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授業科目名 入門物理学
時間割番号 TAC103
担当教員名 豊木 博泰
開講学期・曜日・時限 前期・木・II 単位数 1
<対象学生>
(未登録)
<授業の目的>
大学入学前に物理が苦手であった者も、後期以降に開講される基礎物理学1を無理なく受講できるように、力学の基礎を学ぶ授業である。同時に、大学入学前に物理が得意であった者にとっては、微分積分やベクトルといった考え方を積極的に活用する大学の物理に慣れる場とする。
<本授業科目による獲得・涵養が特に期待されるコンピテンシー>(能力・資質)
工学部>応用化学科向け
記号コンピテンシー(能力・資質) 
AC-A専門4.化学の専門知識・技術を活用し、新素材・エネルギー・環境等の分野における問題解決に取り組むことができる。F. 電気化学F2. 物理学全般(力学・波動・熱力学・電磁気学・原子物理)の基本的概念を説明できる。
<到達目標>  到達目標とは
目標NO説明コンピテンシーとの対応
AC
1微分・積分・ベクトルを活用して運動を記述することができる。AC-A
2力学の3法則を理解し、質点の運動方程式を立て、それを解くことができる。AC-A
3どのような場合にエネルギーや運動量の保存則が成り立つかを、具体的な系の運動方程式を通じて理解する。AC-A
<成績評価の方法>
目標No割合評価の観点
120%2次元中の質点の速度・加速度をベクトルと微分を使って記述できる。
240%一定の力が働く場合と単振動、円運動を引き起こす力の場合について運動方程式を立て、解を求めることができる。
340%エネルギー保存則、運動量保存則が成り立つ条件を理解し、典型的な事例を述べることができる。摩擦力が働く形のふるまいを記述できる。
合計100% 
<授業の方法>
高校理数系レベルの数学の素養が必要である。
<受講に際して・学生へのメッセージ>
(未登録)
<テキスト>
  1. Raymond A. Serway著  松村博之訳, 科学者と技術者のための物理学 Ia 力学・波動, 学術図書出版社, ISBN:978-4-87361-074-0
<参考書>
(未登録)
<授業計画の概要>
1タイトル速度と加速度
事前学習
事後学習
テキスト3章の1節から5節に関係する宿題を事後学習する。
授業内容連続的な変化を記述できるようになるまでに人類史上長い時間を要した。それを可能にしたのが微分・積分という数学であることを、自然科学史を踏まえて講義する。具体例により速度、加速度の微分表現を教授する。(テキスト3章)


第 1回:序論、物理学の対象、物理学と測定、力学とは
第 2回:ベクトル、数学と物理学の関係、ベクトル演算
第 3回:1次元の運動(1)速度、加速度
第 4回:1次元の運動(2)等加速度運動、自由落下
第 5回:2次元の運動(1)変位、速度、加速度ベクトル
第 6回:2次元の運動(2)発射体の運動、等速円運動
第 7回:運動の法則、力のつり合い、力と運動、作用反作用の法則、摩擦
第 8回:中間評価、総括とまとめ
第 9回:円運動とニュートンの法則の適用例、抵抗力のある物体の運動
第10回:仕事とエネルギー(1)エネルギーの概念、ばねの力とエネルギー
第11回:仕事とエネルギー(2)運動エネルギー、仕事率
第12回:エネルギー保存則、力学的エネルギーの保存
第13回:運動量と衝突(1)、力積、運動量の保存
第14回:運動量と衝突(2)、1次元の衝突、2次元の衝突
第15回:評価、総括とまとめ
2タイトル2次元運動の記述のしかた(ベクトルの導入)
事前学習
事後学習
テキスト3章の章末問題から出題する宿題を解く。(次回解説、ディスカッション)
授業内容2次元の運動の記述にはベクトル概念が必須であることを説明する。ベクトルの記述方法について学習する(テキスト4章1,2節及び2章)
3タイトル2次元運動の事例(発射体の運動)
事前学習
事後学習
テキスト4章の章末問題から出題する宿題を解く。(次回解説、ディスカッション)
授業内容地上付近で、投げ出された物体が放物線を描くことを数学的に記述できるように、演習問題を通じて理解させる。
4タイトル円運動の記述
事前学習
事後学習
テキスト4の章末問題から出題する宿題を解く。(次回解説、ディスカッション)
授業内容2次元の運動を記述する方法として極座標を導入し、そのもとでの運動の記述について教授する。
5タイトルニュートンの力学法則
事前学習
事後学習
5章の章末問題から出題する宿題を解く(次回解説、ディスカッション)
授業内容ニュートンの運動法則の構成について解説するとともに、1次元の運動への適用を単振動を例に理解させる。
6タイトル円運動とニュートンの法則
事前学習
事後学習
6章の章末問題から出題する宿題を解く(次回解説、ディスカッション)
授業内容中心力がはたらく場合の運動の一般的な性質、万有引力のもとでの運動の特徴について理解できるよう教授する。
7タイトル仕事とエネルギー
事前学習
事後学習
7章の章末問題から出題する宿題を解く(次回解説、ディスカッション)
授業内容仕事の概念を導入し、単振動を例にエネルギー保存則を導く。
8タイトルポテンシャルエネルギーとエネルギー保存則
事前学習
事後学習
8章の章末問題から出題する宿題を解く(次回解説、ディスカッション)
授業内容力が位置(座標)のみに依存する場合にはエネルギー保存則が成り立つことを示す。どのような場合にエネルギー保存則が成り立たなくなるのかを通じて、保存則概念の重要性を教授する。
9タイトル摩擦力があるときの運動・エネルギーの散逸
事前学習
事後学習
8章の章末問題から出題する宿題を解く(次回解説、ディスカッション)
授業内容一定の摩擦力が働く場合の運動、摩擦力が速度に比例する場合の運動の方程式とその解を通じて、エネルギーの散逸がある場合の運動について学ぶ。
10タイトル運動量の保存則
事前学習
事後学習
9章の章末問題から出題する宿題を解く(次回解説、ディスカッション)
授業内容系の外部から力が働かない場合には、系の運動量が保存することを運動方程式から導く。特に、衝突のように、エネルギーが保存しない場合でも運動量が保存する系があることを理解するよう努める。
11タイトル中間まとめ
事前学習
事後学習
これまでの宿題の総復習を事前学習として行う。
出題の解答例に基づいて、各自の理解度を判断し、不足している部分を認識する。
授業内容ニュートンの運動法則をよく理解し、簡単な質点について、運動方程式を立てるとともに、その解を求めることができるかどうか、エネルギーと運動量の保存則が成り立つ系と成り立たない系の区別ができるかを各自検証するための中間まとめを実施する。
12タイトル1次元の衝突
事前学習
事後学習
9章の章末問題から出題する宿題を解く(次回解説、ディスカッション)
授業内容反発係数など衝突を記述するための数学的枠組みを教授する。とくに、エネルギーが保存しない不完全衝突の理解は重要である。
13タイトル2次元の衝突
事前学習
事後学習
9章の章末問題から出題する宿題を解く(次回解説、ディスカッション)
授業内容衝突の後の運動の方向が変化する場合についての記述について教授する。
14タイトル質点系の力学
事前学習
事後学習
10章の章末問題から出題する宿題を解く(次回解説、ディスカッション)
授業内容多数の粒子からなる系について、運動量保存則の一般化を行い、孤立系の運動量保存則についての理解を深める。剛体の運動への導入を図る。
15タイトル評価・総括とまとめ
事前学習
事後学習
事前学習として、これまでの宿題の復習を行い、講義全体の理解を深める。
授業内容運動を記述するのに適切な座標の取り方、質点に対するニュートンの運動方程式の解法、保存則について理解できているかどうかを試験問題を解くことにより理解度を総点検するとともに必要な補習を実施する。
<備考>
(未登録)