んでいく過程を論じます。
7タイトルナポレオン帝国とヨーロッパの再編成(1)
事前学習
事後学習
適宜教場で指示します。
授業内容ナポレオン政権の近代的な性格とその明暗を詳述します。
8タイトルナポレオン帝国とヨーロッパの再編成(2)
事前学習
事後学習
適宜教場で指示します。
授業内容ナポレオンの侵略によってヨーロッパに引き起こされたナショナリズムの性格と、ウィーン議定書による主権国家併存の構造を論じます。
9タイトル革命と労働運動の世紀(1)
事前学習
事後学習
適宜教場で指示します。
授業内容ヨーロッパ各国の自由主義・立憲主義運動とその地域的な特徴を紹介します。
10タイトル革命と労働運動の世紀(2)
事前学習
事後学習
適宜教場で指示します。
授業内容イギリスで生じた産業革命がもたらした広範な社会的利害対立とその行方を紹介します。
11タイトル革命と労働運動の世紀(3)
事前学習
事後学習
適宜教場で指示します。
授業内容労働運動から社会主義が生まれ、ナショナリズムとの衝突と妥協が図られる過程を論じます。
12タイトル教育と戦争が作る国民国家(1)
事前学習
事後学習
適宜教場で指示します。
授業内容新しいタイプの保守主義によって、ナショナリズム・社会主義の妥協と帝国主義が図られる過程を論じます。
13タイトル教育と戦争が作る国民国家(2)
事前学習
事後学習
適宜教場で指示します。
授業内容人権の実現を求める公教育運動が、国民的統一国家と帝国主義の追求の中で国家主義教育に変容し、戦闘的国民集団が育成される過程を論じます。
14タイトル権力政治の破綻-第一次世界大戦と四大帝国の崩壊(1)
事前学習
事後学習
適宜教場で指示します。
授業内容認識されない産業化・ナショナリズム・勢力均衡の重なり合いの中に、「総力戦」という新しい戦争が準備されていく構造を解き明かします。
15タイトル権力政治の破綻-第一次世界大戦と四大帝国の崩壊(2)
事前学習
事後学習
適宜教場で指示します。
授業内容総力戦の中で帝国主義が衰退し、対等で法的に秩序付けられた新しい国際社会の構想が生まれ、現代の基礎が準備される過程を論じ、近代社会成立の道のりを振り返ります。
<前年度授業に対する改善要望等への対応>
・自発的に行った変更:他の科目とのカリキュラム調整が難しく、受講者が少なかったため、受講の実施方法は柔軟に対応した。
・授業評価アンケートに基づく変更:実施していないので特に何も行っていない。
・自己点検・FDにもとづく変更:昨年度に比べ、教職にかかわる点を強化した。
<備考>
(未登録)