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授業科目名 金融リテラシー向上講座
時間割番号 CPYK53
担当教員名 今井 久/手塚 伸/堀内 久雄
開講学期・曜日・時限 後期・木/・VI/ 単位数 1
<対象学生>
全学部生
<授業の目的>
この科目は「連携開設科目(主幹大学:山梨県立大学)」です。
授業の実施日については、大学ホームページ(https://www.yamanashi.ac.jp/campuslife/332)に掲載「教養教育連携開設科目履修ガイド」の令和6年度連携開設科目(主幹大学:山梨県立大学)一覧(PENTAS YAMANASHI)を確認してください。

現代社会において、貨幣の存在は欠かせない。私たちがショッピングに行く時、旅に出る時、コンサートを見に行く時、事業を起こす時・展開する時、どんな時でも必ず貨幣が必要になる。
それほどの不思議な力を持つ貨幣とは一体何なのか。昔の貨幣はともかく「金=Gold」に紐づけられており、指輪にも鎖にも金歯にも使える美しい金属でもあった。今は鼻紙にも使えない紙きれにすぎない。それどころか、時には銀行の通帳上の数字の増減、また昨今は、電子マネーや仮想通貨といった電子データに過ぎない。このような無価値なものが、大きな力を持って、世界経済や地域経済を動かし、社会を支え、時には貨幣を巡る惨事も引き起こす。
この授業では、まず、山梨中央銀行金融資料館の研修を通じ、金融が歴史の来し方やドラマ、とりわけ近現代において主に江戸から東京を舞台として活躍した甲州財閥の先達に学びます。また、並行して金融の源となる、このように不思議で今に至るまでの経済学者を悩ませ続ける貨幣の本質を考察するとともに、地域経済社会の中で金融がどのような枠割(≒地域全体の利益に貢献する動脈)を担い、効果を上げているのか、第一線の現場で奮闘する金融パーソンの実践に学びます。さらに、受講生一人一人に重要となるライフステージに応じたお金との付き合い方を考えます。
なお、本科目は㈱山梨中央銀行の寄付により運営するもので、同行の全面的なご協力をいただき進めるものです。
<本授業科目による獲得・涵養が特に期待されるコンピテンシー>(能力・資質)
全学共通教育科目向け
記号コンピテンシー(能力・資質)説明 
A共通教養多様な知識の獲得単位を取得した教養教育科目の概要と、重要な基礎的事項を説明できる。
B地域理解自らの生活の場である地域の特色・課題を説明できる。
C汎用能力5・問題解決力課題設定力課題を明らかにし、解決すべき「問い」を立てることができる。
<到達目標>  到達目標とは
目標NO説明コンピテンシーとの対応
共通
1様々な金融の在り方について、その現状と意義を理解できる。A
2地域経済における貨幣・金融の重要性を、歴史や機能など多方面から理解できる。B
3貨幣の本質に基づき、今日の社会経済において多様な金融制度が果たす役割を考えることができる。C
4VUCA時代における貨幣との付き合い方を理解し、自ら実践する態度を身につける。C
<成績評価の方法>
目標No割合評価の観点
140%各回のレポート(金融に関する理解度)により評価する。
220%各回のレポート(経済に関するリサーチ力・思考力)により評価する。
320%各回のレポート(貨幣による客観性・ソリューション力)により評価する。
420%最終回に科目全体に課すレポート(表現力・姿勢)に基づき評価する。
合計100% 
<授業の方法>
貨幣の歴史的考察から、様々な金融の現場における実践的な活動、地元金融機関の地方創生や地域経済活性化への取り組みなど、貨幣(お金)の切り口から経済社会を俯瞰していく。さらに、講義を通じて、金融リテラシーの向上を図り、VUCA時代を生き抜く術を学ぶ。
<受講に際して・学生へのメッセージ>
・金融の第一線で活躍される実務家とともに、これまでとは全く異なった切り口から金融の在り方を考える講義です。「昨日までとは異なった景色」が見えてくるものと思います。多くの方々の参加を期待します。
・質疑応答のみならず、授業外学修として担当教員・ゲスト講師との対話を歓迎します。
<テキスト>
  1. 適宜プリントなどを配布します。
<参考書>
  1. 講義時に適宜紹介します。
<授業計画の概要>
1タイトル(10/5土) 山梨中銀金融資料館 堀口館長、亀井学芸員
事前学習
事後学習
冒頭において授業全体のガイダンスの後、山梨中銀金融資料館の見学を通じて、金融の歴史や甲州金、人生の三大費用等について学ぶ。
授業内容次のホームページを確認しておく
山梨中央銀行金融資料館(https://www.yamanashibank.co.jp/aboutus/museum/)
2タイトル(10/5土) 山梨中銀金融資料館館長 堀口美千代、学芸員 亀井大輔
事前学習
事後学習
山梨中銀金融資料館の見学を通じて、金融の歴史や甲州金、人生の三大費用等について学ぶ。
授業内容次のホームページを確認しておく
山梨中央銀行金融資料館(https://www.yamanashibank.co.jp/aboutus/museum/)
3タイトル(10/17木) 山梨中銀金融資料館学芸員 亀井大輔
事前学習
事後学習
先進的な取組みをしながら地域の殖産興業の発展に寄与してきた興益社、優れた先見性を発揮しながら山梨のみならず日本全体の経済発展に寄与してきた甲州財閥等を紹介し、金融の本質である「公益性」について学ぶ。
授業内容課題レポートにより授業内容を振り返る
4タイトル(10/24木) 山梨県立大学特任教授 手塚伸
事前学習
事後学習
貨幣とそれが表す価値との関係に関するこれまでの議論を整理し、貨幣の本質を明らかにする。
授業内容内山節 著『貨幣の思想史』(農山漁村文化協会版あるいは新潮選書版)を予め学修しておく
課題レポートにより授業内容を振り返る
5タイトル(10/31木) 共同通信社編集委員 橋本卓典
事前学習
事後学習
全国の地域金融機関が「現場で中小企業に寄り添う支援の現実」と「究極の地方創生に向けた経営支援の模索」などケーススタディに、地域の創生を構想する。
授業内容橋本卓典 著『地銀と中小企業の運命』(文春新書)を予め学修しておく
課題レポートにより授業内容を振り返る
6タイトル(11/7木) 株式会社GoodWay 代表取締役社長 藤野 宙志
事前学習
事後学習
地域金融が、企業の成長ステージに応じた様々な支援メニューにより地域企業の活性化を支援していることや、地域における様々なステークホルダーとの実践を学び、受講生が地域経済の第一線で活躍する際の糧としてもらう。
授業内容課題レポートにより授業内容を振り返る
7タイトル(11/14木) 山梨中央銀行経営企画部 主任調査役 古屋 豪
事前学習
事後学習
地域金融が、幅広い見地から地域社会の活性化のために実践しているプロジェクトについて学ぶとともに、受講生とのディスカッションを通じて地域の課題を学修する。
授業内容課題レポートにより授業内容を振り返る
8タイトル(11/21木) 山梨中央銀行地方創生部部長 渡邊正雄
事前学習
事後学習
地域金融が様々なステークホルダーと連携しながら取引先の事業拡大や「夢の実現」を支援してきた事例を通じて、地域金融の全体像を再確認する。
授業内容課題レポートにより授業内容を振り返る
<実務経験のある教員による授業科目の概要>
様々な金融機関でご活躍される方々、長く金融機関に関する調査研究に携わってきた方々など、幅広く第一線で活躍される方々を講師に招き、金融の現状を明らかにしていく。
<前年度授業に対する改善要望等への対応>
授業評価アンケート対象外
<備考>
・本科目は、次の時間帯と場所で実施する。
10/5 13:10~16:20 山梨中央銀行金融資料館(現地集合・現地解散、駐車場に限りがあるため、徒歩あるいは自転車での参加とすること。)
10/17~11/21 18:10~19:40 山梨県立大学飯田キャンパス
・9月21日(土)に、山梨中央銀行寄付講座として内山節氏(哲学者)をお招きし、シンポジウム「地域創生の再定義から考える(仮)」を開催するので、参加することが望ましい(開催場所は山梨県立大学飯田キャンパスを予定)。
・他大学の学生や社会人等とともに学ぶ「PENTAS YAMANASHI」の科目です。