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授業科目名 システム制御工学
時間割番号 TJM306
担当教員名 北村 敏也
開講学期・曜日・時限 前期・水・III 単位数 2
<対象学生>
(未登録)
<授業の目的>
我々が日常使用している器具類にはここで学ぶ制御工学の理論が使われているものが数多くある。エアコンによる部屋の温度調節などは制御工学の1例である。制御工学とは,様々な機器を所望の状態にするための技術である。このために,出力の状態を観測して機器への指令値を決定するフィードバックが用いられる。制御理論には1入力1出力系である古典的制御理論と状態方程式を用いる多入力多出力系の現代制御理論があるが,本講義では,はじめに古典的制御理論について学習し,時間応答,及び周波数応答に基づく制御系の設計法を習得する。さらに,古典制御理論から現代制御理論への橋渡しとして,状態空間表現によるシステムの解析・設計法について簡単に学ぶ。
本講義は「システム制御工学演習」と一連のものである。
本講義は連続時間系を対象とし、離散時間系を学ぶ「信号とシステム」及び「信号とシステム演習」も履修すること。
<本授業科目による獲得・涵養が特に期待されるコンピテンシー>(能力・資質)
工学部>メカトロニクス工学科向け
記号コンピテンシー(能力・資質) 
JM-A専門1.技術者・研究者にとって必要な数学と物理の基礎知識数学の基礎的事項(微分積分、線形代数、確率統計、フーリエ変換など)の理論と活用方法を説明でき、それらを使った計算ができる。
JM-B物理の基礎的事項(力学、電磁気学、波動、熱力学)の理論と活用方法を説明でき、それらを使った計算ができる。
JM-C2.三分野での活躍を目指す技術者・研究者にとって必要な基礎知識と技術一次及び二次遅れ系の伝達関数とボード線図を求めることができ、それらに基づきPID制御などの基本制御系の設計ができる。
JM-D3.三分野のうち、一つ以上のより専門的な技術と知識。少なくとも一分野の技術と知識を十分に身につけ、さらに一つ以上の分野の技術と知識も身につける。1.機械分野機械要素や機構の動作を理解した上で、設計に適した機能を有する機械要素および機構を選択でき、それらを組み合わせた機器の設計をすることができる。
JM-E2.電気分野線形素子、基本的な電子デバイスからなる回路の動作原理・特性を説明し、それらの素子を使った回路を設計できる。
JM-F4.三分野の知識を利用した分野をまたがった活用三分野を横断した考え方をもとにした議論の上で、結果を導き出すことができる。
JM-Gアーキテクチャ、ハードウェア、プログラミング、電気信号、電子回路、センサ、アクチュエータ、機構、材料、等の関連性を考慮した上、総合的な設計をして製作ができる。
<到達目標>  到達目標とは
目標NO説明コンピテンシーとの対応
JM
1システムをブロック線図で描き、入出力の関係を数式化できる。JM-A
2微分要素,積分要素,一次及び二次遅れ系の伝達関数について説明できる。JM-B
3伝達関数からボード線図を描き、システムの特性を理解できる。JM-C
4システムの安定性、定常偏差について評価・分析できる。JM-D
5フィードバックシステムの安定性判別から、適切なゲイン等の設定ができるJM-E
6システムの零点、極配置から、システムの安定性を解析でき、システムに必要な零点、極の配置が行える。JM-F
7システムの可観測性、可制御性を判断し、制御可能なシステムを構築できる。JM-G
<成績評価の方法>
目標No割合評価の観点
115%中間試験による
215%中間試験による
315%中間試験による
415%中間試験(システムの安定判別)及び期末試験(定常偏差)による
510%期末試験による
615%期末試験による
715%期末試験による
合計100% 
<授業の方法>
通常の講義にて授業を行う。
授業内容の理解は中間試験、期末試験にて評価する。
本授業の具体的なモデル化や分析については、「システム制御工学演習」にて行う。
<受講に際して・学生へのメッセージ>
微分方程式(特にラプラス変換)、解析学、線形代数(行列、ベクトル)について理解していること。
またモデルを作成するうえで、力学、電磁気学等についての理解をしていること。
<テキスト>
  1. 日本機械学会編, 制御工学, 丸善, ISBN:978-4-88898-106-4
<参考書>
  1. 樋口龍雄, 自動制御理論, 森北出版株式会社, ISBN:978-4-627-72640-6
  2. 浜田望・松本直樹・高橋徹, 現代制御理論入門, コロナ社, ISBN:978-4-339-03161-4
<授業計画の概要>
1タイトル自動制御概要
事前学習
事後学習
事前学習:微分方程式、力学、電子工学、電磁気学について理解していること。事前に教科書の当該箇所について確認しておくこと。
授業内容自動制御とは、システムのモデル化について講義する
2タイトルシステムの要素
事前学習
事後学習
事前学習:微分方程式、力学、電子工学、電磁気学について理解していること。事前に教科書の当該箇所について確認しておくこと。
授業内容比例要素、積分要素、微分要素、1次遅れ要素、2次遅れ要素等について講義する。
3タイトルシステムのs領域表現と伝達関数
事前学習
事後学習
事前学習:微分方程式、特にラプラス変換について理解しておくこと。事前に教科書の当該箇所について確認しておくこと。
授業内容システムのs領域表現から閉ループ伝達関数、一巡伝達関数等について講義する。
4タイトルフィードバック系と周波数特性
事前学習
事後学習
事前学習:複素数、複素平面について理解しておくこと。事前に教科書の当該箇所について確認しておくこと。
授業内容伝達関数からゲイン、位相の算出法、ボード線図の描き方とその特徴について講義する。
5タイトルボード線図及びベクトル軌跡とその評価
事前学習
事後学習
事前学習:対数グラフ、複素平面について理解しておくこと。事前に教科書の当該箇所について確認しておくこと。
授業内容極配置からボード線図の特徴を学ぶ、またベクトル軌跡を描き方とその特徴について講義する。
6タイトルラウス・フルビッツの安定判別法
事前学習
事後学習
事前学習:線形代数、特に行列式について理解しておくこと。事前に教科書の当該箇所について確認しておくこと。
授業内容特性根、ラウスの安定判定法、フルビッツの安定判別法について講義する。
7タイトルナイキスト線図と安定判別法
事前学習
事後学習
事前学習:複素平面における極について、解析学などの授業を復習しておくこと。事前に教科書の当該箇所について確認しておくこと。
授業内容ナイキスト線図、ゲイン余裕、位相余裕について講義する。
8タイトル中間まとめと中間評価
事前学習
事後学習
事前学習:これまでの授業内容、教科書内容を復習しておくこと。
授業内容これまでの授業内容をまとめて整理する。筆記試験により理解を計る。
9タイトル定常偏差
事前学習
事後学習
事前学習:ラプラス変換および極限値について理解しておくこと。事前に教科書の当該箇所について確認しておくこと。
授業内容システムの定常偏差について講義する。
10タイトルフィードバック制御と根軌跡によるシステム解析
事前学習
事後学習
事前学習:複素平面、微積分について復習しておくこと。事前に教科書の当該箇所について確認しておくこと。
授業内容フィードバック制御と、比例制御での根軌跡によるシステム評価法について講義する。
11タイトルPID制御と限界感度法
事前学習
事後学習
事前学習:第2回の基本要素について復習しておくこと。事前に教科書の当該箇所について確認しておくこと。
授業内容P制御、PI制御、PID制御と限界感度法によるコントローラ係数の設定法について講義する。
12タイトル状態空間モデル
事前学習
事後学習
事前学習:線形代数、特に行列とベクトルについて理解しておくこと。事前に教科書の当該箇所について確認しておくこと。
授業内容システムの状態空間表現と、その解法について講義する。
13タイトル状態方程式と伝達関数
事前学習
事後学習
事前学習:ラプラス変換、テイラー展開、指数関数について理解しておくこと。事前に教科書の当該箇所について確認しておくこと。
授業内容状態方程式から伝達関数の導出法、伝達関数から状態方程式の導出法について講義する。
14タイトル状態方程式と可観測性、可制御
事前学習
事後学習
事前学習:線形代数、特に行列とベクトルについて理解しておくこと。事前に教科書の当該箇所について確認しておくこと。
授業内容状態方程式から可観測性・可制御性の評価と最適制御について講義する。
15タイトル授業のまとめと期末試験
事前学習
事後学習
事前学習:これまでの授業内容、教科書内容を復習しておくこと。
授業内容これまでの講義内容について全体を整理するとともに説明が足りなかった内容について補う。筆記試験により理解を計る。
<備考>
(未登録)