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授業科目名 光波動工学
時間割番号 TEE317
担当教員名 本間 聡
開講学期・曜日・時限 後期・火・III 単位数 2
<対象学生>
EE3年次
<授業の目的>
光のテクノロジー、フォトニクスは、様々な物の加工や検査、分析、情報記録や通信、医療など身の回りの至るところで利用されている。これらの技術の多くは光の波動性を利用しており、その仕組みを理解するためには光の波動としての特性を知らなければならない。本講義では、光波、電波の波動解析の基礎を理解することを目的とする。まず、Maxwellの式の物理的な意味を理解し,さらに波動方程式を導出し、また異種材料境界における条件を理解する。次いで、種々の伝送路や媒質における正弦的平面波伝搬や導波路中の伝搬状態を解析する方法を理解する。その後、アンテナ、空中線などからの電磁波放射、光波による信号伝送等の高周波通信の基礎を学ぶ。
<本授業科目による獲得・涵養が特に期待されるコンピテンシー>(能力・資質)
工学部>電気電子工学科向け
記号コンピテンシー(能力・資質) 
EE-A専門3.電磁気学マックスウェルの方程式で場の運動を記述でき、波動方程式を導出して解析できる。
EE-B電場と磁場の相互作用、異なる誘電体境界における電磁界の条件、自由空間および光導波路中の光の伝搬状態を説明できる。
<到達目標>  到達目標とは
目標NO説明コンピテンシーとの対応
EE
1Maxwellの式の物理的意味を説明できる。EE-A
2Maxwellの式から正弦的平面波の波動方程式が導出できる。EE-A
3誘電体境界における電磁界の境界条件の理解し,光の反射と透過特性を解析できる。EE-B
4誘電体光導波路中などの電磁界と分散式を求めることができ、伝搬モードの概要について説明できる。EE-B
5ダイポールアンテナ、線状アンテナ等の放射電磁界を求めることができる。EE-B
<成績評価の方法>
目標No割合評価の観点
120%Maxwellの式の物理的意味を説明できる。
220%Maxwellの式から正弦的平面波の波動方程式が導出できる。
320%誘電体境界における電磁界の境界条件の理解し,光の反射と透過特性を解析できる。
420%誘電体光導波路中などの電磁界と分散式を求めることができ、伝搬モードの概要について説明できる。
520%ダイポールアンテナ、線状アンテナ等の放射電磁界を求めることができる。
合計100% 
<授業の方法>
基本的に講義形式で進める。ただし、講義の際に、内容を確認するためにワークシートを使った演習問題を課すことがある。また、いくつかの回では、理解を深めるために事前に講義ビデオを配信するので、それを授業前に視聴してくることを求める。
<受講に際して・学生へのメッセージ>
これまでに学習した電磁気学を基礎とする。レーザー光は波としての性質と量子としての性質を合わせ持ち、その応用範囲は非常に広い。したがって、電磁気学、物理学、量子力学などの基礎的理解が必要である。
<テキスト>
  1. 高橋 応明, 電磁波工学入門, 数理工学社, ISBN:978-4-901683-83-8
<参考書>
(未登録)
<授業計画の概要>
1タイトル電磁波とMaxwellの方程式(1) ベクトル演算 勾配・発散・回転とMawellの方程式
事前学習
事後学習
ベクトルの演算が必要となる。ワークシートを利用して習得状況を確認する
授業内容Maxwellの方程式を理解するためには,いくつかのベクトル演算を行い,式を変形する必要がある。ベクトル演算の基礎について復習する。
2タイトル電磁波とMaxwellの方程式(2) ガウスの法則,アンペールの法則,ファラデーの法則
事前学習
事後学習
講義ではワークシートを使用して,内容をまとめる。
授業内容ガウスの法則 アンペールの法則 ファラデーの法則について解説する。
3タイトル電磁波とMaxwellの方程式(3) 磁場と電場の相互作用
事前学習
事後学習
講義ではワークシートを使用して,内容をまとめる。
授業内容磁場と電磁波の相互作用について説明する。電界が磁界を生み,磁界が電界を生む。この連鎖で電磁波が発生する。その過程について説明する。
4タイトル電磁波の波動方程式の導出
事前学習
事後学習
講義ではワークシートを使用して,内容をまとめる。
授業内容Maxwellの方程式より,光の波動方程式を導出する。
5タイトル光の伝搬とダランベールの解
事前学習
事後学習
講義ではワークシートを使用して,内容をまとめる。
授業内容波動方程式を解くと,光の電界および磁界が波として伝搬する解が得られる。波動の意味を理解し,さらに角周波数,波数,位相速度の関係を理解する。
6タイトル平面電磁波の表現,直線偏波,楕円編波
事前学習
事後学習
講義ではワークシートを使用して,内容をまとめる。
授業内容直線偏光,円偏光,楕円偏光について解説する。位相差がある二つの直交する直線偏光を合成することにより,様々な偏光状態の光が作り出されることを説明する。
7タイトル電磁界が伝搬するエネルギー量
事前学習
事後学習
講義ではワークシートを使用して,内容をまとめる。
授業内容電界,磁界が伝送するエネルギー量について解説する。
8タイトル導体中の光の減衰 表皮効果
事前学習
事後学習
講義ではワークシートを使用して,内容をまとめる。
授業内容導電率を有する媒体に光を照射すると,導体中では光は大きく減衰する。減衰する電磁界を解析する。
9タイトル中間審査とまとめ
事前学習
事後学習
これまでの講義内容について復習する
授業内容これまでの講義内容について習得状況を確認する。また出題の意図を解説する。
10タイトル異なる誘電体境界における電磁界の境界条件
事前学習
事後学習
講義ではワークシートを使用して,内容をまとめる。
授業内容異なる誘電体境界に光を照射した場合,一部の光が反射する。どんな割合で反射するのかを決めるのは,誘電体境界上の電磁界の境界条件である。Maxwellの方程式からその境界条件を導出する。
11タイトル誘電体境界における電磁波の反射・透過
事前学習
事後学習
講義ではワークシートを使用して,内容をまとめる。
授業内容誘電体境界に光を照射すると,一部の光は反射し,その他は透過する。反射,透過の割合は誘電体の誘電率だけでなく光の偏光方向,入射角度に依存する。これらのパラメータによって,どのように反射率,透過率が変化するのか解説し,その式を導出する。
12タイトル光導波路中を伝搬する光波(1)
事前学習
事後学習
講義ではワークシートを使用して,内容をまとめる。
授業内容光導波路について解説する。ここでスラブ導波路を対象として,Maxwellの方程式より,コア,クラッド中を伝搬する電磁界の波動方程式を導出する。TEモード,TMモードが存在することを説明する
13タイトル光導波路中を伝搬する光波(2)
事前学習
事後学習
講義ではワークシートを使用して,内容をまとめる。
授業内容コア,クラッドの境界における電界,磁界を満たすべき条件について説明する。
境界条件を満足する伝搬状態が離散的に出現することを説明する。
14タイトルダイポールアンテナ、線状アンテナ等の放射電磁界
事前学習
事後学習
講義ではワークシートを使用して,内容をまとめる。
授業内容ダイポールアンテナにより電磁界が放射される原理を説明する。
15タイトル最終審査とまとめ
事前学習
事後学習
これまでの講義内容について復習する
授業内容これまでの講義内容について習得状況を確認する。また出題の意図を解説する。
<備考>
(未登録)