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授業科目名 基礎物理学I
時間割番号 TME102
担当教員名 浮田 芳昭
開講学期・曜日・時限 前期・火・II 単位数 2
<対象学生>
(未登録)
<授業の目的>
基礎物理学Iでは,物理学の中でも電磁気学と共に基礎的な分野をなす力学を学ぶ.自然現象の中から法則を見出す物理学の中でも,力学は最初に成立した分野で,物理学の概念が最も分かり易い学問分野である.
本講義では,力学の中でも導入部分に相当する質点の力学に関する素養を養うことを目標に講義を進める.具体的には,大きさや形を無視して1点に質量を与えた仮想的な物体(質点)に力が作用した場合の運動(力学)を,数学を用いて表現手法を習得する.
<本授業科目による獲得・涵養が特に期待されるコンピテンシー>(能力・資質)
工学部>機械工学科向け
記号コンピテンシー(能力・資質) 
ME-A専門基礎的・専門的学力や論理的な表現力さらにコミュニケーション能力を修得し、科学的知見と技術を総合して社会的課題を解決する能力を身につける。
<到達目標>  到達目標とは
目標NO説明コンピテンシーとの対応
ME
1ベクトルの合成や分解ができること.ME-A
2ベクトルの内積と仕事の関係が理解でき,基礎的な計算ができること.ME-A
3ベクトルの微分・積分と加速度・速度・変位の対応関係が理解でき,基礎的な計算ができること.ME-A
4質点の基本的な運動を数式を用いて取り扱えること.ME-A
5仕事と運動エネルギーの関係が理解できること.ME-A
6ポテンシャルエネルギーとエネルギー保存則を理解すること.ME-A
<成績評価の方法>
目標No割合評価の観点
130%微分方程式による力学現象の記述を理解できる
230%ベクトルを用いた物理現象の表現が理解できる
310%ベクトルの微分・積分と加速度・速度・変位の対応関係が理解でき,基礎的な計算ができる
410%質点の基本的な運動を数式を用いて取り扱える
510%仕事と運動エネルギーの関係が理解できる
610%ポテンシャルエネルギーとエネルギー保存則を理解する
合計100% 
<授業の方法>
基礎物理学Iでは,質点の運動を数式で取り扱うことを基本としている.対象とする質点の基本的な運動は高等学校の物理(力と運動など)で学んだものが多いので,「物体に作用する力」,「速度・加速度と力」,「運動の法則」,「運動量の保存」および「力学的エネルギ」などを十分に復習しておくこと.また数式を用いて質点の運動を表現するので,高等学校の数学で学んだ「ベクトル」および「微分と積分」の基礎を復習しておくこと.

本科目は,「応用物理学I(基礎教育)」,「機械力学及び演習,振動工学,流体工学I,流体工学II及び演習(基礎工学)」などを履修する上で必要となる多くの基礎的内容を含んでいるので,十分に理解されることを期待する.
<受講に際して・学生へのメッセージ>
本講義では,高校物理における力学の完全な理解を前提をしてすすめます.この理解に不安がある学生は自分で復習してよく理解しておく必要があります.また,講義内で取り扱う運動は高校物理で学ぶものばかりですが,微分や積分を駆使することで,空気の抵抗や物体の体積等,高校で学んだ物理では手に負えなかった現象も記述できるように理論が拡張されます.このため,高校物理よりも数学の重みがずっと大きくなることを予め心得ておくことが求められます.
<テキスト>
  1. 兵頭 俊夫著, 考える力学, 学術図書出版社, ISBN:978-4-87361-099-3
<参考書>
(未登録)
<授業計画の概要>
1タイトルガイダンス及びベクトル、座標
事前学習
事後学習
教科書による予習
演習課題
授業内容ガイダンスにより本講義の評価指針等受講者が知っておくべきことを説明する.講義では,本講義のみならず大学で物理学を学ぶために必須の常識であるベクトルについて表記法から説明する.
2タイトル微分、運動の法則、慣性質量
事前学習
事後学習
教科書による予習
演習課題
授業内容力学の第2法則を題材として,代表的な微分方程式のベクトルや成分による表現方法に慣れ親しんでゆく.
3タイトル等加速度運動、次元と単位、ベクトルの合成と分解
事前学習
事後学習
教科書による予習
演習課題
授業内容微分方程式によって運動方程式を記述する具体例として1次元の等加速度運動を扱い,一般解と特殊解という微分方程式の基礎知識に触れる.
4タイトル地表付近での物体の運動,地表付近の重力と万有引力
事前学習
事後学習
教科書による予習
演習課題
授業内容等加速度の2次元運動として放物運動を取り扱い,ベクトルによる運動の記述と,成分による運動の記述を完全なものとする.また,慣性質量と重力質量の違いを説明し,質量という素朴な物理量の奥深さを知る.
5タイトルこれまでの復習・中間試験
事前学習
事後学習
各自による試験対策
試験後の自己復習及び個別の解説
授業内容これまでの講義の振り返りとして,中間試験を実施する.また試験の後には個別に解説を行い,各自の理解が不十分な箇所を確認する.
6タイトル積分、運動量、力積
事前学習
事後学習
教科書による予習
演習課題
授業内容大学物理で頻出の線積分,面積積分,体積積分とこれらによる物理量の数学的表現を学ぶ.
7タイトル種々の力、単振動
事前学習
事後学習
教科書による予習
演習課題
授業内容今後の講義によってなされる理論の一般化に備え,高校物理では取り扱われなかった力として空気抵抗等さまざまな力について学ぶ.
8タイトル線形常微分方程式の解法、抵抗がある場合の落下運動
事前学習
事後学習
教科書による予習
演習課題
授業内容大学の物理学の入門として,微分方程式による振動の表現手法を学ぶ.
9タイトル速度に比例する抵抗がある場合の落下運動、減衰振動、強制振動
事前学習
事後学習
教科書による予習
演習課題
授業内容落下運動,減衰振動,強制振動を学び線形微分方程式による運動の記述を学ぶ.
10タイトルこれまでの復習・中間試験
事前学習
事後学習
各自による試験対策
試験後の自己復習及び個別の解説
授業内容これまでの講義の振り返りとして,中間試験を実施する.また試験の後には個別に解説を行い,各自の理解が不十分な箇所を確認する.
11タイトル仕事、エネルギー、保存力とポテンシャル
事前学習
事後学習
教科書による予習
演習課題
授業内容高校でも学習したポテンシャルと保存力を復習し,微分と積分によるこれらの記述を学ぶ.
12タイトル保存力の例、力学的エネルギーの保存、ポテンシャルの微分と保存力の関係
事前学習
事後学習
教科書による予習
演習課題
授業内容最も親しみやすいベクトル演算子である勾配(grad)によりスカラー場からベクトル場を生成できることを理解し,ベクトル解析を知る.
13タイトル極座標,2次元ベクトルの極座標成分,2次元極座標による運動の記述
事前学習
事後学習
教科書による予習
演習課題
授業内容さまざまな分野で頻繁に用いられる極座標について学ぶ.
14タイトル万有引力のポテンシャル,球対称の質量分布からの万有引力
事前学習
事後学習
教科書による予習
演習課題
授業内容質量が空間に分布する物体の取り扱いへの準備として,球対称な球状物体から質点が受ける万有引力を数学的に表現する方法を学ぶ.
15タイトルこれまでの復習・期末試験
事前学習
事後学習
各自による試験対策
試験後の自己復習及び個別の解説
授業内容これまでの講義の振り返りとして,期末試験を実施する.また試験の後には個別に解説を行い,各自の理解が不十分な箇所を確認する.
<備考>
(未登録)