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授業科目名
生命科学実習
担当教員
川原 敦雄/瀬川 高弘/曽根 良太
時間割番号
単位数
履修年次
期別
DMA202 1 2 前期
<授業の概要>
生命科学は生命現象を分子レベルで理解することができ、医学における基盤となる科学分野のひとつである。また、ゲノムに刻まれた生命現象の意義や生命活動の分子メカニズムを理解することは、その破綻により引き起こるヒト疾患の理解や治療法の開発につながる。この実習では、実験や課題に実際に取り組む過程で医学科教育プログラムでの科学的思考や問題対応能力を培うことを目標としている。実習おける実験態度や質問に対するディスカッションなどにより形成的な評価を行い、課題や実験に対するレポートなどで総括的な学習の到達度を調べることで、学生が医学に必要な生命科学分野の科学的思考や問題対応能力を身に付けたかを評価する。
<本授業科目による獲得・涵養が特に期待されるコンピテンシー>(能力・資質)
医学部>医学科向け
記号コンピテンシー(能力・資質)説明 
A専門医学知識と問題対応能力
B科学的思考
C共通汎用能力4・論理的思考力情報を多面的・客観的にとらえ、筋道を立てて根拠を示しながら説明できる。
<到達目標>
目標NO説明コンピテンシーとの対応
医学
1ゲノムDNAを調整しゲノム編集によるゲノム改変を実験結果から説明できる。B
2生命科学のためのデータベースの利用や、ゲノムインフォマティクスに関する基本的な解析手法について説明できる。B
3実習に関連する課題を自身で調べ、自分の考えとともにまとめることができる。A
4実習での課題に対し自身の考えを説明することおよび課題に対し議論できる。C
<成績評価方法>
目標No割合評価の観点
130%実験の遂行することと実験結果をまとめ、その考察をまとめることができる。
230%課題に対しデータベースや解析ソフトを利用し自分で答えを導き出すことができる
320%実習に関連する課題を自身で調べ、自分の考えを含めたレポートとしてまとめることができる。
420%実習への取り組み方および質問への返答などを評価する。
合計100% 
<授業計画>
生命科学実習]
1. ゼブラフィッシュ初期胚の実体顕微鏡による観察(到達目標:実体顕微鏡を操作し、初期胚の発生過程を観察できる)
2. 形態形成に異常を示すゼブラフィッシュおよび器官形成の可視化系統の蛍光実体顕微鏡観察(到達目標:器官形成における形態の形成過程を説明できる)
3. ゲノムDNAの調整とゲノム編集された標的ゲノム部位のPCR法による増幅(到達目標:ゲノムDNAの調整と標的ゲノム部位の増幅ができる)
4. ゲノム編集された標的ゲノム部位の性状をゲル電気泳動法で評価(到達目標:ゲノム改変部位の性状を評価できる)
5. 配列データベースの使用法を紹介するとともに、核酸配列解析、アミノ酸配列解析などの基本的な手法を学ぶ
6. 次世代シークエンサーのデータの取扱い、SNP解析や系統解析など基礎的なデータ解析をおこなう
<教科書>
  1. 真下知士、山本卓ら, ゲノム編集, 羊土社, ISBN:978-4-7581-0359,
    (購入する必要はない)
<参考書>
  1. 武田洋幸、相賀裕美子, 発生遺伝学, 東京大学出版会, ISBN:978-4-13-062212-7,
    (購入する必要はない)

  2. 坊農秀雅, 小野浩雅監修, 生命科学データベース・ウェブツール : 図解と動画で使い方がわかる!研究がはかどる定番18選, メディカル・サイエンス・インターナショナル, ISBN:9784815701437,
    (購入する必要はない)
[実務経験のある教員による授業科目の概要]
これまで生命科学研究活動を行ってきた経験および生命科学に関する講義や実習を行ってきた経験を活かして、受講する学生が生命体の設計図であるゲノム・遺伝子という視点から生命科学を理解できるようになるような実習を行う。
[前年度授業に対する改善要望等への対応]
授業アンケートの結果から受講生のほとんどが実習内容を理解し、実習に取り組んだと考えられた。全ての受講生は実習のレポートを提出し、課題に対する考察も示されていたので、本実習の目標は達成できていると理解している。今年度も実習資料や実習内容を改善することで受講生の理解度が深まる工夫を行っていきたい。授業アンケートを答える学生の比率を上げることができるように、そのアナウンスなどを何度も行うように改善したい。