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授業科目名 国語科授業開発演習I
時間割番号 EEC250
担当教員名 岩永 正史
開講学期・曜日・時限 後期・月・II 単位数 2
<対象学生>
(未登録)
<授業の目的>
国語科教師としての実践的指導力を高めるための演習。説明・論説文教育の分野から、学習者の実態、教材の開発、指導法、授業の分析・評価などの中からテーマを選び、授業成立に関わる諸要因を研究し、受講者による発表、議論によって考えを深める。必要に応じて、実験・調査や附属学校教員の授業観察などを取り入れつつ進める。
<本授業科目による獲得・涵養が特に期待されるコンピテンシー>(能力・資質)
教育学部向け
記号コンピテンシー(能力・資質) 
A専門子ども理解子ども理解のために必要な様々な発達理論を習得している。
B授業力・実践的技能教材研究や教材開発を進んで行うことができる。
C教科書にある題材や単元等に応じた教材・資料を開発・作成することができる。
D教科等の専門教養取得見込みの教員免許に対応する学習指導要領の活用の仕方を習得している。
<到達目標>  到達目標とは
目標NO説明コンピテンシーとの対応
教育
1心理学による文章理解・産出のメカニズムやその発達、とりわけスキーマ理論に基づく研究を理解している A
2説明スキーマ、論理的判断スキーマの獲得・発達との関わりから教材分析や教材評価ができるB
3教科書の説明・論説文教材を児童の説明スキーマ、論理的判断スキーマの獲得・発達との関わりから分析し、教材の系統性を把握できるC
4児童の説明スキーマ、論理的判断スキーマの獲得・発達の観点から学習指導要領の指導事項を整理し、学習指導案に位置づけることができるD
<成績評価の方法>
目標No割合評価の観点
120%心理学の文章理解・産出研究の発展を、主なトピックを挙げて説明できる
230%心理学による文章理解・産出研究の成果をもとに説明・論説文教材の分析や開発ができる
330%教科書説明・論説文教材の系統性の解明に当たって、心理学による文章理解・産出研究の成果をどのように反映させているか評価する
420%学習指導案の教材選定の理由や本時の学習活動の中に児童の説明スキーマ、論理的判断スキーマの獲得・発達を促す指導事項を設定することができる 
合計100% 
<授業の方法>
対面による演習形式で行います。毎回、授業の問題把握のための予習課題と演習の理解を深める発展課題があります。予習、復習課題は、授業中に発表しますが、CNS掲示のレスポンスに提出を求めることもあります。
<受講に際して・学生へのメッセージ>
テーマを見つけ、共同で研究に取り組み、考えを深めていく過程を体験してほしい。
参考文献は授業の進行にともなって指示します。
以下では、児童の説明スキーマ、論理的判断スキーマの獲得・発達を促す教科書説明・論説文教材の系統性を明らかにする研究を想定して、授業計画を示します。
受講者数、受講者各自の問題意識に応じて、授業計画を若干変更することがあります。
<テキスト>
(未登録)
<参考書>
(未登録)
<授業計画の概要>
1タイトル受講者各自の学習経験の掘り起こしと問題の把握
事前学習
事後学習
授業の問題把握のための予習課題
演習の理解を深める発展課題
授業内容説明・論説文教材の学習体験の報告を行い、学習者の観点から、説明・論説文教育の意義と問題点を確認する
2タイトルPISAで明らかになった日本の説明・論説文教育の問題点
事前学習
事後学習
授業の問題把握のための予習課題
演習の理解を深める発展課題
授業内容2000年から始まったOECDの学力テスト=PISAの出題傾向と日本の高校生の回答傾向を照らし合わせ、日本の説明・論説文教育の問題点を明らかにする
3タイトルRSTで明らかになった日本の説明・論説文教育の問題点
事前学習
事後学習
授業の問題把握のための予習課題
演習の理解を深める発展課題
授業内容国立情報学研究所・新井紀子によって考案されたRST(リーディング・スキル・テスト)の出題傾向と日本の小中高校生の回答傾向を照らし合わせ、日本の説明・論説文教育の問題点を明らかにする
4タイトル日本の説明・論説文教育の問題点はどのように生まれたのか(1)
事前学習
事後学習
授業の問題把握のための予習課題
演習の理解を深める発展課題
授業内容明治~昭和戦前期までの説明・論説文教育を検討し、その問題点を把握する
5タイトル日本の説明・論説文教育の問題点はどのように生まれたのか(2)
事前学習
事後学習
授業の問題把握のための予習課題
演習の理解を深める発展課題
授業内容戦後、初めての学習指導要領に基づく読解指導を検討し、その問題点を把握する
6タイトル日本の説明・論説文教育の問題点はどのように生まれたのか(3)
事前学習
事後学習
授業の問題把握のための予習課題
演習の理解を深める発展課題
授業内容経験主義国語教育のもとで起こった学力低下問題を克服しようと試みた読解指導を検討し、その問題点を把握する
7タイトル日本の説明・論説文教育の問題点はどのように生まれたのか(4)
事前学習
事後学習
授業の問題把握のための予習課題
演習の理解を深める発展課題
授業内容教育の現代化を目指した昭和43年版学習指導要領時代の読解指導を検討し、その問題点を把握する
8タイトル行動主義心理学に基づく文章理解研究の検討
事前学習
事後学習
授業の問題把握のための予習課題
演習の理解を深める発展課題
授業内容教育に対する社会の要請、いわば「外圧」から、学習者の学習過程に目を転じ、行動主義心理学の時代に行われた文章理解研究を検討し、その功罪を把握する
9タイトル認知心理学による文章理解・産出過程研究の検討
事前学習
事後学習
授業の問題把握のための予習課題
演習の理解を深める発展課題
授業内容人の知的過程の解明を目指した認知心理学による文章理解・産出過程研究を検討詩、その有用性を明らかにした上で、説明・論説文教材分析の観点を定める
10タイトル入門期説明文教材の研究
事前学習
事後学習
授業の問題把握のための予習課題
演習の理解を深める発展課題
授業内容こどもが説明的・論理的な文章を学ぶスタートとなる入門期説明文教材を史的に比較し、現代の説明文教材の特色を明らかにする
11タイトル低学年説明文教材の研究
事前学習
事後学習
授業の問題把握のための予習課題
演習の理解を深める発展課題
授業内容小学校低学年期の説明文教材を史的に比較し、現代の説明文教材の特色を明らかにする
12タイトル中学年説明文教材の研究
事前学習
事後学習
授業の問題把握のための予習課題
演習の理解を深める発展課題
授業内容小学校中学年期の説明文教材を史的に比較し、現代の説明文教材の特色を明らかにする
13タイトル高学年説明・論説文教材の研究
事前学習
事後学習
授業の問題把握のための予習課題
演習の理解を深める発展課題
授業内容小学校高学年期の説明・論説文教材を史的に比較し、現代の説明・論説文教材の特色を明らかにする
14タイトル中学高校の説明・論説文教材の研究
事前学習
事後学習
授業の問題把握のための予習課題
演習の理解を深める発展課題
授業内容中学校期の説明・論説文、高校期の評論文教材を史的に比較し、現代の説明・論説文教材、評論文教材の特色を明らかにする
15タイトル総合討論
事前学習
事後学習
授業の問題把握のための予習課題
演習の理解を深める発展課題
授業内容1~14の授業から受講者各自がもった問題意識をもとに研究状況を調べ、発表、議論する。
<実務経験のある教員による授業科目の概要>
授業者・岩永は、東京都の公立小学校や東京学芸大学附属小金井小学校で13年間国語科教育の実践・研究に取り組み、山梨大学に移ってからは、30年にわたり、自身の研究成果を生かして、山梨県を中心に小中高校の国語科教育実践・研究を指導してきました。この授業は、授業者・岩永のこうした研究・実践経験をもとに行います。
<前年度授業に対する改善要望等への対応>
アンケート結果確認中。
<備考>
(未登録)