山梨大学電子シラバス>検索結果一覧>授業データ



授業科目名 青年期心理学
時間割番号 EEC118 A
担当教員名 小澤 理恵子
開講学期・曜日・時限 前期・月・III 単位数 2
<対象学生>
(未登録)
<授業の目的>
学生は、生涯発達過程における青年期の位置づけおよび発達の様子を、他の発達期と比較しながら理解する。そして、現代の学校教育場面において生徒が直面する諸課題を学生が見出だし、その解決に向けて必要な心理学の理論や概念を理解し身につける。また、学生が青年期の諸課題の課題解決方法を実践に即して構想できるようにするため、青年期の具体的事例や情報、関連する資料を読み解いて理解し、考察を深めることができるようにする。
<本授業科目による獲得・涵養が特に期待されるコンピテンシー>(能力・資質)
教育学部向け
記号コンピテンシー(能力・資質) 
A専門子ども理解子ども理解のために必要な様々な発達理論を習得している。
Bいじめや不登校、特別支援教育などについての基礎的な知識を習得している。
C子どもたちの発達段階や生活年齢を考慮して、適切に接することができる。
<到達目標>  到達目標とは
目標NO説明コンピテンシーとの対応
教育
1青年期の心理的特性について生涯発達の観点を踏まえて基礎的な発達理論を理解し、具体的な内容を説明し、学習活動を支える指導に結びつけることができる。A
2青年期の心理的特性を踏まえて、いじめや不登校、特別支援教育などの指導のあり方を理解し、その内容を説明できる。B
3青年期の児童生徒が直面する諸課題を理解し、生涯発達の観点を踏まえた発達の意義の理解に基づき、指導につながる課題解決を構想してその内容を説明、表現できる。C
<成績評価の方法>
目標No割合評価の観点
170%期末および中間試験において青年期の基礎的な発達理論を理解し、その具体的な内容を説明し、指導対応につなげられること
215%レポート課題において青年期の諸課題について、適切な資料や情報に基づいて説明できること
315%レポート課題において青年期の諸課題について、発達の基礎的な概念および発達理解に基づいて解決の方法を構想し説明できること
合計100% 
<授業の方法>
1 授業実施の形態は、基本的に「ライブ型」(Teams 等のテレビ会議システムを利用、同時双方向リアルタイム動画配信授業)で行います。
  ・教員がTeams あるいは zoomにより 毎回同時双方向で学生にライブ講義を配信します。
  ・適宜学生の思考の時間、質問等の時間を設けます。

2 中間試験・期末試験、およびレポート発表は「面接授業」(各教室において対面で行う授業)にて行います。

3 授業前に、Moodle上に、講義で使用する資料をアップロードします。

4 Moodle上に、レポート課題等を提示する場合があります。受講者は決められた期間内にMoodleにて提出を行います。

5 グループディスカッション、心理テスト等を実施し、学習内容に結びつけて解説します。

6 レポート発表などの発表活動を取り入れて、表現方法の工夫や、適切な伝達力を身につけ、また、他者とのやり取りによって相互啓発的に学習内容の理解を深め、興味関心を広げていきます。

7 授業内容について質問がある場合は、授業中あるいは授業終了前に質問を受け付け、解説を行います。
<受講に際して・学生へのメッセージ>
・教育問題に関する関心や自己理解を深めることへの興味など、積極的に学習する意欲をもって受講して欲しいです。
・授業内に設定するディスカッション、グループ討論に積極的に参加することを期待します。
・レポート課題に積極的に取り組み、自発的、探索的に学習を深めることを期待します。
<テキスト>
(未登録)
<参考書>
  1. 日本青年心理学会企画 ; 後藤宗理 [ほか] 編集, 新・青年心理学ハンドブック, 福村出版, ISBN:9784571230516,
    (2014年出版)

  2. 高木秀明監修・安藤・ 小沢・ 橋本編, 挫折と向き合う心理学 : 青年期の挫折を乗り越えるための心の作業とその支援, 福村出版, ISBN:9784571230615,
    (2020年出版)

  3. 中学校学習指導要領(平成29年3月公示)
  4. 高等学校学習指導要領(平成30年3月公示)
<授業計画の概要>
1タイトルオリエンテーション・青年期の発達と現代社会における諸課題(少子高齢化・多様化する家庭環境・情報環境など)
事前学習
事後学習
事前学習 予め配布された授業資料に参照し、授業のポイント、疑問点を明らかにしておく。(40分)
事後学習 授業内容を振り返り、理解ができていない個所を確認し、補充する。不明確な点
を抽出し次回の質問として備える。(40分)
授業内容本授業の概要、講義の進め方、評価方法について説明します。
現代社会における諸課題を捉え、学習指導要領の内容を踏まえて青年期の教育課題について解説します。

現代社会において青年期の児童・生徒が抱えている諸課題を説明できるようにする。
学習指導要領における「生きる力」を踏まえ、青年期の発達課題を理解し、説明できるようにする。
2タイトル青年期とは:青年期の思考と感情の特性を青年期の理論から解説   
事前学習
事後学習
事前学習 予め配布された授業資料に参照し、授業のポイント、疑問点を明らかにしておく。(40分)
事後学習 授業内容を振り返り、理解ができていない個所を確認し、補充する。不明確な点
を抽出し次回の質問として備える。(40分)
授業内容青年期の思考および感情の特徴を、青年期の諸理論、ならびに、青年期を対象とした諸研究の結果に基づいて解説します。


他者と自己を比較する社会的比較、自己の内面を見つめ直す(内省)傾向の高まりなど、自己に対する捉え方の発達的変化について説明できるようにする。
青年期の心理的特性(不安定性、対立する感情の相互出現など)について、青年期危機説、青年期平穏説などをもとに説明できるようにする。
青年の意識調査(国際比較など)をもとに、現代日本青年の特徴について検討し、説明できるようにする。
3タイトル青年期の身体とこころ:身体的変化と意識・食行動
事前学習
事後学習
事前学習 予め配布された授業資料に参照し、授業のポイント、疑問点を明らかにしておく。(40分)
事後学習 授業内容を振り返り、理解ができていない個所を確認し、補充する。不明確な点
を抽出し次回の質問として備える。(40分)
授業内容青年期の身体的な変化とそれに伴う心理的な特徴を説明します。

青年期の身体的成長・変化について説明できるようにする。
青年期の性的成熟の個人差について理解し、説明できるようにする。
青年期の「食行動」についての特徴を理解し、説明できるようにする。
4タイトル青年期の身体とこころ:食をめぐる諸問題 
事前学習
事後学習
事前学習 予め配布された授業資料に参照し、授業のポイント、疑問点を明らかにしておく。(40分)
事後学習 授業内容を振り返り、理解ができていない個所を確認し、補充する。不明確な点
を抽出し次回の質問として備える。(40分)
授業内容青年期における「食」をめぐる諸問題(孤食・摂食障害・性的アイデンティティの受容など)などについて、資料や事例をもとに説明します。

青年期の摂食抑制について、具体的例をもとに説明できるようにする。
青年期の痩身願望の状況と背景について、説明できるようにする。
摂食障害の状況、内容を理解し、説明できるようにする。
青年期の食をめぐる問題に対して理解を深め、児童生徒に対する理解および指導に活かす方法を説明できすようにする。
5タイトル青年期の認知発達:道徳判断を中心として
事前学習
事後学習
事前学習 予め配布された授業資料に参照し、授業のポイント、疑問点を明らかにしておく。(40分)
事後学習 授業内容を振り返り、理解ができていない個所を確認し、補充する。不明確な点
を抽出し次回の質問として備える。(40分)
授業内容認知機能のひとつである道徳判断について、児童生徒の発達的変化を説明し、いじめ問題への対応などについて検討します。

児童生徒の道徳判断の発達変化について説明できるようにする。
道徳判断の葛藤場面に関する課題を検討し、いじめ問題への対応について構想・提案できるようする。
6タイトル青年期の対人関係:親子関係・友人関係    
事前学習
事後学習
事前学習 予め配布された授業資料に参照し、授業のポイント、疑問点を明らかにしておく。(40分)
事後学習 授業内容を振り返り、理解ができていない個所を確認し、補充する。不明確な点
を抽出し次回の質問として備える。(40分)

  
授業内容青年期の親子関係の特徴とその変化について、具体的な事例などを含めながら説明します。

青年の親子からの自立の過程について説明できるようにする。
青年の自立の過程を支える友人・仲間関係について 説明できるようにする。
7タイトル総括評価:まとめ これまでの授業のふりかえりとまとめ 
事前学習
事後学習
これまでの授業を振り返り、授業内容を整理しておくこと。また、不明点、理解が不十分な点を確認、補充しておくこと。(120分)
 
授業内容これまでの授業のまとめとふりかえりとして中間試験を行い、出題意図の説明とともに、不明点、不十分な点について確認し、解説する。
8タイトル青年期の対人関係:教師・生徒関係
事前学習
事後学習
事前学習 予め配布された授業資料に参照し、授業のポイント、疑問点を明らかにしておく。(40分)
事後学習 授業内容を振り返り、理解ができていない個所を確認し、補充する。不明確な点
を抽出し次回の質問として備える。(40分)
授業内容青年期の教師・生徒関係について、事例などを含めながら説明します。

教師のリーダーシップについて説明できるようにする。
教師と生徒の関係について、指導者モデルの特徴から理解し、説明できるようにする。
青年期の生徒に対する教師の理解のあり方について考えをまとめ、説明できるようにする。
9タイトル学校ストレスとしての青年期における学習の悩み   
事前学習
事後学習
事前学習 予め配布された授業資料に参照し、授業のポイント、疑問点を明らかにしておく。(40分)
事後学習 授業内容を振り返り、理解ができていない個所を確認し、補充する。不明確な点
を抽出し次回の質問として備える。(40分)
授業内容児童生徒の学習に対する悩み、学習行動、学習意欲などの諸課題について、発達障害などについても触れながら説明します。

児童生徒の学習に関する悩みの概要を説明できるようにする。
児童生徒の学習活動について、学習方略の活用の観点から説明できるようにする。
児童生徒の学習の悩みに対して指導者としてできることを検討し、提案できるようにする。
10タイトル青年期の学習に対する意欲・動機づけ 
事前学習
事後学習
事前学習 予め配布された授業資料に参照し、授業のポイント、疑問点を明らかにしておく。(40分)
事後学習 授業内容を振り返り、理解ができていない個所を確認し、補充する。不明確な点
を抽出し次回の質問として備える。(40分)
授業内容児童・生徒の学習場面における意欲、動機づけの問題を、具体的な学習場面などに即して解説します。

具体的な学習方略について理解し、その活用について説明できる。
学習に対する動機づけについて、内発的動機づけ、目標設定、他者との比較の観点から説明できる。
11タイトル青年期のアイデンティティの拡散 
事前学習
事後学習
事前学習 予め配布された授業資料に参照し、授業のポイント、疑問点を明らかにしておく。(40分)
事後学習 授業内容を振り返り、理解ができていない個所を確認し、補充する。不明確な点
を抽出し次回の質問として備える。(40分)
授業内容青年期におけるアイデンティティの問題について、時間的展望の拡散、自己意識の拡散、否定的同一性、勤勉性の拡散などを説明します。

青年期におけるアイデンティティ拡散の問題を、ゲーム依存、無気力、友人関係など具体的に例を用いて説明することができる。
12タイトル青年期のアイデンティティ拡散から確立へ
事前学習
事後学習
事前学習 予め配布された授業資料に参照し、授業のポイント、疑問点を明らかにしておく。(40分)
事後学習 授業内容を振り返り、理解ができていない個所を確認し、補充する。不明確な点
を抽出し次回の質問として備える。(40分)
授業内容青年期のアイデンティティ拡散から確立の過程と課題について説明します。

アイデンティティの拡散から確立への過程について、モラトリアム、役割実験などの観点から説明できるようにする。
アイデンティティ確立に関わる同一化の捉え直し、居場所の発見、納得と社会的承認の観点から説明できるようにする。
13タイトル生涯発達過程における青年期の意味:乳幼児期から成人期以後の発達を見すえて  
事前学習
事後学習
事前学習 予め配布された授業資料に参照し、授業のポイント、疑問点を明らかにしておく。(40分)
事後学習 授業内容を振り返り、理解ができていない個所を確認し、補充する。不明確な点
を抽出し次回の質問として備える。(40分)
授業内容青年期以前の乳幼児期、および成人期、中年期、老年期についての理解を深め、生涯発達の視点から青年期の発達の意義について説明します。

青年期以前および以後の発達過程について、その概要と発達課題について説明できるようにする。
生涯発達の視点から、青年期の意味を説明できるようにする。
14タイトルレポート発表 現代青年が置かれている環境の諸課題とその解決の提案
事前学習
事後学習
事前学習:レポートについて、各自発表資料を作成し、発表の準備を行う。(150分)
事後学習:本時のレポート発表から学んだこと、自分の発表のふりかえりを行う。(20分)
授業内容レポート発表、質疑応答、ディスカッションなどを行う。
15タイトル総括評価:まとめ これまでの授業のふりかえりとまとめ  
事前学習
事後学習
これまでの授業を振り返り、授業内容を整理しておくこと。また、不明点、理解が不十分な点を確認、補充しておくこと。(120分)
授業内容これまでの授業のまとめとふりかえりとして期末試験を行い、出題意図の説明とともに、不明点、不十分な点について確認し、解説する。
<前年度授業に対する改善要望等への対応>
・授業使用資料を事前に配布します。空欄があり、授業を聞きながら空欄を埋めて、内容理解を深めます。授業時に資料の提示時間が短いため空欄を埋められない、という意見がありました。
授業をゆっくりと進め、空欄補充の時間を保つようにしていきます。

・受講者同士のディスカッション、意見交換の機会を増やしてほしいという希望がありました。授業時において、受講生の情報交換や意見交換場面の設定回数を増やすように努めます。
<備考>
(未登録)